口コミマーケティングは、消費者の口コミを利用して、自社の商品やサービスの認知度を広めるマーケティング手法です。
企業発信でない形でブランドイメージや企業の認知度を向上させられるのが特徴です。
本記事では、口コミマーケティングの概要と口コミマーケティングの成功事例、失敗例を紹介します。
この記事のまとめ
- 口コミマーケティングとは
- 口コミマーケティングとバイラルマーケティング・バズマーケティング違い
- 口コミマーケティングが重要視される背景
- 口コミマーケティングのメリット
- 口コミマーケティングのデメリット
- 口コミマーケティングの成功事例
- クチコミマーケティングの失敗事例
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口コミマーケティングとは
口コミマーケティングとは、消費者の口コミを利用して、自社の商品やサービスの認知度を広めるマーケティング手法です。
口コミは企業から情報を発信する宣伝や広告とは異なり、一般の消費者によって発信され、拡散されます。
元々口コミは、対面で人から人へ伝達されるものでしたが、スマートフォンやPCの普及後は、SNSや口コミサイト、ブログなどによる拡散が主流となりました。
上記の背景に伴い、SNSなどの口コミを意図的に利用し、自社の商品やサービスの認知度を広めるのが口コミマーケティングなのです。
株式会社KDDIエボルバが行ったアンケート調査によれば、「口コミは、購入決定にどの程度影響しますか」という問いに、全体の50.6%が「影響する」と回答しています。
このように、口コミは消費者の購買行動と密接に関わり合っているため、潜在顧客や見込顧客へのアプローチに積極的に活用したいところです。
参考記事:口コミによる購入経験は9割以上、企業アプローチの購買意欲への影響度は6割 「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021“確報版”」を発表!
口コミマーケティングとバイラルマーケティング・バズマーケティング違い
口コミマーケティングの分類として、バイラルマーケティング・バズマーケティングがあります。
バイラルマーケティング | サービスや商品を認知させる目的で、「紹介」や「推奨」をしてもらい、口コミを広げるマーケティング手法 |
バズマーケティング | 人々の間で話題になっているという状況「バズ」を発生させ、消費者やマスコミの注意を引く手法 |
バイラルマーケティングは、口コミを発生させる手段や仕組みに焦点が当たっています。
一方で、バズマーケティングは人々の注目を集めて信頼を持たせた上で、口コミを拡散してもらうことを目的としている点が違いといえます。
口コミマーケティングが重要視される背景
昨今、消費者の購買行動に口コミが大きく影響していることから、口コミマーケティングが重要視されています。
「商品の購入に口コミを参考にする」「口コミが商品の購入決定を左右する」などの声が増えていることが、口コミマーケティングが重要視されている背景のひとつです。
実際に、生活者の63%が「購入前に商品のUGCをSNS上で探している」、20代〜30代の53%が「UGCが購入活動に影響を及ぼした」という調査データがあります。
参考:Olapic『Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner’s Guide』
UGCとは、一般のユーザーによって作成されたさまざまなコンテンツの総称で、今注目されている指標です。
また、消費者の購買行動モデルが変わったことも口コミマーケティングが重要視されている背景のひとつです。
- Attention(注目)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(購買)
- Share(情報共有)
頭文字を取ってAISASモデルといい、2005年に電通が提唱したモデルです。
このモデルからも、人は商品の購入前に、一度商品の情報を検索することがわかるでしょう。
また、商品の性能がよい、自分にあっていると思ってもらえれば「シェア」が発生することもポイント。
関連記事:カスタマーサクセスとは顧客の成功を支える仕事!3つの役割や企業の成功事例をわかりやすく解説
口コミが自動で広がっていくモデルとなっているのにも注目です。
関連記事:SNS時代の消費者行動モデル「SIPS」とは?企画に活かすヒント
口コミマーケティングのメリット
企業が口コミマーケティングを行うメリットは主に3つあります。
- 顕在層へのアピールになる
- 多様なチャネルの活用で新規顧客を獲得できる見込みが高まる
- 口コミ拡散によって高い費用対効果を得られる
顕在層へのアピールになる
前述のように、消費者の購買行動と口コミは密接に関わり合っていることが分かります。
2020年にマイボイスコム株式会社が行ったアンケート調査によると、商品購入時やサービス、店舗利用時にネット上の口コミ情報を参考にする人は約6割という結果となりました。
参考記事:ネット上の口コミ情報に関するアンケート調査(第5回)|MyEL
また、購入するか迷っていたが口コミ情報をみて「買うことを決めた」「買うことをやめた」「口コミ情報での評判がよい方を買った」などと回答した人が各3割強。
口コミの情報が商品購入決定に影響し、サービスに興味があったり、商品の購入を検討したりしている顕在層へのアピールとなります。
多様なチャネルの活用で新規顧客を獲得できる見込みが高まる
多様なチャネルを活用できる口コミマーケティングは、今まで接点のなかったユーザーへのアプローチが可能です。
多様なチャネルの中でも、全世代で最も平均利用時間の長いのはSNSです。
また、全世代で最も平均利用時間が長いSNSはLINEとなっています。
多様なチャネルで口コミを露出させることで、検討層へのアプローチのみならず、新規顧客への認知度向上にも繋がります。
参考:令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査|総務省
口コミ拡散によって高い費用対効果を得られる
業界によって異なりますが、リスティング広告の平均顧客獲得単価は年々上昇していると言われています。
例えば、旅行業のリスティング広告のCPAは、2016年の為替レートで約5,418円。かなり高い水準です。
参考記事:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
5,418円という平均顧客獲得単価は2016年時点のため、現在はさらに値上がりをしていることでしょう。
口コミマーケティングによって顧客が自然に集まることで、広告出稿や営業活動よりも低いコストで高い効果を得られる可能性があります。
口コミマーケティングを成功させるポイントは以下の通りです。
- SNSを上手く活用する
- 利用者が口コミしたいと思わせる企画や方法で口コミを書いてもらう
- 口コミを二次利用したプロモーションを行う
- クチコミしてくれた人とのコミュニケーションを積極的にとる
口コミ拡散で高い費用対効果を得られる可能性があるため、ポイントをおさえた口コミマーケティングを行いたいところです。
口コミマーケティングのデメリット
企業が口コミマーケティングを行うデメリットは主に2つです。
- 良い口コミばかりだと消費者にステルスマーケティングを疑われる
- 企業イメージが悪くなる可能性がある
デメリットを解説するとともに、注意点や改善方法を紹介します。
よい口コミばかりだと消費者にステルスマーケティングを疑われる
企業側からの発信である広告と異なり、消費者側からの発信である口コミは本来コントロールができません。
しかし、良い口コミを書き込んでもらうように消費者に頼んだり、口コミをコントロールしようと業者に依頼してしまう方もいます。
こうした宣伝方法はステルスマーケティングと呼ばれます。
ステルスマーケティングとは、広告であるにもかかわらず広告であることを隠して消費者を欺いて宣伝する手法のことです。
ステルスマーケティングを実施してしまうと、googleMap上でも悪い評価を受けてしまう他、レピュテーションリスクなどが甚大化します。
社会問題にもなっているため、ステルスマーケティングのような施策は避ける他、ステルスマーケティングと勘違いされかねない運用は避ける方がよいでしょう。
企業イメージが悪くなる可能性がある
口コミを助長する口コミマーケティングでは、よい口コミ同様、悪い口コミも呼び込む可能性があります。
悪い評価や悪意のある口コミによって、消費者からの信用や信頼を失い、企業イメージに傷がつく恐れがあります。
悪い評価のついたサービスや商品、企業イメージへの信用を回復させるためには、悪い評価や悪意のある口コミへの真摯な対応が大切です。
口コミへ返信を行ったり、口コミへの対応方法をマニュアル化したりして、悪い口コミに対応できる体制を整えておくことをおすすめします。
口コミマーケティングの成功事例
口コミマーケティングを行う企業の成功事例を2つ紹介します。
どちらの事例もSNSを活用した口コミマーケティングとなっています。
- 丸亀製麵のTwitterキャンペーン
- SHEIN(シーイン)のインフルエンサーマーケティング
成功例1|丸亀製麺のTwitterキャンペーン
丸亀製麺はTwitterを活用して「フォロー&リツイート」「500円引きクーポンのプレゼント」などのキャンペーンを行い、定期的に新商品や既存商品のプロモーションを行っています。
投稿を通じてキャンペーンを行うことでフォロワー数が増加するので、結果として来店数や売上の増加につながっているのではないでしょうか。
2022年11月に「俺たちの豚汁うどん」の販売を開始した際には、ハッシュタグを使って感想を呟いてもらうよう呼びかける投稿を行い、口コミを集めています。
また、以上のように、集めた口コミを二次利用しフォロワーに対して新商品を宣伝しリツイートしてもらうことで、口コミを拡散する仕組みを作っています。
成功例2|SHEIN(シーイン)のインフルエンサーマーケティング
SHEIN(シーイン)は世界中のZ世代の女性を中心に、SNSで人気のある中国発のファストファッションアパレルブランドです。
2021年5月には、アメリカでのアプリダウンロード数がAmazonを抜いて1位になったことでも大きな話題となりました。
アプリのダウンロード数が増加した理由のひとつに、潜在顧客が利用している全SNSを網羅したインフルエンサーマーケティングを行っていることが挙げられます。
インフルエンサーを起用したUGCによって潜在層へのアピールを行い、口コミの拡散に成功し、認知度をアップさせ潜在顧客を獲得しました。
関連記事:インフルエンサーマーケティングとは?やり方や効果、注意点を解説
クチコミマーケティングの失敗事例
口コミが増えなかったり、口コミは増えても売上が上がらなかったりする場合は、口コミマーケティング失敗といえます。
失敗してしまう例として、以下のような原因が考えられます。
- KGIやKPIを設定していない
- 消費者に口コミを書くメリットがない
- 悪い口コミや評価に対する対応が真摯でない
- 悪い口コミや評価に対して対応策やマニュアルがない
他の手法と同じように口コミマーケティングもマーケティング手法の一種です。
ターゲットやKGI・KPIの設定、口コミに対しての対応策を策定するなどの戦略を立ててから、口コミマーケティングを実践したいところです。
口コミマーケティングで自社のファンを増やそう
本記事では、口コミマーケティングとは何かと口コミマーケティングのメリットとデメリット、成功事例・失敗例を紹介しました。
口コミは、消費者の購買行動と深く関わり合うため、口コミマーケティングを成功させ、自社のファンともなりうる顧客の獲得を行いたいところです。
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