ファンマーケティングは、愛着を持つ顧客を増やし、企業の売上向上や安定をもたらすマーケティング手法です。
本記事では、ファンマーケティングで企業が得られる効果や重要視される理由、成功事例について解説します。
\ファンマーケティングの始め方を解説/
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ファンマーケティングとは|重要視される3つの理由
ファンマーケティングとは、自社が提供する商品・サービスに愛着を持つ顧客を増やし、売上向上を図るためのマーケティング手法です。
近年、企業が抱える課題には、消費者行動の多様化やニーズの細分化などがあり、その対応策としてファンマーケティングが注目されています。
ファンマーケティングが重要視される理由は、以下3つの効果が期待できるためです。
- UGCの増加により売上拡大につながるから
- 既存顧客の購買が売上にインパクトを与えるから
- 愛着を持つ消費者がさらにファンを増やすから
UGCの増加により売上拡大につながるから
UGC(User-Generated Content)とは、ユーザーが自ら作成するコンテンツのことです。
使用した商品・サービスの口コミやレビューをSNSの投稿や、ブログ記事などにより紹介する方法が一般的です。
UGCが増えれば商品・サービスの信頼性を高め、新規顧客の獲得や既存顧客のロイヤルティ強化につながり、企業の売上拡大が期待できます。
現代の消費者は、商品・サービスの購入を検討する際に、「SNSでの口コミ・評価」「友人・家族からの紹介」を参考にするためです。
とくに10代〜20代の若者の約50%は「SNSでの口コミ・評価」を重視しています。
参考記事:令和4年度第5回消費生活意識調査結果について|消費者庁
参考記事:令和4年版消費者白書目次 第1部 第2章 第2節 (1)若者の消費行動|消費者庁
既存顧客の購買が売上にインパクトを与えるから
企業のファンが増えればリピート率が高まるため、新規顧客獲得に注力するよりも高い費用対効果が期待できます。
高い費用対効果が得られる理由には、以下2つの法則が関係しています。
- 1:5の法則
- パレートの法則
「1:5の法則」とは、新規顧客を獲得するコストが既存顧客を維持するコストの5倍かかるという法則です。
また「パレートの法則」とは、売上の80%は全顧客の上位20%の優良顧客からもたらされる法則を表します。
ファンを増やすことで、長期的な売上安定が見込めるでしょう。
関連記事:パレートの法則とは?マーケティングに活かしファン化を促すコツを解説!
愛着を持つ消費者がさらにファンを増やすから
ファンの口コミを通して他の消費者に商品・サービスの魅力が伝われば、新たなファンを増やします。
なぜなら、ファンが実際に使用・体験した評価は信頼性が高く、ポジティブな印象は他の消費者にも伝播するためです。
さらに、ファンが自発的に活動し、UGCを拡散してもらえれば、企業は広告費を削減できます。
ファンの活動が他の消費者のファン化を促せば、UGCが広告となり、コストを抑えつつさらなるファンを増やす好循環が生まれます。
ファンマーケティングで企業が得られる効果と成功事例5選
ここからは、ファンマーケティングで企業が得られる効果と5つの成功事例を解説します。
- 顧客ロイヤルティが高まりLTV向上が期待できる|【事例】スターバックス
- ユーザーの口コミが拡散され新規顧客獲得につながる|【事例】WORKMAN
- ユーザーとの交流で新しい価値共創ができる|【事例】クラブハリエ
- コミュニティでの情報共有でファンの愛着を強める|【事例】カゴメ
- ユーザーニーズを把握し商品開発や改善につなげる|【事例】無印良品
顧客ロイヤルティが高まりLTV向上が期待できる|【事例】スターバックス
個々のニーズに応えるための施策や、ファンのみが得られる有益な情報提供の実施により、顧客ロイヤルティの向上とLTV(顧客生涯価値)の増加が期待できます。
スターバックスの「My Starbucks」が良い事例です。
スターバックスでは、利用するたびにStarが貯まるリワードプログラムや、顧客の登録情報に合わせた新商品やプレゼントに関する情報の提供などを実施しています。
このような顧客との関係を深める施策は、再訪率の向上や長期的な売上増加が期待でき、結果として、スターバックスは根強いファンを獲得しています。
ユーザーの口コミが拡散され新規顧客獲得につながる|【事例】WORKMAN
ユーザーによる信頼性の高いUGCは、SNSやブログなどで拡散されます。
すると、これまで商品やサービスを認知していなかったユーザーにも情報が届くため、新規顧客が見込めるでしょう。
その効果は、株式会社ワークマンが実施する「WORKMAN公式アンバサダー」の成果からも伺えます。
「WORKMAN公式アンバサダー」とは、SNSやブログで情報発信する方々を集めたアンバサダー制度です。
アンバサダーは、WORKMANの商品紹介や自身の活動における活用方法などを自身のSNSで発信しています。
さまざまな顧客層のアンバサダーを起用して、商品の使用感や魅力を消費者に伝え、ECサイトへ誘導し、新たな顧客層を引き込むことに成功しています。
関連記事: SNSアンバサダーとは?役割や起用するメリット・デメリット、成功事例を解説
ユーザーとの交流で新しい価値共創ができる|【事例】クラブハリエ
ユーザーと活発に交流することを目的として、新しい価値共創を試みる企業もあります。
株式会社クラブハリエが実施する「クラブハリエクラブ・チョコ部」では、インスタグラムのライブ配信を活用してフォロワーと意見を交換し、新商品を作る企画を実施しました。
企業とユーザーが直接意見を交換して新しいアイデアが生まれ、さらに、商品開発のプロセスを共有することで、企業や商品に対する愛着を深めた事例です。
この取り組みは話題性を生み、販売即日で完売となりました。
関連記事:価値共創マーケティングとは?価値共創がもたらす効果や成功事例、手法を解説!
コミュニティでの情報共有でファンの愛着を強める|【事例】カゴメ
企業が運用するコミュニティサイトには、ファンの愛着を強める効果があります。
自社ブランドに適したコンテンツを提供し、ファン同士やファンと企業が情報を共有できるためです。
カゴメ株式会社が運営するコミュニティサイト「&KAGOME」では、会員限定のイベントが企画されているほか、ユーザーの口コミや製品を活用したレシピの共有などが行われています。
コミュニティでの活動を通じて、ファンはブランドとのつながりを感じられるでしょう。
自社専用のプラットフォームを活用し、顧客ロイヤルティを高めると同時にユーザーからの意見も集められている良い事例です。
ユーザーニーズを把握し商品開発や改善につなげる|【事例】無印良品
ファンマーケティングは、ユーザーニーズの把握に役立ち、商品開発や改善につながります。
無印良品のくらしの良品研究所では、「IDEA PARK」を設置し、ユーザーからの「あったらいいな」「改良して欲しい」などの要望を積極的に収集しています。
集まった声を参考に新商品開発や既存商品の改善を行い、ブランドの信頼性や魅力を高めている事例です。
さらに、ユーザー同士のコミュニケーションで課題を解決するケースもあります。
このようにユーザーの意見を集め、コミュニケーションを活性化させれば、潜在ニーズの発見も可能です。
ファンマーケティングに効果的な手法
消費者は商品・サービスを選ぶ際、価格や機能、安全性以外に「評判」や「特典」、「従業員の対応」を重視しているというデータがあります。
そのため、3つの要素を満たす以下のような施策が効果的です。
施策の種類 | 概要 |
SNSやコミュニティサイトでの交流 | 企業のSNSアカウントや独自のコミュニティサイトでファンと交流すること |
ファンミーティング | ファンと企業・ファン同士が交流するためのイベント |
サンプリング | 宣伝したい商品を無償で限られた顧客に提供し、その対価として口コミを発信してもらうこと |
キャンペーン | 限られた顧客を対象にプレゼントや特典を提供すること |
サブスクリプションサービス | 月額や年額での課金により、商品・サービスを提供 |
メルマガ配信 | 最新情報や有益な情報、キャンペーンの告知など企業から送られるメール配信 |
ライブ配信 | SNSを活用したリアルタイムの動画配信 |
アンバサダー | ファンを起用した広報活動 |
参考記事:平成30年版消費者白書目次 第1部 第1章 第6節 (3)商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識|消費者庁
関連記事:ファンマーケティングの成功事例9選|事例を自社に活かすための3つのポイントも解説
マーケティングの効果が測定できるツール一覧
ファンマーケティングは長期的なマーケティング施策であり、売上だけでは効果が可視化できません。
マーケティングの効果を測定するためには、以下のようなツールを活用するとよいでしょう。
ツール名 | 使用する目的 | メリット | デメリット |
MAツール(マーケティングオートメーションツール) | 見込み客の育成促進 | 見込み顧客への「メール配信履歴」「広告表示」などを一元管理できる | 運用コストが高く、分析方法などが複雑 |
CRMツール(顧客関係管理ツール) | 既存顧客のロイヤルティ向上 | 購入履歴やコミュニケーション履歴などを管理・分析できる | 運用コストが高く企業内の浸透に労力がかかる |
SNS | 顧客のニーズ把握 | インサイト機能を活用し、投稿したコンテンツの反応が確認できる | 分析方法を身につける必要がある |
コミュニティサイト | 優良顧客のニーズ把握 | ファンが集まるため、精度の高い効果測定が期待できる | サイト構築に時間がかかる恐れがあり、運営に労力がかかる |
ファンの育成やロイヤルティ向上には、コミュニティサイトの運営がおすすめです。
しかし、サイト構築や運営の労力を懸念される方もいるでしょう。
そのような方には、コミュニティサイトの構築からファン作りまでをサポートするサービス「DISCO」がおすすめです。
DISCOではコミュニティサイトの構築だけでなく、コミュニティ分析機能やロイヤリティプログラムも提供しています。
コミュニティサイトで売上向上を目指したい方はお気軽にご相談ください。
関連記事:ファンマーケティングツールおすすめ7選!選び方のポイントも解説
関連記事: CRMとは?導入のメリットや運用方法もわかりやすく解説
戦略的にファンマーケティングの効果を高めて売上を拡大しよう
ファンマーケティングを実施することで、企業の売上拡大が期待できます。
愛着を持つファンが口コミを発信すれば、更なるファン化を促せるからです。
ファンの口コミは信憑性が高く、商品・サービスの価値も高まるでしょう。
ファンマーケティングを始める際は、ファンの育成や集客できるコミュニティサイトが有効です。
株式会社kazeniwaでは、ファンマーケティングをサポートするサービスDISCOを提供しています。
お困りの際は、お気軽にお問い合わせください。