近年インターネットにまつわるキーワードとして注目を集めている「Web3.0」。
Web3.0は、これまでのインターネットのあり方を変えるだけでなく、これまでインターネットと深く関わっていなかった分野でも大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
本記事では、Web3.0の概要から具体的に「何が変化するのか」「何ができるようになるのか」を解説します。
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Web3.0とは|互いに情報を管理し合う次世代のインターネットのこと
Web3.0とは、分散型インターネットという意味であり、互いに情報を管理しあう概念のことです。
Web1.0はインターネットの黎明期であり、情報の流れが一方通行の時代でした。
例えば、Web1.0であるWebサイトを訪問した場合、閲覧したユーザーの情報はコンテンツに反映されず、管理者が作成したものをそのまま表示するのみです。
Web2.0は、現在私達が利用しているインターネットの形であり、情報の流れが双方向になっていることが特徴です。
TwitterやFacebookに代表されるSNSでは、情報発信やコメント、いいねなどユーザー同士の「反応」が可能になりました。
しかし、特定の企業に情報が集中することで起こる情報漏えいや改ざんなどが問題とされてきました。
Web3.0では、後述する「ブロックチェーン技術」によってユーザー同士で互いの情報を管理し合うことが可能になり、従来の中央集権的なインターネットの仕組みからの脱却が可能になりました。
Web3.0は今、どうなっているのか?
Web3.0はビジネスに利用する動きが高まっているものの、詐欺やハッキングなど課題の解決が進められています。
2022年11月には「FTX」という仮想通貨取引所が破産し、Web3.0と強く関連する「ブロックチェーン技術」の安全性が問われる騒動がおきました。
しかし、FTXの騒動は、諸外国における規制の整備不足や企業や個人の問題によって起こったため、ブロックチェーン技術の欠陥によるものではないと考えられています。
また、Web3.0の登場によって新たなサービスの消費活動や資産形成として暗号資産を利用した「トークン経済」が誕生し、メタバースとの掛け合わせによって新たな経済圏の形成も進んでいます。
広がりつつあるWeb3.0コミュニティ
Web3.0が可能にしたコミュニティの形として「DAO」という組織が挙げられます。
従来のトップダウン組織とは違い、DAOでの意思決定は参加者による民意です。
参加者一人ひとりがコミュニティを想い、行動するため、組織としての質が向上していきます。
トップダウン組織では困難であった下層の意見に耳を傾けることが可能になりました。
現在の企業経営において、商品を繰り返し購入したり、よい口コミや意見を共有したりする熱心な顧客(ファン)をつくる「ファン形成」は重要です。
Web3.0によるコミュニティを利用することで、売り上げ以外にも、新たな商品開発やマーケティングに活用できるヒントが手に入れられるかもしれません。
「自社のファンが欲しい」「自社のファンコミュニティを作りたい」というお考えの企業担当者様は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
当社サービスDiscoによって自社商品やサービスのファン形成をサポートいたします。
Web3.0の先にあるSociety5.0との関連性
Web3.0は「Society5.0」を実現するために不可欠です。
Society5.0とは、仮想空間と現実空間を融合させたシステムにより、経済の発展と社会的課題の解決を行う社会のことです。
これまでの社会では、インターネット上の多すぎる情報から必要な情報を判断する際の負担や年齢や障害などの制約がありました。
Society5.0は、膨大な情報から人工知能が解析し、必要な情報が必要なときに人間に提供される社会です。
Society5.0の仕組みを構築するために、将来的には法規制や税制等の整備、通信インフラの強化など多くの課題に一体的に取り組む必要があります。
Web3.0とブロックチェーンの関係性
Web3.0はブロックチェーンを語る上で重要な要素です。
ブロックチェーンとは、インターネット上にある端末同士を直接接続させて情報を分散的に処理、管理する技術のことです。
「スマートコントラクト(※)」と呼ばれる技術を使用することで自動化を実現しています。
管理者が存在しなくても組織運営が可能なのは、ブロックチェーンのおかげです。
スマートコントラクト(※)
あらかじめ設定されたルールに従い、ブロックチェーン上の取引やブロックチェーン外から与えられた情報など特定のルールによって実行されるシステム |
ブロックチェーンには下記のような特徴的なメリットが存在します。
- セキュリティの向上
- デジタルデータの唯一性の証明
セキュリティの向上
Web2.0の世界では、ユーザーの個人情報はプラットフォーム側である企業が管理していますが、ハッカーによる情報漏えいや改ざんの問題が取り沙汰されてきました。
特に海外では、Googleが個人情報関連で訴訟されたこともあり、企業が管理する個人情報について疑念が高まっています。
一方、Web3.0ではブロックチェーンによって情報を分散管理しているため、情報漏えいや改ざんをされる危険性は極めて低くなります。
参考:個人情報保護法違反でグーグルに1億ユーロの罰金|日本貿易振興機構
デジタルデータの唯一性の証明
Web2.0の世界において画像や動画などのデジタルデータは、インターネット上でコピーや保存が可能なため、唯一性を証明できませんでした。
しかし、Web3.0は端末間で所有者情報を管理するため、コピーされたものとオリジナルの違いをはっきりと証明できます。
唯一性が証明できるため、デジタルデータにも資産価値をつけられるようになりました。
現在では、アートやゲーム内のアイテムなどあらゆるコンテンツで活用されています。
Web3.0をビジネスに実用化した事例と具体例
ブロックチェーンを利用することで、従来とは違った商品販売が可能になりました。
Web3,0を実用化した以下のような事例を紹介します。
- 不動産信託受益権等のトークン化|三菱UFJ信託銀行
- ウイスキーのNFT化|株式会社UniCask
- Webブラウザ|Brave
自社事業の参考にしてください。
不動産信託受益権等のトークン化|三菱UFJ信託銀行
三菱UFJ信託銀行は、株式や不動産信受益権などをトークン化し、販売する構想を試みています。
これまで株式や不動産などの権利を譲渡、管理する際は、コストが高すぎることで、個人投資家へ金融商品の販売は困難でした。
そこで、同社はブロックチェーン技術を活用し、株式や不動産信託受益権などをトークン化するプラットフォームを構築。
以前よりも簡単に権利の譲渡を行うことができるため、これまで取りこぼしていた個人投資家への販売も可能になると言われています。
参考:Web3 とMUFG のデジタルアセット事業について|三菱UFJ信託銀行
参考:Web3.0事業環境整備の考え方ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー|経済産業省
ウイスキーのNFT化|株式会社UniCask
株式会社UniCaskは、ウイスキー樽の蒸留酒を小口化し、NFTを紐付けて販売しています。
NFTとは日本語で「非代替性トークン」と呼ばれる、固有の価値が付いたデジタルデータのことです。
購入したNFTは、個人が再販売することも可能です。
これまで瓶詰め後、購入されるまでは蒸留所の所有物であった蒸留酒を、NFTという代替物によって販売することで、2次流通を含む売買の活発化や海外からの購入による取引機会の増加を実現しました。
また、ウイスキー生産中からトークンとして販売可能であるため「予約販売」としての面もあり、事業開始時における資金繰りが容易になりました。
参考:UniCask ユニカスク~樽を所有する喜びをすべての人に~|UniCask
参考:Web3.0事業環境整備の考え方ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー|経済産業省
Webブラウザ|Brave
Braveはブロックチェーン技術を用いた新しい検索プラットフォームです。
現在、インターネット上でWebサイトを閲覧する場合、それぞれが日々閲覧しているページの傾向に合わせて、パーソナライズされた広告やコンテンツが表示される仕組みとなっています。
Brave最大の特徴は「個人情報の保護」です。
独自のシステムによって閲覧データを収集しないため、パーソナライズされた広告を非表示にできます。
セキュリティの高さや広告の非表示による検索の高速化が支持され、月間アクティブユーザーは上昇し続けています。
参考:Braveの月間アクティブユーザ数が5000万人を突破、5年連続で2倍増を達成|Brave
まとめ
Web3.0は発展途上であり、多くのサービスに活用が期待されているものの、一般社会に影響を与える存在になるためには、依然多くの時間がかかることが予想されます。
しかし、Web3.0から始まる新たなインターネット時代は、これからのビジネスに重要な影響を与えるため、社会に浸透しきっていない今、理解しておく必要があります。
今後のインターネットに適したビジネスを展開させるためにも、メタバースやNFTなど追随する技術を学び、Web3.0の知見を高めておきましょう。