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生成AI時代に求められるWebデザインを解説|AIを搭載したクリエイティブツールも紹介

2025年04月18日

生成AIの登場により、Web制作の効率は大幅に向上しました。 この結果、クリエイティブの量を膨大に生成AIにより生み出すことが可能になりましたが、使用者側の「目利き」がさらに重要になり始めています。 […]

生成AIの登場により、Web制作の効率は大幅に向上しました。

この結果、クリエイティブの量を膨大に生成AIにより生み出すことが可能になりましたが、使用者側の「目利き」がさらに重要になり始めています。

本記事では、生成AI時代に求められるWebデザインやAI搭載のクリエイティブツールを紹介します。

Webデザイン業界における自動生成AIの現状|クリエイティブデザインが重要視される

2022年11月30日にChatGPTが公開されて以来、Webデザイン業界でもAIツールを導入する企業が増加しています。

総務省の「令和6年版情報通信白書の概要」によると、日本企業の3割以上が広報コンテンツの作成に生成AIを活用しているのが現状です。

AIの普及により多くの企業が活用することで、類似したアルゴリズムやデータに基づくデザインが増えて均一化が進み、他社との差別化が難しくなる可能性があります。

そのため、自社のユーザーの感情やブランド体験を重視したデザイン(=クリエイティブデザイン)が、これまで以上に重要になってきます。

クリエイティブデザインを重要視することで、単なる情報提供ではなく感情に訴えかける体験が提供でき、マーケティング上のコンバージョン率やエンゲージメント向上も期待できます。

参考記事:情報通信白書令和6年版 データ集|総務省ホームページ

生成AIがクリエイティブデザインに与える影響

生成AIがクリエイティブデザインに与える影響

生成AIの進化により、クリエイティブデザインには以下の影響を及ぼしています。

  • 創造性の拡張
  • 倫理的・法的課題の増加
  • Webデザイナーの役割の変化

創造性の拡張

AIは膨大なデータを学習し、それを元にレイアウトや配色、構図の生成を行います。

個人では思いつかないようなアイデアを示してくれる可能性もあるため、創造性を拡張するツールとして機能し、新たなアイデアの着想を促す使い方ができます。

倫理的・法的課題の増加

デザイン制作で生成AIを活用することにより、人格権や倫理の侵害などに関連する倫理的課題や、知的財産権や著作権などの侵害に関連する法的課題の増加を招いています。

AIが生成したデザインの著作権は誰に帰属するのか、類似デザインは著作権侵害にあたるのかという課題は未解決のままです。

実際に、中国ではAIが生成した有名キャラクターに酷似した画像が著作権侵害にあたるとして、AIサービスの提供会社が訴えられ、1万元(約20万円)の損害賠償と画像の生成防止の命令が下りた事例も存在します。

デザインの一般公開の前には、法律に抵触しないか慎重な確認が必須です。

 Webデザイナーの役割の変化

生成AIの活用によりワイヤーフレーム(*1)やデザイン、イラスト関連業務が効率化されたことで、Webデザイナーの役割に変化が起こっています。

デザイン作成の工程は変わりませんが、AIの普及でデザイナーの役割が、生成されたデザインの取捨選択や微調整、ターゲットに合った生成物かを判断する役割へシフトしています。

また、アイデアの創出や単純作業が効率化された反面、生成AIへの適切な指示出しやUX(*2)の最適化が求められるようになったのも大きな変化です。

*1:ワイヤーフレームとはWebサイトの骨格を示すもののこと 

*2:UXとはサービスや商品を利用により得られる体験のこと

AI時代にこそ求められるWebデザインの考え方

AI時代においては単調な作業はAIにとって代わられてしまいます。

一方で、高度なデザイン思考はまだまだ人が考える必要があります。

  • 正しく言語化し、AIに伝えられるかどうか
  • ユーザー体験(UX)の最適化に関する知識があるか

正しく言語化し、AIに伝えられるかどうか

デザインとはそれ自体が目的ではありません。

ユーザーのニーズに向き合い、ユーザーが抱える問題を解決する手段が「デザイン」という手段です。

この考え方の根本になるのが「デザイン思考」であり、指示されたことが本当に問題解決になるのかを突き詰めて考え直す、という在り方です。

生成AIは指示をしたことは明確に実施してくれることが多いですが、逆にその指示が本当に正しいのかまでの検証はしてくれません。

この、逆説的に考え直すという思考は、AI時代だからこそ求められる考え方でしょう。

またデザインを考えた後は、そのイメージを形にしなければなりません。

ここで必要になるのはAIに伝わるプロンプトです。

つまり、AIに作業を依頼するということは、それだけ言語化ができていなければならないということで、これまでよりも言語化や伝える能力がデザインに必要になってきたということになります。

AIを活用したクリエイティブデザインの作成には、適切なプロンプト(*3)が不可欠です。

抽象的なプロンプトでは、AIを活用しても作業効率が上がらない、要望に合わないデザインになる恐れがあります。

ユーザー体験(UX)の最適化に関する知識があるか

ユーザーの感情を動かし、成果を出すWebデザイン制作にはユーザー体験(UX)の最適化に関する知識が必要です。

ユーザー体験(UX)が最適化されたWebデザインは、直感的な操作性や快適な閲覧環境を提供し、ユーザーの離脱を防ぎます。

また情報の探しやすさや視覚的な心地よさが向上すれば、ユーザーの満足度は高まり、ブランドの最適な体験としてLTV向上にもつながります。

今後Webデザインにおいては、ユーザー体験(UX)を考慮してデザインを作り出すスキルがより重要視されます。

関連記事: LTVとは?重要性や最大化するためのマーケティング施策をわかりやすく紹介

AIを搭載したクリエイティブツールを目的別に紹介

AIを搭載したデザイン生成ツールには、作り出したい成果物の種類によって、得意とするものと苦手とするものがあります。

ここでは成果物の種類別に、生成ツールを紹介します。

プロトタイピングやUIデザインが可能なAIツール

プロトタイピング(試作品の作成)やUIデザインを快適に行いたいなら、AI搭載のデザインツールがおすすめです。

AI搭載ツールなら手軽にアイデアを形にできるため、スムーズに制作を進められます

おすすめは以下の2つです。

  • Figma
  • Framer

Figma

Figmaはブラウザ上で動作するデザインツールです。

プロトタイピングやUIデザインが行えるほか、SNSや広告向けのバナー、グラフィックデザイン、ワイヤーフレームの制作にも対応しています。

アイデアを編集可能なデザインにするFirst Draftや、全レイヤーに自動で名前をつける機能といったAIツールを搭載しているのも特徴です。

提供会社Figma, Inc.
料金プランスターターチーム:無料
プロフェッショナルチーム:月額2,250円(1フルシートあたり)
ビジネス:月額6,750円(1フルシートあたり)
エンタープライズ:月額11,250円(1フルシートあたり)
商用利用の可否

Framer

FramerはプロトタイピングやUIデザインが行えるツールです。

ノーコードでデザインを制作できるツールながらも高度なアニメーションやエフェクトの実装が可能と、自由度が高い設計のため表現を追求できます。

提供会社Framer B.V.
料金プランStartup:月額7,500円
Scaleup:月額20,000円
商用利用の可否

コンテンツ生成が可能なAIツール 

Webサイトに掲載するコンテンツの制作には、作りたいものの分野に特化したAIツールを使うのがおすすめです。

特化したツールなら細かな設定が可能なため、より希望に近いコンテンツを制作できます。

おすすめは以下の2つです。

  • Midjourney
  • Jasper

Midjourney

MidjourneyはコミュニケーションツールのDiscord上で利用できる画像生成AIツールです。

チャットルームにアクセスし、そこにプロンプトを入力するだけで画像を生成できます。

パラメータと呼ばれるコマンドを入力することで、より細かな調節ができるのも特徴です。

提供会社Midjourney, Inc.
料金プランBasic Plan
【年間契約】月額8ドル
【月間契約】月額10ドル
Standard Plan
【年間契約】月額24ドル
【月間契約】月額30ドル
Pro Plan
【年間契約】月額48ドル
【月間契約】月額60ドル
Mega Plan
【年間契約】月額96ドル
【月間契約】月額120ドル
商用利用の可否有料プランのみ可

Jasper

JasperはAIが組み込まれたライティングツールです。

ブログ記事や広告文、メールなどのテンプレートを選択し、詳細の情報を入力するだけで、希望する形態・内容の文章を生成できます。

SEOキーワードを設定すれば、SEOが考慮された文章を手軽に作成できるのもこのツールの強みです。

提供会社Jasper AI, Inc.
料金プランCreator:月額39ドル
Pro:月額59ドル
Business:要問い合わせ
商用利用の可否

Web制作に役立つAIツール

Web制作を快適に進めたいなら、ワイヤーフレームやWebサイトを生成してくれるAIツールがおすすめです。

このツールを導入すれば、Web制作のスピードや作業の精度向上に役立ちます。

今回紹介するのは以下の2つです。

  • Create.xyz
  • Relume AI Website Builder

Create.xyz

Create.xyzは指示を出すだけでWebサイトやアプリを制作できるAIツールです。

テキストの入力のみで制作を進められるため、制作の知識に不安がある人でも気軽に利用できます。

AIとチャットを繰り返すことで、細かな部分の調節が行えるのも特徴です。

手軽にWebサイトやアプリを作りたい人や、草案を素早く制作したい人におすすめのツールです。

提供会社Create, Inc.
料金プランFree:月額0ドル
Pro:月額16ドル
Business:月額83ドル
Enterprise:要問い合わせ
商用利用の可否

Relume AI Website Builder

Relume AI Website Builderは、ワイヤーフレームやサイトマップを作成してくれるAIツールです。

指示を入力するだけで時間がかかりがちな作業を遂行してくれるため、作業の効率化に役立ちます。

Figmaに作成したワイヤーフレームやサイトマップをコピーできる、連携機能を備えているのも強みです。

提供会社Relume Tech Pty Ltd.
料金プランFree:月額0ドル
Relume Starter:月額18ドル
Relume Pro:月額40ドル
Relume Team:月額36ドル
商用利用の可否

クリエイティブデザインを取り入れて他社と差別化を図ろう

AIツールの発展により、アイデアの創出や一部作業の効率化が進む一方で、適切な指示出しとUXの最適化が欠かせません。

他社と差別化されたデザインを制作するためには、より豊富な知識と経験を持つ人材の力が不可欠となります。

自社だけでの実施が難しい場合は、付加価値を生み出すデザインを得意とするkazeniwaクリエイティブチームにぜひご相談ください。

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