SNSで次々に情報が流れてくる時代、「このニュースは本当?」と誤情報に惑わされた経験はありませんか?企業のSNS担当者にとって、フェイクニュースなど誤情報の拡散はブランドの信頼を揺るがす大きなリスクです。便利な生成AIツール(ChatGPTなど)も文章作成には役立ちますが、もっともらしい情報を生み出してしまう危険性が指摘されています。そのため、人の手によるファクトチェック(事実確認)体制が欠かせません。
そこで注目されているのが、検索特化型AIサービス「Genspark(ジェンスパーク)」の新機能「ファクトチェック」です。これはWeb上の膨大な情報源を自動でクロスチェック(突き合わせて確認)し、情報の信憑性を見極めてくれる高度なエージェント機能です。煩雑なリサーチや誤情報対策に頭を悩ませているSNSマーケ担当者にとって、強力な助っ人になってくれるでしょう。
本記事では、Genspark 「ファクトチェック」機能とは何か、その特徴や使い方、そしてSNSマーケティングやコンテンツ制作、広報・PRでの実践活用法について詳しく解説します。
Genspark 「ファクトチェック」とは?
Genspark 「ファクトチェック」は、AI検索サービス「Genspark」に2024年に追加された新機能で、従来のAIチャットや検索ツールとは一線を画す非同期型のAIエージェントです。ユーザーが設定した質問や調査タスクに対し、AIが自律的にWeb検索と情報収集・分析を行い、信頼性の高い回答をまとめて提示してくれます。その最大の特徴は、処理をバックグラウンドで進めてくれる非同期処理にあります。重いリサーチタスクも、依頼しておけばページを開いたまま待つ必要はありません。結果が出れば通知が届くため、待ち時間を他の仕事に充てられます。
また、「ファクトチェック」は一度に多数の情報源を当たり、クロスチェックによって情報の真偽を確かめます。そのため、人手ではとても目を通しきれないような膨大なソースから知見を集約し、根拠のある結論を導き出せるのです。
Genspark 「ファクトチェック」の主な機能と使い方
前章では概要を述べましたが、ここからはGenspark 「ファクトチェック」の具体的な機能と使い方を見ていきましょう。
主な機能・特徴
Genspark 「ファクトチェック」には、以下のような優れた機能があります。
機能 | 特徴 |
非同期&大規模な並列検索 | 最大70件近くの情報源を同時に参照し、短時間で広範囲な情報収集が可能。通常のGenspark検索の約7倍の規模 |
透明性の高い情報ソース提示 | 回答には必ず出典が明記され、引用元ページのスクリーンショットもインライン表示。視覚的に根拠を確認可能 |
継続的な学習・改善 | 結果をコミュニティで共有することでAIが学習し、使うほど精度が向上する仕組みの成長するAIエージェント |
柔軟なタスク処理能力 | 複雑な指示や専門性の高い内容にも対応可能。文脈を理解して適切なリサーチ手法を選択。今後のアップデートにも期待 |
Genspark 「ファクトチェック」の使い方
では実際に、Genspark を使ってファクトチェックを行う手順を確認してみましょう。画面キャプチャを交えながら解説します。
1.公式サイトにアクセス
まずは公式サイトのGensparkにアクセスします(無料で利用可能)。「Microsof」、「Google」のアカウント、もしくは「Login with email」から無料登録ができます。
2.ファクトチェック機能にアクセス
トップページ検索バー右上にある「すべてのエージェント」ボタンをクリック。

または、メニューバーの「すべてのエージェント」から「ファクトチェック」を選択することもできます。
3.新しいファクトチェックタスクの作成
「ファクトチェック」メニュー内の「+タスク」をクリックして、タスクを開始します。

4.検証したい内容を入力
入力画面が表示されたら、「公開/非公開」の設定を選択します。検証したい内容をテキストで入力します。なお、日本語が使用できます。例えば「動物で最も強いのはライオンか?」という質問を入力します。入力が完了したら、画面下部の黒い「ファクトチェック」ボタンをクリックして実行します。


5.ファクトチェックの実行と進行確認
「ファクトチェック」が実行されると、専用画面の左側リストに新しいタスクが追加され、「実行中」と表示されます。画面下部の黒い「OK」ボタンをクリックします。

画面下部には「ページを閉じても処理は継続されます」というメッセージが表示され、タスクがバックグラウンドで進行していることが確認できます。
6.タスク完了と結果確認
タスクが完了すると、登録したメールアドレス宛に完了通知が届きます(※実行にはGensparkへの無料登録が必要です)。画面上でタスクを開けば最終結果を確認できます。「ファクトチェック」が収集した複数の情報源から導いた結論と、その根拠となる引用スクリーンショットが一覧表示され、総合的な回答が得られます。
たったこれだけのステップで、手作業では困難な大量情報のファクトチェックを自動化できるのは驚きです。

SNSマーケティングやコンテンツマーケティング、広報での活用方法
Genspark 「ファクトチェック」は、その高度なリサーチ能力を活かして様々な領域で活用できます。最後に、SNSマーケティングやコンテンツマーケティング、広報・PR業務における具体的な活用アイデアを紹介します。
SNSマーケティングでの活用
SNSでは日々様々な話題が飛び交いますが、中には真偽が不確かな情報も含まれます。「ファクトチェック」を使えば、SNSで見つけた気になるネタや真偽を素早く検証できます。例えば、「急に話題になった業界ニュースが本当か?」といった確認を自動化できれば、誤った情報をうっかり拡散して炎上するといったリスクを減らせます。常に最新の正確な情報に基づいて投稿できるため、フォロワーからの信頼向上にもつながるでしょう。
コンテンツマーケティングでの活用
ブログ記事や資料作成などコンテンツマーケティングの現場でも、「ファクトチェック」は心強い相棒です。質の高いコンテンツ制作にはリサーチが欠かせませんが、膨大な情報収集とファクトチェックを人力で行うのは時間がかかります。そこで「ファクトチェック」を活用すれば、関連情報の下調べから要点の整理まで一括で代行してくれます。得られた知見をもとにコンテンツに肉付けすれば、より説得力のある資料や記事を効率的に作成できます。
広報・PRでの活用
企業の広報・PR担当者にとっても、「ファクトチェック」は危機管理と情報発信の両面で役立ちます。たとえば、自社に関する疑わしい噂がSNS上で拡散している場合、そのファクトチェックを迅速に行い、正確な情報に基づいて対処できます。誤解やデマを放置すると炎上につながる恐れがありますが、「ファクトチェック」で裏付けを取った上で早めに公式発表や訂正を行えば、被害を最小限に抑えられるでしょう。また、プレスリリース作成時に業界データや市場動向の裏付け調査を「ファクトチェック」に任せれば、短時間で信頼性の高い情報を収集でき、内容の正確性を担保できます。
まとめ
SNS上に氾濫する情報の中から真実を見極め、正確な発信を行うことは欠かせません。検索特化型AI「Genspark『ファクトチェック』」を活用すれば、煩雑なリサーチ作業やファクトチェックを自動化でき、誤情報対策に強い体制を構築できます。特にSNSマーケティング担当者や広報、コンテンツ制作者にとっては、効率化とリスク低減の両面で大きなメリットをもたらすでしょう。無料で利用できる検索AIですので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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この記事を通じて、Gensparkの活用をきっかけに、SNS運用の新たな可能性を感じていただければ幸いです。