LTVとは顧客生涯価値のことで、顧客と取引を始めてから終わるまでに得られる利益を指します。
LTVを向上させるには適切な施策を打ち、顧客の満足度を高めることが大切です。
今回はLTVの意味、最大化するための施策、関連用語について解説します。
有名企業の事例も解説しているので、あわせて参考にしてください。
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LTV(ライフタイムバリュー・顧客生涯価値)とは?意味についてわかりやすく解説
LTVは顧客生涯価値のことで、特定の顧客と取引を始めてから終わるまでの期間で得られる利益を指します。
LTVを明確にすることで、自社サービスの利益体質や優良顧客の傾向分析が可能です。
例えば、顧客との取引が1回で終わってしまう場合よりも、2回目、3回目と継続した方がLTVは高くなります。
経営判断を行う際の指標になるので、常に分析して傾向を確認しておくと良いでしょう。
LTVの分析・計算方法
LTVを求める場合、以下の計算式であればスムーズに答えを算出できます。
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間
例えば平均として、顧客単価30万、収益率40%、購買頻度0.4回/月(=5回/年)、継続期間4年の場合は以下のように計算されます。
300,000円×0.4×5回×4=240万円
LTVの計算はLTVの分析を行う際に、必須の計算式です。
LTV分析を行うことで、顧客との関係性や売上の推移を確認し、将来的な経営指針を立てられます。
計算式を早期に理解し、顧客との関係性について定期的に調査しましょう。
LTVを最大化させるためのマーケティング施策
LTVを最大化させるためのマーケティング施策として、主に挙げられるのは以下の5つです。
施策 | 内容・課題 |
購入単価をアップさせる | 内容・アップセル(上位商品)、クロスセル(セット商品)で行う 課題・顧客に対して値上げの理由を納得させる必要がある |
アフターフォローを徹底する | 内容・メールマガジン、LINE公式アカウントによるアフターフォローを徹底する・適切なフォローで解約率の低下につながる 課題・マニュアルの整備や人員教育にコストがかかる |
商品のバリエーション、グレードを増やす | 内容・顧客にとって商品が選びやすい状態にできる・顧客の満足度につながりやすい 課題・商品開発、改善する際に時間がかかる |
原価を抑える | 内容・収益率を高められる 課題・商品の品質を下げる可能性がある |
ファンマーケティングを活用する | 内容・優良顧客は自社から離れにくい・継続して商品を購入してくれる 課題・SNS運用、コミュニティの構築にコストがかかる |
実施する際にはメリットだけではなくデメリットもあるので、自社で許容できるのか確かめたうえで実行しましょう。
LTVが今、重要視される理由
LTVが今、重要視される理由として以下の3つが挙げられます。
- 自社のファンの獲得
- サードパーティークッキー規制の影響
- サブスクリプションサービスの流行
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
自社のファンの獲得
現在の日本では人口減少に伴い、多くの市場で顧客を取り合うような流れが徐々に進んでいます。
その結果、新規顧客を集める難易度が上がり、一方でファンの育成が重視されています。
また、新規顧客を獲得するコストは比較的高い傾向にあります。
そのため、コストを抑えられる既存顧客との関係を築くことが大切です。
そこで自社の商品・サービスのファン、すなわち既存顧客との関係値が高まれば、継続購入や顧客の紹介が期待できるでしょう。
サードパーティークッキー規制の影響
近年では、個人情報保護の観点から、第三者により発行・活用されるサードパーティークッキーの規制が進んでいます。
そこで、対となるゼロパーティーデータ、すなわち顧客が主体的に自社へ情報を与えるような取り組みが必要です。
例えば、顧客から主体的に口コミを促すような取り組みが挙げられます。
加えて、SNSやコミュニティの運営など、自社にとって長く顧客になる人を増やしていくことが重要です。
サブスクリプションサービスの流行
近年では売り切り型ではなく、サブスクリプションサービスが流行り始めています。
収益を継続的に得られるモデルなので、企業にとっても大きなメリットがあります。
ただし、サブスクリプションサービスを継続してもらうためには、顧客の満足度を常に高める必要があります。
「顧客の意見を反映する」「サービスを改善させる」といったLTV向上を意識した施策が強く求められるでしょう。
LTVの関連指標一覧
LTVの関連指標として、主に以下の3つがあります。
- ARPA
- CAC
- MQL、SQL
それぞれの指標における意味を確認していきましょう。
ARPA
ARPAはAverage Revenue Per Accountの略称で、1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標です。
SNSのフォロワーやコミュニティの登録者数を軸に考えられ、LTVの解像度を高める際に役立つ指標です。
ARPAは、売上÷アカウント数という計算式で求められます。
例えば、毎月の売上が8,000万円でアカウント数が8万の場合、ARPAは1,000円と算出されます。
CAC
CACはCustomer Acquisition Costの略称で、1顧客を獲得するのに生じたコストを意味します。
顧客を獲得したコストと、自社で想定されるLTVを天秤にかけて、マーケティング予算を設定するのに使えるでしょう。
計算式は、以下の通りです。
CAC = 獲得にかかったコスト(営業・マーケティング・広告費など)÷ 新規顧客獲得数
MQL、SQL
MQLは「Marketing Qualified Lead」の略称で、マーケティング活動によって得られた見込み顧客のことを指します。
MQLは、マーケティング担当者が獲得したリードの中でも、リードナーチャリングの効果が高い顧客です。
一方で、SQLは「Sales Qualified Lead」の略称で、営業部門でフォローして新規顧客にする手前の見込み顧客を指します。
成約後は、適切なアプローチを行い、継続的な購入につなげることでLTVの向上が実現できるでしょう。
(補足)金融でのLTV(ローントゥーバリュー)との違い
金融用語でもLTVは存在しますが、こちらはLoan To Valueの略称で資産総額に対する負債残高の割合を意味します。
マーケティング用語のLTVと意味が大きく異なるので、混同しないように注意しましょう。
LTV向上の参考になる企業事例
LTV向上の参考になる企業事例として、以下の2つをピックアップしました。
- カゴメ
- オイシックス・ラ・大地
企業事例を確認して、自社の参考にしてみましょう。
カゴメ
カゴメは、LTVを向上させるために、コールセンターでのフォローアップ体制を強化し、LTVが前年比の28%増加するという高い成果を得ました。
その背景として、コールセンターの委託先と連携して、オペレーターに裁量権を与え、一人ひとりの顧客により細かな提案を行いました。
マニュアル対応だけに留まらず、顧客に向き合うことがLTVの向上には重要だということがわかる事例です。
オイシックス・ラ・大地
オイシックス・ラ・大地は、有機野菜や無添加加工食品をサブスクリプション形式にて販売しています。
同社は、商品のバリエーション・グレードアップを行い、LTVの向上を成功させました。
現在では、調理前の食材がひとまとめになったミールキットであるKit Oisixを販売しています。
「20分以内で主菜・副菜の2品をすぐ作れる」という商品で、「料理する時間がない」という世帯に対して効果的なアピールを行いました。
その結果、インスタグラムでハッシュタグ「#Oisix」の投稿が、約20万件にも上りました。
ターゲットに沿った質の高いサービスを販売し、顧客から高い満足度を獲得した施策例といえるでしょう。
まとめ
今回は、LTVに関してご紹介しました。
サードパーティークッキー規制の影響や、日本の人口減少などにより、新規顧客を獲得する難易度が年々高まっています。
そこで、既存顧客をいかにロイヤル顧客にして継続的な売上を作るかが重視されます。
その中でもLTVを高めるためには、顧客に対して質の高いサービスを提供し、満足度を高めたうえでファン化させることが重要です。
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