エゴサーチは世間の評判から企業の強みや弱みを理解できるため、マーケティングへの活用に効果的です。
本記事では、企業エゴサーチの重要性や運用のポイントについて解説します。
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エゴサーチは、見られ方を知るための基本行動
企業におけるエゴサーチは、個人が行う場合と同様、自らの評価を確かめるために実施する検索です。
ここでは、企業エゴサーチの重要性について、3つの観点から解説します。
- ソーシャルリスニングとエゴサーチの違い
- 生活者のSNSや口コミは企業発信よりも信頼される傾向
- エゴサーチはレピュテーション管理に最重要
エゴサーチとソーシャルリスニングの違い
エゴサーチはソーシャルリスニングにおける手法のひとつです。
具体的に、エゴサーチとソーシャルリスニングの違いは、以下の通りです。
エゴサーチ | ソーシャルリスニング | |
目的 | 自社に向けられた評価を深く知る | 自社を含めた社会全体の流れや市場の動向を把握する |
活用方法 | 自社への好意や期待、不審などの評価を収集・分析 | 自社を含めた社会における話題や価値観、トレンドなどの発見 |
エゴサーチとソーシャルリスニングは、いずれもSNSやレビューサイト、掲示板などに投稿されたユーザーの声を調査します。
しかし検索の範囲は、社会全体の流れや市場動向を把握できるソーシャルリスニングの方が広くなります。
実態として、ソーシャルリスニングを実施した経験のある企業の割合は約6割ほどと過半数であることから、多くの企業がユーザーの声を収集・分析する重要性を認識しているといえます。
生活者のSNSや口コミは企業発信よりも信頼される傾向
エゴサーチが重要な理由は、企業発信よりもSNSや口コミが信頼される傾向にあるためです。
SNSや口コミは、第三者の率直な意見となるため購買意欲促進につながります。
「令和5年度消費者意識基本調査」によると、インターネット上の口コミや評価が高い商品を選ぶという回答で、当てはまると回答した人は約6割です。
また、評価が高くても否定的な口コミを見て購入をためらうという質問に当てはまると回答した人は、約6割です。
営業活動の成果を高めるためには、消費者から自社がどのような評価を受けているか、エゴサーチで確認して把握する必要があります。
関連記事:口コミを集めるメリットとは?口コミを増やす際の注意点や仕組み、手法などを解説
エゴサーチはレピュテーション管理に最重要
レピュテーション管理とは、企業やブランドに対する社会的な評価や印象を把握し、改善・維持していく取り組みのことです。
特に、SNSや検索エンジンを活用して自社に関する声を把握することは、ブランド価値を高めるうえで重要な役割を果たします。
たとえば、SNS上で自社に対するネガティブな投稿が増えている場合、エゴサーチによってその兆候を早期に把握できます。
投稿内容や拡散状況を分析することで、炎上リスクへの対策を講じ、ブランドイメージの悪化を防ぐことが可能です。
これは、レピュテーション管理における重要な取り組みのひとつです。
また、自社商品がSNS上でほとんど言及されていない場合は、ネガティブな印象は持たれていないものの、ユーザーの関心を引いていません。
自社商品が選択肢として認知すらされていない可能性があることを意味します。
このような無関心のサインを把握することも、レピュテーション管理のひとつです。
レピュテーション管理には、顧客満足度向上と風評被害対策、いずれも対応できるエゴサーチが重要です。
エゴサーチの成果と影響
企業活動におけるエゴサーチの主な活用例は、以下の3つです。
- 採用面|求職者の検索結果が、応募や辞退に直結
- 広報|誤解や偏った印象を是正する起点
- CS・商品開発|ネガティブワードに潜む改善のヒントを把握
採用面|求職者の検索結果が、応募や辞退に直結
求職者は求人応募するにあたって、企業に関する評判を確認します。
就職・転職情報プラットフォーム「OpenWork」によると、同社に掲載されている口コミを読んだ経験がある人は、社会人で約7割、学生で約6割です。
ネガティブな口コミが上位表示されている場合、興味を持っていたとしてもエントリーを控えたり内定を辞退したりするケースがあります。
また、口コミが古く更新されていない、もしくは内容が極端に偏っている場合も求職者が不信感を抱く要因といえます。
自社にマッチした人材を確保するためには、エゴサーチの活用が効果的です。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構|社員のクチコミを提供することで、透明性あるジョブマーケットの構築を目指す ――オープンワークによる転職・就職のための情報プラットフォーム事業
広報|誤解や偏った印象を是正する起点
広報活動では、エゴサーチによって自社に関する誤解やネガティブな印象を早期に把握できます。
実際の事実とは異なるにもかかわらず、ネット上で拡散されたネガティブなイメージは、長期間残り続ける傾向があります。
過去のトラブルや制度変更前の批判的な意見などが検索上位に残っていると、企業イメージの更新が妨げられる可能性も珍しくありません。
エゴサーチにより早期に把握し、誤認があった制度や方針について、正確な内容をプレスリリースやFAQで発信し直すなど対策が図れます。
CS・商品開発|ネガティブワードに潜む改善のヒントを把握
企業はエゴサーチの活用により、顧客の不満や疑問をリアルタイムで把握し、商品開発やカスタマーサポートの向上に活かせます。
ユーザーからのネガティブなフィードバックやクレームは、商品・サービスの改善につながる貴重な情報源です。
使いづらさや不満な点についての声を集め、ユーザー視点でのUI・UXの見直しにエゴサーチを活用できます。
エゴサーチはリスクマネジメントだけでなく、ファンを醸成し自社成長を促す手法としても効果的です。
企業のエゴサーチの実践フロー
情報調査から改善までの実践フローは、以下の3ステップです。
- 検索設計
- 確認頻度と担当設計
- 情報の分類と対応判断
1.検索設計
企業がエゴサーチをする際は、どのようなキーワードやフレーズを検索するかを設計します。
企業名やブランド名を検索するだけではなく、関連する製品名やサービス、業界特有の用語などもあわせてリサーチするのがポイントです。
関連する言葉を組み合わせることで、隠れた不満やクレームを見逃さず把握できます。
ポジティブとネガティブいずれの情報を抽出できるよう、検索結果を分析しやすいよう事前に検索設計を立てることが重要です。
2.確認頻度と担当設計
エゴサーチは一度行って終わりではなく、定期的に実施する必要があります。
定期的な実施により、炎上リスクや改善点を早期発見できるためです。
検索結果の変化を捉えるためには、確認頻度を事前に設計し、実施すべきタイミングを決めておきます。
たとえば、週1回や月1回など、リスクの高い時期や新製品の発売時などは頻繁にチェックしましょう。
エゴサーチの効果最大化には、定期的な取り組みが重要です。
3.情報の分類と対応判断
エゴサーチの検索結果に基づいて得られる情報は多岐にわたるため、適切な分類・整理が大切です。
分類や整理により、優先度の高いものから対応が可能になります。
整理した結果は、センチメント分析(感情分析)によってポジティブ・ネガティブなどの傾向を把握できます。
また、キーワード抽出を行うことで、話題の傾向や関心のあるテーマを可視化することも可能です。
把握した情報は、すぐ対応を要するものなのか、もしくは長期的な改善につながるものか判断し対応します。
特にネガティブな投稿は、迅速に対応しなければ炎上に発展するリスクが生じるため、適切な対処法を検討することが大切です。
属人的なエゴサーチでは限界がある|仕組化をして進めよう
エゴサーチは属人的な業務意識だけでは投稿の監視や分析に限界があり、見逃しリスクが生じやすいため仕組化が重要です。
仕組化のポイントは、以下のとおりです。
- チーム・ルールで運用体制を設計する
- 投稿の収集には専用ツールの導入が不可欠
- 判断・対応の基準を明文化し、再現性を高める
チーム・ルールで運用体制を設計する
エゴサーチの運用を効果的に行うためには、運用体制を明確に設計して役割分担するのが効果的です。
属人化するとエゴサーチの確認漏れなどが発生し、早期発見が難しいためです。
運用ルールをメンバー内で把握できるようにしておき、以下の点を定めましょう。
- 誰がどのタイミングでどのように検索結果を確認するのか
- どの情報を優先的に対応するのか
- どのようなフィードバックを伝えるのか
エゴサーチから企業の成長を促すには、チーム・ルールの運用体制を設計するのが大切です。
投稿の収集には専用ツールの導入が不可欠
エゴサーチを効果的に運用するためには、専用のシステムを導入する必要があります。
手動での検索や結果の収集は手間がかかり、情報の抜け漏れや業務負担の原因になるためです。
専用のエゴサーチツールを導入すると、キーワードに基づいた情報収集が自動化されます。
また、24時間体制で投稿を検知するシステムもあるため、問題のある書き込みを早期発見し、迅速な対応が可能です。
効率的にデータを収集する方法として、専用ツールの導入が効果的です。
判断・対応の基準を明文化し、再現性を高める
エゴサーチを運用する際は対応基準を明確にすることで、具体的な対応フローを実現できます。
基準が明文化できていなければ、トラブル発生時に迅速な対応ができず初動が遅れる可能性も考えられるためです。
たとえば、緊急対応が必要な場合や問題の本質がわからない場合では、対処の優先順位が異なります。
ネガティブな投稿があった場合にどの基準で対応するか、具体的な対応フローを策定しましょう。
エゴサーチを活用した企業のレピュテーション管理の強化がブランディングにつながる
エゴサーチは企業の評価を管理し、ネガティブな投稿や誤解を早期に発見するための重要な手法です。
適切な検索設計や運用体制の構築をするだけでなく、定期的な実施がポイントといえます。
また、レピュテーション管理には、SNSの運用も含めて外部に委託するのも手段の1つです。
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