コミュニティナースとは「人とつながり、まちを元気にする」をコンセプトに、地域のつながりを広めていきながら人々をサポートする人のことです。
地域のつながりが希薄化している現代では、地域のつながりを深めていくコミュニティナースの活動は重要視されています。
本記事では、コミュニティナースの仕事内容や重要視される理由、コミュニティナースを成功させるためのポイントなどを解説します。
コミュニティナースとして地域を活性化させたい方は、ぜひ参考にしてください。
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コミュニティナースとは | おせっかいを焼いて地域のつながりを広めていく人
コミュニティナースは株式会社CNCが提唱している「生き方・あり方」を指す用語です。
実際の取り組みは多種多様ですが、地域住民との交流を深めていくなかで、一人ひとりの「楽しみ」を作り心身ともに健康である状態を目指しています。
また「ナース」という名称が入っていますが、必ずしも看護師である必要はありません。
コミュニティナースは職業や資格などを問わず、誰もが実践できるあり方です。
コミュニティナースの活動内容 | 地域住民の課題解決・イベント開催など
コミュニティナースの活動はさまざまですが、たとえば以下のような支援を実施しています。
- 地域住民と最も関わりがもてる場所で交流を深める(郵便局や公民館、スーパーのフードコートなど)
- 地域住民の健康問題や暮らしの課題解決をサポートする
- イベントの企画立案や、開催をする(80代女性の女子会や発達障害の子どもをもつ家族の集まり、年代問わず集まれる健康教室など)
- 医療機関・行政との連携を行う など
地域によって特徴や課題は異なるため、地域に根ざした活動を行う必要があります。
コミュニティナースが重要視される背景 | 地域のつながりの希薄化
昨今は核家族化や単身世代の増加によって地域のつながりが希薄化しており、孤独死や子育て世代の孤立化などが問題視されています。
この問題にアプローチできるのがコミュニティナースです。
地域のなかには、孫世代との交流を望む高齢者や、子育てに悩む親などがいます。
このような両者をコミュニティナースが介入しマッチングすることで、地域住民のつながりが増えるため、孤独死や子育て世代の孤立化といった課題を軽減できるかもしれません。
このように、コミュニティナースは住民同士で支えあう環境を整えるために求められる存在です。
現在は、学校や公民館などでイベント、相談会を実施しています。
実際に会って交流を深めるオフラインが主流ですが、今後は感染症リスクや実施ハードルの低さからオンラインでも交流を深められる場が増えていくことでしょう。
コミュニティナースが浸透している自治体例
本項ではコミュニティナースが浸透している自治体を2つ紹介します。
- 島根県雲南市:地域おせっかい会議で地域全体で支えあう仕組みづくり
- 京都府綾部市:新聞を活用して地域内外に活動報告
それぞれの自治体で、コミュニティナースがどのような活動をしているのかみていきましょう。
島根県雲南市:地域おせっかい会議で地域全体で支えあう仕組みづくり
島根県雲南市ではコミュニティナースを提唱するCNCと協定を結んでおり、以下のような活動を実施しています。
- 地域住民が気軽に集まれる「みんなのお家」を開設
- 地域おせっかい会議を開催
- 地域の郵便局が実施している「まちの保健室」
「みんなのお家」は雲南市で活動するコミュニティナースの拠点として使われている施設で、イベントの開催や憩いの場として活用されています。
また地域おせっかい会議は、主体的な”おせっかい”によって地域全体で支えあう仕組みを作るための取り組みです。
この取り組みから発起されたのが、郵便局で血圧測定や健康相談などができる「まちの保健室」です。
京都府綾部市:新聞を活用して地域内外に活動報告
京都府綾部市は、全体の高齢化率が39.0%(2020年時点)と高く、交通や買い物、医療に対するアクセス不全が生まれやすくなっている地域です。
そこで京都府綾部市のコミュニティナースは、以下のような活動を実施しています。
具体的な活動内容 | |
地域での活動 | ・地域の子ども達とのふれあい ・地域行事での健康相談コーナーの出展 ・個別相談 ・個別訪問(地区による) ・コミナスの部屋を定期的に開催 |
地域外での活動 | ・コミナス新聞の発行 |
関係機関との連携 | ・医療・福祉・行政関係機関との情報共有や連携 |
コミナスの部屋はまちの保健室機能をもち、熱中症予防や食中毒予防など健康に関する情報を提供しています。
またコミュニティナースの活動報告や健康情報などを掲載した「コミナス新聞」は、毎月1号ずつ地域内外宛に発行されています。
コミュニティナースの活動を成功させるためのポイント4つ
コミュニティナースを活用して地域を活性化させるためには、以下4つのポイントがあります。
- コミュニティナースに必要とされる素養を学ぶ
- 地域活動の企画を考え実践する
- 行政や医療機関などと連携を図る
- コミュニティ管理ツールを活用する
①コミュニティナースに必要とされる素養を学ぶ
コミュニティナースに必要な素養を学ぶためには、株式会社CNCが開催しているコミュニティナースプロジェクトに参加しましょう。
コミュニティナースプロジェクトでは、3つの講座が用意されています。
講座の種類 | 概要 |
ベーシック講座 | コミュニティナースの基本的な考え方や地域に入っていくためのコツを学ぶ |
コミュニティナース 実践講座 | 自分の関心や情熱のあることを掘り下げながら、本格的に地域や職場での実践を目指す |
ステップアップ講座 | 活動をもう一歩成長させ持続可能にしていくことを目指す |
これからコミュニティナースとして活動していきたい方は、「ベーシック講座」や「コミュニティナース 実践講座」を受講するとよいでしょう。
②地域活動の企画を考え実践する
地域活動の企画を考えるためには、地域住民が必要としていることや悩みを把握する必要があります。
そのためには地域住民との交流が重要なため、地域住民と関われる場所を探しましょう。
地域住民と交流できる場所として、以下が挙げられます。
- 公民館
- 郵便局
- スーパーのフードコート
- 移動販売
- ガソリンスタンド など
地域住民との交流を深め、悩みや課題を見つけられたら、解決できるようなイベントを企画しましょう。
たとえば、医療機関のアクセスが悪い地域では、以下のような企画が考えられます。
- 健康相談会を開催する
- 医療機関と連携してオンライン診断できる環境を整える など
最初は井戸端会議のような健康相談から始め、徐々にコミュニティナースの存在や活動内容を広めることで、さまざまな企画に発展する余地が生まれるでしょう。
③行政や医療機関などと連携を図る
コミュニティナースの活動は個人でも可能ですが、行政や医療機関などと連携すれば地域住民の課題解決策の選択肢を広げることができます。
ときには実施場所の使用許諾が必要なケースもあるため、行政と相談を交えながらプロジェクトを推進しましょう。
高齢者との距離が近い施設である医療機関と情報を共有することで、相互扶助ができることもあります。
とはいえ、コミュニティナースは民間活動であるゆえに行政や医療機関などに受け入れてもらいにくいこともあります。
そのようなときは「実際の活動を動画や現場で見てもらう」「コミュニティナース活動による効果を説明する」などして、コミュニティナースを知ってもらうことから始めましょう。
④コミュニティ管理ツールを活用する
地域住民の交流は直接対面に限らず、オンライン上でも行うことができます。
外出が困難な方でも交流に参加できるため、第二の手段として活用するとよいでしょう。
オンラインコミュニティを形成するにあたって活用できるツールにはWeb会議ツールやコミュニケーションプラットフォームなどがあります。
株式会社kazeniwaの「DISCO」ではコミュニティの構築や管理が行えるため、コミュニティナースが行う支援のイチツールとしても活用できます。
コミュニティナースの活動で地域を活性化させよう
コミュニティナースは健康相談や交流を深めるイベント開催により、地域住民の楽しみを増やし心身ともに健康で過ごせる環境づくりを目指しています。
コミュニティナースをきっかけに地域住民のつながりが深まると、孤独死や孤立化などの問題も減少していくでしょう。
地域のつながりが希薄化しているなか、コミュニティナースの重要性は高まっています。
コミュニティナースについて学びを深め、地域支援の第一歩を歩んでみてはいかがでしょうか。