2020年以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響により、インターネットで商品を購入する方が増加し続けています。
実は、SNSである「インスタグラム」が自社ECサイトへの導入ツールとして優れていることはご存じでしょうか。
本記事では、
- インスタグラムのショップ機能の概要
- ショップの導入方法
- ショップ機能を導入した企業の成功事例
を紹介します。
インスタグラムから直接的な商品の販売に繋がるため、ECサイトでの商品販売を考えている、もしくは既に行っている企業は、必ず押さえておくべき内容です。
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参考:利用が増える通信販売;コロナを期により多様化の進む小売業|経済産業省
インスタグラムの「Shop Now(ショップナウ)」は、ECサイトをシームレスに繋ぐショッピング機能
インスタグラムはこれまで、企業の認知拡大にも利用されてきましたが、商品の販売に直結する「ショップ機能」も備わっています。
ショップ機能には以下の2種類の機能があります。
- 投稿した写真につけたタグから、ユーザーをインスタグラム上の商品紹介ページに飛ばす
- 商品紹介ページから自社オンラインショップのページに誘導する
投稿に興味を持ったユーザーに、インスタグラム上でより詳細な商品情報を伝えられます。
写真や動画を主としたSNSのため商品を視覚的にアピールしやすく、購入後の実際の姿を想像しやすいという特徴があります。
購入後の姿を明確に想像してもらうことで「失敗するかもしれない」と感じさせることなく、購入につながりやすいでしょう。
インスタグラムショップの開設方法
インスタグラムショップの開設方法を以下の2つに分けて解説します。
- 【準備】利用資格の条件を確認する
- 【作成】ショップ開設
自社ECサイトと連携させるのが基本ですが、現在インターネット販売を行っていない場合の対処法も紹介します。
インターネットでの販売体制が整っていないという方もご覧ください。
【準備】利用資格の条件を確認する
インスタグラムショップを利用するためには、以下の条件を満たさなければなりません。
- アカウントの所在がインスタグラムショップを利用できる地域である
- 販売する商品がインスタグラムの規約に適合している
※成人向け商品やアルコールなどは販売できません。
参考:禁止されているコンテンツ
- 利用規約やコミュニティガイドラインに違反していないか
法律を犯す、名誉毀損を意図しているなどのコンテンツでは、利用できないとされています。
参考:コミュニティガイドライン
- 企業のウェブサイトで直接購入できるのか否か
参考:コマースの利用要件
条件を満たしていれば、次項で紹介するショップ開設の申請が可能になります。
【作成】ショップ開設
インスタグラムでショップを開くためにはアカウントを「プロアカウント」へ変更する必要があります。
プロアカウントへの変更方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:インスタプロアカウントとは?メリット・デメリットや切り替え方を開設
プロアカウントへ変更後は、以下の画像の通りに進めましょう。
また、同じ「Meta Platforms」が運営している「Facebook」のアカウントも必要になるため、事前に作成しておいてください。
- プロフィールページを開き、右上のメニューバーをタップする
- 「ショップを設定する」をタップする
- 開始するをタップする
- 「Facebookアカウントをリンク」をタップする
- 表示されているアカウントで問題ない場合は「次へ」をタップする
- 「設定を完了」タップする
- 「次へ」をタップする
- 「次へ」をタップする
- 自社ECサイトのURLを入力する
- 間違いがなければ「次へ」をタップする
- 記載されている内容を確認し「審査を申請」をタップする
審査が完了し、承認されると、インスタグラムから通知が届きます。
さっそく、商品紹介ページを作成しましょう。
通常通りに投稿を作成し、商品のタグを追加することで、ユーザーに自社の商品を紹介できます。
【補足】自社ECサイトがない場合は、ECサイト作成サービスと連携させよう
インターネット販売の体制が整っていない企業に向けて、ECサイトを作成できるサービスを提供している企業も存在しています。
以下の画像のように、先程ショップ開設時に登場したサービスは、インスタグラムのパートナーとなっています。
現在ECサイトを持っていない場合は、ShopifyやMagentoなどから利用するサービスを選び、スムーズにショップを開設しましょう。
企業がインスタグラムのショッピング機能を利用するメリット
企業がインスタグラムのショッピング機能を利用するメリットは以下の通りです。
- 投稿から購入に至るまでの離脱を防げる
- 「広告感」を与えずに商品へ誘導できる
自社の商品を効率的に販売できるよう、メリットを知っておきましょう。
投稿から購入に至るまでの離脱を防げる
ショップ機能が導入される前は、投稿で紹介されている商品に興味を持ったとしても、インスタグラムから一度違うサイトへ移る必要がありました。
投稿で見ていた商品をWeb上で再度探さなければならず、一連の流れが手間で離脱してしまうユーザーもいました。
しかし、インスタグラムのショップ機能を利用すれば、投稿写真から直接商品ページへ移行できます。
商品購入までがスムーズになることで、ユーザーの離脱を最小限に抑えられます。
「広告感」を与えずに商品へ誘導できる
インスタグラムでは、フォロワーの投稿に混じり、企業の広告が表示される場合があります。
いくら商品が魅力的でも、広告感が強すぎると嫌悪感を抱き、そのままスクロールしてしまうという方もいます。
ショップ機能は、通常の投稿に商品販売ページをタグ付けするため、広告としての一面もありますが、画像をタップしなければリンクは表示されません。
投稿にあからさまな広告感がないため、カタログ感覚でユーザーに商品をアピールできます。
ショッピング機能を利用する際の注意点
自社の商品やサービスを広く認知させることができるショップ機能ですが、以下のような注意点もあります。
- ショップの開設前の審査に少し時間がかかるため、即座に開設はできない
- 効果的に販売するためには運用コストをかけなければならない
- 売上に対して手数料を支払わなければならない
注意点を許容できるかを考えて、本当に自社に合うのかを検討しましょう。
ショップの開設前の審査に少し時間がかかるため、即座に開設はできない
ショップ機能を利用するためには、インスタグラムによる審査が行われます。
今すぐに紹介したい商品があったとしても、事前にショップを開設していなければインスタグラムショップに掲載はできません。
特に、季節によって売れ行きが変動するアパレル商品や、テレビなどによって流行した商品は、飽きられる前に販売する必要があります。
商品が特に売れる時期やタイミングを逃さないよう、ショップの開設は余裕を持って行ってください。
効果的に販売するためには運用コストをかけなければならない
インスタグラムで商品を販売し、利益を上げていくためには、ECサイトへの流入数や購買数など多くの項目を分析しなければなりません。
商品によっては、それぞれで投稿のコンセプト設定や、写真の見せ方の工夫などを変更する必要もあるでしょう。
しかし、運用体制が整っていないと大きく時間を取られ、そもそも投稿自体を続けられない場合もあります。
効果を出すためにはきちんと専門の部署やチームを作らなければならないため、人員不足やリソースを割けない企業は注意が必要です。
売上に対して手数料を支払わなければならない
インスタグラムのショップ開設や決済に手数料は発生しません。
しかし、ショップから直接ECサイトに移動し、売上が発生した場合は、以下の手数料が必要です。
- 販売額の5%
- $8以下の取引については、定額で$0.40
自社ECサイトのみでの販売あれば販売手数料がかからないため、インスタグラムでのショップ開設を見送る企業もいるでしょう。
しかし、ショップ機能を利用すれば、自社の投稿から商品に興味を持ったユーザーの離脱を防げる可能性が高くなり、売上が上昇する可能性もあります。
販売手数料を支払わなければならないことも加味して、ショップを利用しましょう。
インスタグラムショップを利用している人気企業アカウントの事例3選
インスタグラムをうまく利用しており、参考にしたい企業アカウントは以下の3つです。
- LOHACO(ロハコ)
- minne(ミンネ)
- HACHITEN(ハチテン)
各企業のアカウントにどんな工夫が施されているかを詳しく解説します。
LOHACO(ロハコ)
LOHACOは、日用品から家電まで幅広く販売する通販サイトです。
公式アカウントでは、食料品やキッチングッズ、化粧品などを紹介しています。
扱っている食品や調味料を使ったレシピ動画を投稿しています。
宣伝だけでなく日々の生活の中で役立つ知識も投稿されており、商品だけの紹介には留まっていません。
また、商品によってハッシュタグを細かく変更しており、それぞれのターゲットにきちんと届くような工夫が施されています。
minne(ミンネ)
minneは、アクセサリーや雑貨など様々なハンドメイド商品を販売、展示、購入できるサイトです。
自社商品がないため、公式アカウントではminneを利用している作家の作品をメインに紹介しています。
公式アカウントで紹介されることで作家の認知度向上につながり、作品のファンが増加し、結果としてminneを利用し作品を購入するユーザーが増加します。
キャンペーンやイベントの告知など自社発信の情報ばかりでなく、利用しているユーザーを巻き込んだ運用が特徴です。
songdream(ソングドリーム)
songdreamは、モダンテイストのインテリアを販売している家具ブランドです。
商品をグループでまとめる「コレクション」という機能をカタログのように活用し、ユーザーが見やすい工夫をしています。
ダイニングテーブルやベッドなど商品のジャンルごとにコレクションを作成することで、利用者は家で家具カタログから選んでいるように利用でき、簡単に商品の比較を行うことが可能です。
また「新宿モデルルームコレクション」として実店舗においてある商品をまとめたコレクションを作成しており、実際の商品を見たいユーザーが迷わないような設計もされています。
まとめ|インスタグラムを商用利用するならショップ機能は必須!
インスタグラムのショップ機能を利用すれば、現在ECサイトを持っていない企業でも簡単にSNSで商品販売を行えます。
ショップ開設費用も無料で商品が購入されるまでは手数料もかからないため、安心して利用できます。
インスタグラムを商用利用するのであれば、ショップ機能は必須でしょう。
しかし、きちんと効果を得られるようになるためには、専門の部署やチームを作り分析を行った上で、運用を行わなければなりません。
運用体制をきちんと整えた上でインスタグラム運用を開始しましょう。