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ファンマーケティングつながりを科学するSNSマーケティング

ブランドストーリーテリング。ストーリーで魅せる、ファンの心に響くブランド戦略

2025年04月11日

現代のマーケティングでは、商品やサービスの良さを伝えるだけでなく、ブランドストーリーテリングを通じてファン(熱心な顧客)の心を掴むことが重要になっています。ファンの心を掴む方法として注目されるブランド […]

現代のマーケティングでは、商品やサービスの良さを伝えるだけでなく、ブランドストーリーテリングを通じてファン(熱心な顧客)の心を掴むことが重要になっています。ファンの心を掴む方法として注目されるブランドストーリーテリングは、単なる商品説明ではなくブランドの背景にある物語で顧客の感情に訴えかけます。これはファンマーケティング(顧客をファンに育てるマーケティング手法)の強力な武器となり、競合がひしめく市場でブランドの個性を際立たせる助けにもなります。ブランドの物語を上手く伝えることで、顧客にブランドへの共感や愛着(ブランド共感)を抱いてもらい、長期的な信頼関係を築くことができます。

本記事では、ブランドストーリーテリングとは何か、その重要性や企業にもたらすメリット、そして魅力的なブランドストーリーの作り方を解説します。さらに、ストーリーテリングを活用しファンの心を掴むことに成功したブランド事例もご紹介します。自社のブランド戦略に物語の力を取り入れて、ファンとの絆を深めるヒントにしてください。

ブランドストーリーテリングとは?

基本概念と定義

ブランドストーリーテリングとは、企業やブランドにまつわる物語を通じてメッセージを伝えるマーケティング手法のことです。例えば、ブランド創業のエピソードや創業者の想い、企業のビジョンや価値観、製品開発にかけるこだわりなどを一つのストーリー(物語)として語ります。単なる商品の機能説明ではなく物語として伝えることで、顧客にブランドの世界観を感じてもらい、ポジティブな印象や共感を持ってもらうことを目指します。ブランドストーリーテリングは広告やSNS投稿、動画など様々な形で実践され、顧客との心のつながりを生み出す土台となるものです。

企業が実践するメリット

ブランドストーリーテリングを取り入れることで、企業には次のようなメリットがあります。

メリット内容
顧客との感情的なつながりを強化できるストーリーを通じて共感を生み、顧客との信頼関係を築ける
ブランド共感とロイヤリティの向上共感した顧客はブランドを応援し、リピートにつながる
競合他社との差別化独自の物語が、他社にはないブランドの個性を際立たせる
熱心なファン(ブランド支持者)の育成ストーリーに共感した顧客が、口コミやSNSでブランドを広めてくれる

このように、ブランドストーリーテリングは顧客との関係構築やマーケティング効果の向上に大きく寄与するため、企業戦略として実践する価値があります。

魅力的なブランドストーリーの作り方

では、魅力的なブランドストーリーを作るには具体的にどうすれば良いのでしょうか。ここからはブランドストーリーの作り方について、基本となる3つのステップをご紹介します。

ステップ1 – ブランドのコアメッセージを明確にする

まず最初のステップは、ブランドのコアメッセージを明確にすることです。コアメッセージとは「自社が最も伝えたいブランドの核となるメッセージ」のことです。ブランドストーリーの土台になる部分であり、これがブレてしまうと物語全体に一貫性がなくなってしまいます。自社の使命(ミッション)や存在意義、ブランドが解決したい課題、提供する価値は何かを改めて整理してみましょう。例えば「〇〇を通じて世界をより良くする」や「お客様に△△な体験を届ける」といった具合に、一言で言い表せるメッセージにまとめます。このコアメッセージが明確になれば、ストーリーの軸が定まり、発信する内容に芯が通るようになります。

ステップ2 – 感情に訴える要素を加える(エモーショナルマーケティング)

次に、ストーリーに感情に訴える要素を取り入れましょう。エモーショナルマーケティングとは文字通り顧客の感情に働きかけるマーケティング手法です。ブランドストーリーを考える際は、聞き手の心を動かす仕掛けを意識します。例えば、以下のような工夫が有効です。

  • 人間味のある主人公やエピソードを設定する: 創業者の体験談や開発担当者の情熱、お客様の成功事例など、人が共感できる主人公を登場させます。困難を乗り越えた話や驚きの発見など、ドラマチックな展開があるとより心に残ります。

  • 感情を喚起するキーワードやビジュアルを使う: 「勇気」「挑戦」「絆」「夢」といった感情に響く言葉を散りばめたり、温かみのある写真や動画を活用したりして、見る人の心を動かしましょう。商品のスペック説明に終始するのではなく、その背景にあるストーリーや想いを伝えることが大切です。

  • ブランドの価値観や社会的使命と結びつける: 自社が大事にしている価値観(例:環境保護、家族の大切さ、革新性など)を物語に盛り込みます。社会課題の解決やコミュニティへの貢献など高い志を示すことで、共感や感動を呼び起こし、ブランドに対する好感度が高まります。

こうした感情に訴える要素を加えることで、物語に深みが生まれ、顧客は自分ごとのようにブランドストーリーを感じてくれるようになります。ポイントは押し付けにならない自然な形で感情を動かすことです。誇張しすぎず真実味のあるストーリーを心がけましょう。

ステップ3 – 一貫性のある発信をする(SNS活用)

ブランドストーリーテリングの効果を最大化するためには、どのチャネルでも一貫したメッセージを発信することが重要です。統一感のある発信は、顧客に「このブランドはぶれない」と信頼感を与え、ブランド全体の印象を強固にします。

  • 統一されたブランドメッセージ
    ブランドの世界観、語り口調、ビジュアルのスタイルを各SNSや広告、ウェブサイトなどすべての媒体で統一することで、メッセージのブレを防ぎ、顧客に強い印象を与えます。

  • SNSでの継続的なストーリーテリング
    • SNSで商品の裏側やスタッフのエピソードを紹介する
    • ブランドの価値観や最新情報をシェアする
    • ハッシュタグや投稿文、画像のスタイルもブランドのルールに沿うことで、全体として一貫性を保ちます

これにより、日々の発信がブランドストーリーの一部となり、顧客は継続してブランドの物語に触れることができます。

  • ファンの声を取り入れる
    SNS上のコメントやユーザー投稿をブランドストーリーに取り込むことで、ファン自身が物語の一部となり、より深いエンゲージメントが生まれます。

  • ブランドガイドラインの共有
    色やロゴ、口調などの統一ルールを定めたブランドガイドラインを社内で共有することで、オンライン・オフラインを問わず、誰もが同じメッセージを発信できる環境を整えます。

このように、一貫性のある発信はブランドの信頼性を高め、顧客との深い繋がりを築くための鍵となります。

事例 – 有名ブランドのストーリーテリング

実際にブランドストーリーテリングを駆使してファンマーケティングに成功しているブランドの例を見てみましょう。どのブランドも独自の物語で顧客の心を掴み、熱狂的なファンを生み出しています。

The INKEY List

引用:The INKEY List
@theinkeylist

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♬ enesify _ Out of My League – ig: enesfyy
引用:theinkeylist

英国の美容ブランド The Inkey List は、保湿剤市場の激しい競争の中で、消費者の洞察を活かした革新的な製品開発に取り組んでいます。

同ブランドは、Instagramで培った肌を重視するミレニアル世代の強固なコミュニティに支えられながら進化を続け、新たな修復・ふっくら肌作り製品を発表。

消費者のリアルなスキンケア体験に基づく洞察を活かし、製品やメッセージを消費者のニーズに合わせてカスタマイズ。さらに、Instagramを中心に形成されたミレニアル世代との強固なコミュニティが、ブランドと消費者との深い絆を築いています。加えて、屋外広告、テレビ、SNS広告といった多角的なメディア戦略により、一貫性のあるストーリーを広範囲に伝えることに成功しています。「Beauty Through the Ages」というビデオシリーズでは、年齢に応じたインフルエンサーとの本音の対話が生み出され、視聴者の共感を呼んでいます。そして、「Aging 101」などの教育コンテンツの提供を通じて、消費者に対する知識の普及と信頼感の醸成にもつながっています。

出典:2024年に創造性とストーリーテリングを強化する4つのブランド

Nike(ナイキ) 

引用:NIKE JAPAN

スポーツブランドのNikeは「Just Do It(やるだけだ)」という有名なスローガンを掲げ、挑戦と成功の物語を一貫して伝えてきました。広告ではトップアスリートから無名のランナーまで、さまざまな人々が困難を乗り越えて目標を達成する姿を描いています。このストーリーは「誰もが自分の可能性を信じて一歩踏み出せば夢を実現できる」というメッセージを伝え、世界中に共感を呼びました。Nikeの物語に勇気づけられた顧客はブランドの大ファンとなり、スポーツをする人々の心の支えとしてNikeを選び続けています。

Patagonia(パタゴニア) 

アウトドアブランドのPatagoniaは、環境保護に対する強い信念をブランドストーリーの核に据えています。同社は売上の1%を環境保護団体に寄付する「1% for the Planet」プログラムを長年実施し、自社の製品にもリサイクル素材を積極的に採用しています。Patagoniaが発信する物語は「地球を大切にする冒険者のブランド」というものです。美しい自然の写真や、環境問題に立ち向かう人々のストーリーをSNSやカタログで共有し続けることで、アウトドア愛好家の共感を獲得しました。顧客はPatagoniaの製品を購入すること自体が環境保護への参加につながると感じ、ブランドの熱心な支持者(ファン)となっています。

これらの事例からもわかるように、ブランドストーリーテリングは単なる宣伝ではなく顧客との物語の共有です。心を動かすストーリーがあれば、顧客は商品以上の価値をそのブランドに見出し、長く応援してくれるファンになってくれるのです。

まとめ:ブランドストーリーの活用法と次のステップ

ブランドストーリーテリングは、ブランドに魂を吹き込み顧客との強い絆を生むための強力な手法です。商品やサービスの良さを伝えるだけでなく、その背後にある物語を共有することで、顧客はブランドに対して特別な感情を抱くようになります。これはファンマーケティングの核と言えるでしょう。

まずは自社のブランドストーリーを見直し、ファンの心を掴む要素が盛り込まれているかチェックしてみてください。コアメッセージが明確か、一貫性が保たれているか、感情に響くエピソードがあるかなど、本記事で紹介したステップを参考に整えてみましょう。最初は小さな発信でも構いません。SNS投稿やブログ記事などでブランドの物語を発信し、ユーザーの反応を観察してみてください。それを繰り返す中でストーリーは磨かれ、より多くの共感を集めるようになります。

ブランドストーリーの活用は一朝一夕には成し遂げられませんが、継続的に取り組むことで着実に成果が現れます。物語に共感したファンは、あなたのブランドの最大の応援者となってくれるでしょう。ぜひ今日から自社のブランドストーリーテリングをブランド戦略に取り入れ、ファンとの関係構築を進めてみてください。

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