コミュニティビジネスとは、地域コミュニティを企業の力で活性化させることです。
企業のコミュニティビジネスへの取り組みは、資源不足対策やSDGsの推進、ESGにも関わるため注目を集めています。
本記事では、コミュニティビジネスの概要や実施するメリット、注意点、成功事例について解説します。
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コミュニティビジネスとは|住民と企業が共同で地域課題を解決する手法
コミュニティビジネスとは、地域住民や企業主体で地域課題を解決するものです。
コミュニティビジネスは企業と地域だけでなく、行政や他企業などさまざまな組織と連携する点が特徴です。
子育て・高齢者支援や地域資源の活用、まちづくり支援など、地域ごとの課題に取り組みます。
コミュニティビジネスが必要とされている背景
コミュニティビジネスが必要とされている背景には、以下のような要因があげられます。
- 人口減少
- 高齢化
- 人口流出
- 人材不足
- 自治体や地元企業の弱体化による財政難
- 核家族化や単身世帯の増加による地域コミュニティの希薄化
地域の力のみでは解決が困難な課題も、企業が主体となってビジネス化することで財政面や仕組み作りをサポートできます。
コミュニティビジネスの役割
コミュニティビジネスには、企業が持つ知見やノウハウを使うことで「高齢者支援」「子育て支援」「まちづくり」「地域資源の活用」など、それぞれの課題を解決する役割があります。
また、企業にとっても以下のような課題を解決する手段となります。
- 人材不足
- 原材料不足、高騰
- SDGsの取り組み
- ブランド価値向上
- 新規事業、商品の開発
詳しい内容は次項で解説します。
企業や組織がコミュニティビジネスを実施する3つのメリット
コミュニティビジネスを実施すれば、企業は大きく以下3点のメリットを期待できます。
地域コミュニティの活性化が自社にどのような効果をもたらすのか、参入を検討する際にお役立てください。
- 地域社会への貢献でブランド価値の向上が見込める
- 人材確保や資源の有効活用ができる
- 地域との共創で新しい製品が生まれる
地域社会への貢献でブランド価値の向上が見込める
企業によるコミュニティビジネスの実施は「社会貢献している」「人材や資源を大切にしている」企業と認識されるため、ブランドイメージの向上に大きく寄与します。
コミュニティビジネスを広めるときは、生産から販売までをストーリー化して伝えると消費者からの共感を得やすく、親近感を高められるでしょう。
近年では投資家をはじめとしたステークホルダーからも企業の積極的なSDGsへの取り組みが重視されているため、コミュニティビジネスへの参入はブランド価値向上につながります。
関連記事:顧客ロイヤルティとは?ロイヤルティ向上のポイントと成功事例を紹介
人材確保や資源の有効活用ができる
企業がコミュニティビジネスを実施し、地域を活性化させることで地域拠点の人材確保や資源の有効活用が見込めます。
とくに地方工場などの拠点では人材確保が難しくなっているため、人口減少や人手不足は地域に限らず企業にとっても深刻な課題です。
地域と連携しながら人口流入を後押しし、人材が確保できれば働き手が生まれ、資源活用が進み、原材料の高騰にも対応できるでしょう。
地域との共創で新しい製品が生まれる
コミュニティビジネスは地域の課題を多角的な視点で見直し、地域住民とコミュニケーションを重ねるため、地域と企業の共創で新しい製品を生み出せる可能性があります。
地域の日常に埋もれている資源でも、外部の視点から見ると貴重な価値を持つことがあります。
外部視点で地域の魅力を発見し、その魅力を活かした製品を販売すれば、企業にとっても独自の製品が作れるでしょう。
関連記事:価値共創マーケティングとは?価値共創がもたらす効果や成功事例、手法を解説!
コミュニティビジネスで失敗しないための3つの注意点
コミュニティビジネスは、ビジネスが軌道に乗らず財政難に陥り失敗してしまう企業もあります。
失敗させないためには以下3点に注意して実施しましょう。
- 企業・自治体・市民などが連携し繋がりを強化すること
- コミュニティビジネスの認知を高めること
- 財源を確保とビジネスモデルを確立すること
企業・自治体・市民などが連携し繋がりを強化すること
コミュニティビジネスの成功には、さまざまな組織と連携し関係を深めることが重要です。
信頼関係を築くためには、関係者とのコミュニケーションを重ねましょう。
企業のマーケティング部門と地域やその他団体が同じ課題について議論を交わしたい場合は、オンラインコミュニティの活用がおすすめです。
DISCOでは、オンライン上でコミュニケーションが取れるコミュニティの構築や運用ができます。
情報交換や意見交換の場として効果的なネットワーク作りが可能です。
関連記事:オンラインコミュニティとは?種類や作り方、成功事例について紹介
コミュニティビジネスの認知を高めること
コミュニティビジネスでは地域内外を問わず、多くの人を巻き込むことも重要です。
認知が低ければ協力者が集まりにくく、人や知識が不足した状態が続いてしまいます。
地域内外の興味を集めれば、支援者や協力者が集まり、協業や新たなビジネスの立ち上げなどスムーズに進められるでしょう。
企業HPやSNS、地域情報誌などを活用して認知度を高めてください。
財源を確保とビジネスモデルを確立すること
コミュニティビジネスは、財政難で失敗してしまうケースもあります。
解決策としては、財源確保の方法を事前に検討し、利益を上げられるビジネスモデルを確立することが重要です。
資金の調達には助成金の活用やクラウドファンディングが効果的ですが、将来的には経済的に自立できた状態を目指す必要があります。
企業のマーケティングや収益化のノウハウを活かして、コミュニティビジネスのビジネスモデルを作り上げてください。
【分野別】コミュニティビジネスの成功事例4選
コミュニティビジネスに取り組み成功している事例を、非営利法人も含めて4つご紹介します。
成功のポイントを解説しますので参考にしてください。
- 【地域資源活用|企業】株式会社 サンクゼール
- 【高齢者支援|企業】BABA lab
- 【子育て支援|NPO法人】豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
- 【まちづくり推進|NPO法人】えがおつなげて
【地域資源活用|企業】株式会社 サンクゼール
引用:株式会社サンクゼール
株式会社サンクゼールでは、本社のある長野県のコミュニティビジネスを実施しています。
事業内容は、長野県飯綱町の自然や農産物を活用した製品の製造・販売です。
たとえば飯綱町産のりんごを使ったアルコール作りをしています。
また、長野県以外の都道府県ともパートナーシップを締結し、独自の商品開発や「久世福商店」での販売をしています。
株式会社サンクゼールでは、独自の商品開発ノウハウと全国展開している販売店舗を有しており、生産から販売までできる仕組みが成功要因といえるでしょう。
【高齢者支援|企業】BABA lab
引用:BABA lab
BABA labは、高齢者支援の分野においてコミュニティビジネスを成功させている事例です。
以下3つの事業を展開しており、高齢者が社会で活躍できる仕組みを考えたり、実現したりする場を提供しています。
- 仕組みを考える場:高齢化社会について考える会議やセミナー、研修を実施
- カタチになった仕組み:市民や行政、企業と連携し商品やサービスを検討
- BABA白書:高齢者の本音をアンケート収集しデータ化
高齢者の意見を集めた独自のデータを有している点や、自治体や企業、アドバイザーなどさまざまな組織・人と連携している点が成功要因だと考えられます。
【子育て支援|NPO法人】豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
東京都豊島区で活動するNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークの成功事例です。
「地域の子どもを地域で見守り育てる」ことを理念に、学習支援や子ども食堂、シングルマザーの交流会など、地域の子どもや子どもを持つ両親をサポートする活動が実施されています。
成功要因としては事業の仕組みや子育て支援の環境が整えられている点に加えて、多くの企業、組織から助成金・補助金を受け入れながら持続可能な活動体制が構築できている点だといえるでしょう。
【まちづくり推進|NPO法人】えがおつなげて
引用:NPO法人えがおつなげて
NPO法人えがおつなげては、山梨県で活動しており企業と農村のマッチングを支援しコミュニティビジネスを成功させています。
事業の取り組みとしては、山梨県にある耕作放棄地に企業ファームを斡旋する活動です。
企業は、農地を活用して農業の参入や原料調達、人材育成などに活用しています。
地域にとっては使われていない土地や資源の有効活用、企業にとっては安心安全な原材料の確保や地域に根ざした商品開発で、両者にメリットのある関係を構築できている点が成功の要因だと考えられます。
地域と企業・組織の連携を強化してコミュニティビジネスを成功させよう
コミュニティビジネスを成功させるためには、とくに地域住民との連携強化や外部への認知拡大が必要不可欠です。
コミュニケーションを円滑にするためにはコミュニティサイトの活用がおすすめです。
DISCOでは、オンラインコミュニティの構築や地域・企業のファン作りを支援しています。
コミュニティビジネスでお困りの際はお気軽にお問い合わせください。