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ファンマーケティングとは?SNSによるコミュニケーション戦略のこれから|実践している成功企業例も紹介!

2022年11月14日

「ファンマーケティング」という言葉を聞いたことがありますか? ファンマーケティングは、顧客をファン化させることで、自社製品からの離脱を避ける新しいマーケティング手法です。 本記事では、ファンマーケティ […]

「ファンマーケティング」という言葉を聞いたことがありますか?

ファンマーケティングは、顧客をファン化させることで、自社製品からの離脱を避ける新しいマーケティング手法です。

本記事では、ファンマーケティングが注目されるようになった背景、ファンマーケティングを成功させるために必要な要素、効果的な施策を解説します。


\ファンマーケティングの始め方を解説/

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ファンマーケティングとは?

▼ファンマーケティングとは?
企業、ブランド、商品、サービスに対し熱狂的なファンを獲得することで、中長期的に安定した売り上げの基盤を作るためのマーケティング戦略の手法。

顧客の中には、一度商品を購入後、再度購入はしてくれないような人物、あるいは、商品購入後も、自社製品を繰り返しリピートしてくれる購入者などがいます。

ファンマーケティングは、繰り返し自社製品を購入し、口コミやレビューなどで他の人にも共有してくれるようなファンの獲得を目的として利用されます。

ファンマーケティングを実施することで、LTV(=取引開始から終了するまでの間に、顧客がもたらす利益のこと)が改善されるのが大きな強みです。

ファンマーケティングはクローズドコミュニティを通して活性化させるため、拡散性を狙ったSNSマーケティングとは異なります。

SNSマーケティングファンマーケティング
拡散性
ファン化
リスク管理

上記の通り、ファンマーケティングとSNSマーケティングは大きく異なるため、混同しないように意味をきちんと理解しておきましょう。

関連記事:ソーシャル ネットワークとは?

ファンマーケティングはなぜ注目され始めたのか

ファンマーケティングが注目され始めた背景は、以下の3つです。

  • 「1:5の法則」と「5:25の法則」
  • 顧客シェアとマーケットシェア
  • NPS@と業績との関連性

「1:5の法則」と「5:25の法則」

▼1:5の法則
新規顧客獲得には、既存顧客に商品を販売するよりも5倍コストがかかるという法則

新規顧客を自社の顧客に育成するまでにかかるコストは増大しています。

WEB上に「有益」とされる商品は増え続け、CPA(顧客獲得単価)を低減できてもその後の顧客ナーチャリングに費用がかかってしまうことに頭を悩ませる企業は多いです。

顧客獲得をしてから、商品購入までにかかるコスト全体のことをCACと呼びますが、CACは年々高騰化しています。

そこで注目されたのが1:5の法則です。

新規顧客の獲得には、既存顧客に商品を販売するよりもコストがかかることから、既存の顧客へのカスタマーサービスを手厚くし、顧客離れを避ける取り組みが注目され始めたのです。

また、顧客離れを5%改善できれば会社の利益が25%改善する5:25の法則も提唱され、いかにして顧客離れを防ぐかに焦点が当てられたのです。

顧客シェアとマーケットシェア

シェアと聞くと、マーケットシェアが思い浮かぶかもしれません。

マーケットシェアとは、市場の潜在価値のことを示します。100億円のマーケットがあるうち、30%のシェアを獲得したら売上30億円が見込める。そうしたマーケティングリサーチ手法です。

しかし、マーケットシェアは世の中のニーズ変化が起きない限り、横ばいになってしまい、急激にニーズが増加することはありません。

したがって、競合とのシェアの取り合いになってしまっていました。

ここで目をつけたのが「顧客シェア」という考え方です。

▼顧客シェア
多くの顧客に商品を再販することで、自社の顧客だけで売上を上げる手法。

自社商品を新規顧客に販売できなくても、既存顧客に販売ができれば企業の売上は伸びていきます。

つまり、売上拡大には「新規顧客を獲得する方法」と「既存顧客の1人あたりの購買」を向上させる2ケースが存在したということです。

NPS®と業績との関連性

NPS
▼NPS®(Net Promoter Score)
企業ブランドや財に対する顧客のロイヤルティを計るスコアのこと。「この商品をどの程度、家族や友人に勧められますか?」に対し0~10の11段階で回答してもらう。

※注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

NPS®は顧客のロイヤルティを図る調査のことです。

顧客ロイヤルティとは、商品に対する愛着度のこと。

顧客ロイヤルティが高いほど、商品を再度購入してくれる可能性があります。

また、ロイヤルティが高い顧客はその商品に対してUGC(ユーザージェネレイティッドコンテンツ)を生む可能性が高く、副次的な効果も高いとされています。

NPS®と業績とには相関性があると言われているため、企業はNPS®スコアを重視するようになったのです。

ファンマーケティングは、顧客離れを防ぎ、顧客満足度を上げる機能があるため、特に注目されるようになっています。

ファンマーケティングのメリット

ファンマーケティングには、主に以下2つのメリットがあります。

  • 安定した売上
  • 広告費の削減

会社経営には重要な要素になるため、ひとつずつ詳しく解説します。

安定した売上

ファンマーケティングにおける一つの理論として有名なものに「パレートの法則」があります。

パレートの法則は、別名「80:20の法則」といわれ「会社の80%の売り上げは20%の顧客が生み出している」という理論です。

商品を愛用してくれるリピーターが増加することで、安定的な売上に繋がります。

また、ファンは改善のための愛ある意見をくれることもあるため、顧客のニーズ把握にもファンづくりは有効です。

広告費の削減

会社経営において経費の削減は非常に頭を悩ませる部分です。

ファンになった顧客は、SNSやインターネット上で、自ら商品やサービスの宣伝を行なう場合もあります。

商品やサービスを体験した第三者の評価は、自社がPRするよりも効果が期待できます。

これまで自社に興味がなかった顧客の目にも留まることになり、広告費を削減しながら新規顧客増加にもつながります。

ファンは何から定義するべきか

ファンは英語で「熱狂的な愛好者」と訳されることがありますが、のように定義付けすればいいのでしょうか?

企業は、ファンとそうではない顧客を分け、点数付して管理する必要があります。

その判断指標として下記の4つの項目が参考になるでしょう。

  • ブランドへの想い
  • ブランドの知識
  • ブランドに落とす金額
  • ブランドの推奨度

関連記事:ブランディングとは?

ブランドへの想い

「ファン」という言葉の通り、ブランドへの想いがひとつとして挙げられます。

ブランドへの想いを知るための指標として挙げられるのが、下記のようなものです。

  • SNS公式アカウントをフォローしている
  • 特定の商品へ言及した頻度が◯回以上
  • アンケートの回答率

このほか、自社で用意したクローズドコミュニティへの入会点数なども、ブランドへの想いに該当します。

ブランドの知識

ファンはブランドへの知識も高くなる傾向があります。

そのため、アンケート調査や、気軽に参加できるQ&Aを用意し、その正答率を図り、可視化することでブランド知識を点数化することができます。

なおファンにアンケート調査を実施する際は、回答完了で簡単なプレゼントを用意するなど、ファンの期待を裏切らないよう注意する必要があります。

ブランドに落とす金額

購買データを確認し、顧客を点数化することもひとつです。

分析方法はさまざまですが、RFM分析などを使うとエクセルで簡単に自社の分析が可能です。

▼RFM分析Recency(直近の購入日)、Frequency(頻度)、Monetary(購入総額)の3軸から顧客を分類する分析方法
RFM分析

顧客生涯価値(LTV)を最大化するだけにかかわらず、熱心なファンの発見に役立つ分析方法です。

ブランドの推奨度

  • NPS®のスコア
  • SNSのテキストマイニング
  • お友達紹介クーポンの使用回数

上記のような指標を用いると、ブランドの推奨度を図ることができます。

ファンマーケティングを成功させるためのポイント

ファンマーケティングを成功させるために必要なポイントは、下記3点です。

  1. ブランド価値を再定義する
  2. ブランドに愛着を持ってもらう
  3. 双方向のコミュニケーションで信頼を築く

①ブランド価値を再定義する

ファンマーケティングの成功させるには、商品価値を見つめ直す必要があります。自社の製品、商品を見直し、ユーザーにとってどのような価値があるのかを社内で再検討しましょう。

②ブランドに愛着を持ってもらう

代替可能な商品は既に多くあります。その中で、自社商品を選び続けてもらうためには、商品へ愛着を持ってもらうための施策を検討する必要があります。

  • 小さい頃からお菓子と言ったらコレ
  • 冠婚葬祭で必ず出てくる
  • 風邪をひいたときに飲むもの

など、個人の経験に紐づいた商品は、愛着が沸きやすくなります。

③双方向のコミュニケーションで信頼を築く

顧客がブランドから離れる要因には下記のようなものがあります。

  • ブランドからのコミュニケーションがない
  • 大切にされてないと感じてしまう

つまり、顧客からの一方的なブランドへの信頼は、時間の経過とともに減少。その後ブランド側からの反応がなければ、顧客が離れてしまうということです。

ファンマーケティングを成功させるためには、双方向のコミュニケーションが不可欠ともいえるでしょう。

ファンマーケティングを成功させるために必要な戦略

ファンマーケティングを成功させるために、下記のような施策を検討できます。

  • アンバサダー・インフルエンサーを起用
  • ファンコミュニティを構築する
  • セミナー・イベントを用意する
  • コンテンツを用意したオウンドメディアを構築する
  • クラウドファンディングを利用する

アンバサダー・インフルエンサーを起用

アンバサダーやインフルエンサーを起用し、自社商品のファンを創出する方法があります。

アンバサダーやインフルエンサーは、既に一定のファンを所有しています。

そしてそのファンは、憧れを持っている場合も多いため、共感されやすかったり、ある話題に対して敏感だったりと、サイコグラフィックやデモグラフィックに共通性があると考えられています。

自社商品のペルソナにあったファン層を保有する、アンバサダー・インフルエンサーと共同し、アプローチすることで、効果の高い結果を出すことも可能です。

ファンコミュニティを構築する

ファンマーケティングといえば「ファンコミュニティ」の構築。そのように考える方も少なくないでしょう。

ファンコミュニティとは、企業が運営するコミュニティWebサイトやファンミーティングなど自社のファンと企業が交流できるオンラインの場を指します。

あるいは、必ずしも自社のブランドに興味がある人だけに限らず、ある生活スタイルやカテゴリに特化したコミュニティを作ることもあります。

自社に興味のない無関心層も捉えることができ、グループラーニングで無関心層をファンに変えるといった効果が期待できます。

ファンの会話や意見から、具体的で良質な新しいアイデアを得る可能性もあり、多くのメリットを享受できるでしょう。

ファンコミュニティには企業アンバサダーが入り、特定のトピックを参加者に投げかけるという体制をとるのが一般的です。

ファン同士が交流を持つことで競合他社への乗り換えを防ぐ効果もあるため、顧客とのコミュニケーションの場は積極的に作るのがおすすめです。

セミナー・イベントを用意する

セミナー・イベントを定期的に開催し、双方向のコミュニケーションの場を用意するのもひとつの方法です。

例えば、あるMAツール・CRMなどを導入する場合、費用が高額になることもありなかなか導入に踏み込めません。

この際、セミナーやイベントを開催し、顧客の課題や気になるポイントを説明することで、自社に信頼をよせてくれる企業が増加する可能性があります。

コンテンツを用意したオウンドメディアを構築する

オウンドメディアもファンマーケティングの施策の入り口として活用できます。

例えば、暮らしに関するキーワードで上位表示をし、自社のファンコミュニティの導線とする、といった施策が検討できます。

すぐに成果に繋がる可能性は低いですが、アシストコンバージョンなどの副次的な数字を見ることで、オウンドメディアが自社のファン化に役立つことが実感できるでしょう。

クラウドファンディングを利用する

クラウドファンディングとは、商品開発や商品リニューアルなどで顧客を巻き込み、資金調達をする手法です。

メッセージ性が重要となるクラウドファンディングは、資金調達の他、顧客とともに商品を開発する体験からファン化が進みやすくなります。

例えば、資金提供のリターンとして商品のプロトタイプをプレゼントする。あるいは、実際の商品がでたら割引券を配布する、などの施策をとることで、自社から離れにくい顧客の獲得に繋がります。

施策の効果の測定方法

施策を実施した後は、定点的に結果を確認する必要があります。

その指標として役立つのが、CRMデータとエンゲージメントです。

例えば、CRMデータとコミュニティのエンゲージの相関性を確認することで、自社のコミュニティの貢献度を確認できます。

この他、コミュニティ内のファンの発言と、自社商品の売れ行きとを比較することで、何が顧客に刺さったのか、を確認することができるでしょう。

ファンマーケティングの成功事例・企業事例

ファンマーケティングの成功事例、企業事例としては、下記の2つが挙げられます。

  • スターバックスの事例
  • 電通の取り組み

スターバックスの事例

スターバックスはブランディングに長けた企業だと言われています。商品を販売しているのではなく「価値」を販売するスターバックス。一杯500円以上するフラペチーノが売れるのには、顧客のファン化が大きく関わっています。

店舗にゆったりとしたソファー。洗練された内容を取り入れたことで「スターバックスにいる私」自体に価値をもたらしました。また、新作をSNSを通じて告知し情報発信することで、新作を飲んだ消費者のリアルな投稿を促しました。

店舗内では新作の試飲や、名前付きのカップを提供することで、顧客との双方向のコミュニケーションにも努めています。

ひとつひとつの施策が、顧客にもう一度スターバックにきたいと思わせるファン化に繋がっている事例です。

電通の取り組み

大手「電通」の手掛ける「Fan Farming CX」もまた、ファンマーケティングの新たな試みです。

電通は、アイドルのファンが自腹で広告を出稿しようとする社会の流れに目を向け、「応援消費」を呼び込むコンサルティングを始めています。

従来、自然発生すると言われていた「ファン」を、戦略的にファン化させるための試みが進んでいます。

NPS®だけに頼らない、新しい指標を立てることで今までの一律なファンの定義を見つめ直しているのがポイントです。

ファンマーケティングを勉強するのにおすすめの本

ファンマーケティングを勉強するのにおすすめの本は下記の3つです。

  • ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー
  • たった一人の分析から事業は成長する実践 顧客起点マーケティング
  • ファンをつくる力 デジタルで仕組み化できる、2年で25倍増の顧客分析マーケティング

ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー

『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー』では、世の中に多くのファンを生み出した企業事例を10つ解説したものです。

  • カゴメ
  • レタスクラブ
  • ネスカフェ
  • マイネオ
  • ユーグレナ
  • ADDress
  • イケウチオーガニック
  • スープストックトーキョー
  • 里山十帖

ファン化により、会社の危機を脱した話もあり、ファンベース思考がどれほど会社の売上に貢献するかがよくわかるものです。

たった一人の分析から事業は成長する実践 顧客起点マーケティング

顧客起点からのマーケティング手法が解説されているのが『たった一人の分析から事業は成長する実践 顧客起点マーケティング』です。

内容は実務的で、実践しやすいよう冒頭で正しい読み方について記載もあります。

インサイトを読み解くために、顧客ピラミッドの視点から考えるという手法も記載されており、中身が充実した一冊です。

ただし、マーケティング初心者には少し難易度が高いため、既に経験を積んだ方がご覧になってみることをおすすめします。

ファンをつくる力 デジタルで仕組み化できる、2年で25倍増の顧客分析マーケティング

YouTube登録者数はJリーグクラブ超えという結果をもたらした、Bリーグのプロバスケットチーム「川崎ブレイブサンダース」。Tiktokの登録者数は「読売ジャイアンツ」に継ぐ2位とZ世代を中心にファンを創出しています。

スポーツチームでありながら、会員制オンラインサロン、NFTという新しいビジネスにも参入し続ける理由が本書で明らかになります。

本書のデータ活用術は、マーケターにとって大変参考になります。

まとめ:ファンマーケティングはKazeniwaへ〜弊社には実績と評判があります〜

2060年には8,674万人まで人口が減ると予測される日本。

今後も企業運営を進めていくためには、人口減を織り込んだ施策の検討が必要です。

人口減少のなかで、売上を維持し、成長していくためには顧客のLTVを上げる。そういった施策がますます重視されるでしょう。

今回ご紹介した「ファンマーケティング」は上記の課題を解決するのに有効な施策です。クローズドなファンコミュニティの生成に力をいれる企業は今後増加することでしょう。

弊社Kazeniwaは、ソーシャルメディアが普及し始める2007年からWebマーケティングを中心とした分野で数多くのお客様にご支持いただいています。

ファンコミュニティの企画〜運営までを一貫して行えるプロ集団を集めた弊社Kazeniwa。

何から始めればわからないとお悩みの際は、ぜひ弊社までご相談ください。

以下のリンクでは資料の配布も行なっていますので、ぜひご覧ください。

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