安定した収益を得る方法として、ロイヤルカスタマーを増やす施策が注目されています。
他社の事例を参考にして、自社に合ったキャンペーンを検討するのがロイヤルカスタマー戦略を成功させるポイントです。
本記事では、ロイヤルカスタマー戦略の成功事例を紹介します。
自社へ施策を転用するポイントも解説しますので、事例を踏まえたうえでロイヤルカスタマーを増やす構想を練りましょう。
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ロイヤルカスタマーとは?自社に愛着のある顧客を増やすビジネス戦略を目指そう
ロイヤルカスタマーとは、自社に愛着のある顧客のことです。
企業への信頼と思い入れから、継続的に商品やサービスを利用し続けており、売り上げ貢献度が高い傾向があるとされています。
他社に乗り換えることが少なく、安定的な収益を獲得できるのもロイヤルカスタマーを増やすメリットです。
また、ロイヤルカスタマーは自社商品やサービスの魅力を理解しているため、自発的に情報を発信してくれます。
広告費を払わずとも自社の良い口コミがSNSで拡散されやすいのも、利点のひとつです。
関連記事:顧客ロイヤルティとは?ロイヤルティ向上のポイントと成功事例を紹介
ロイヤルカスタマー戦略の成功事例11選
ロイヤルカスタマー戦略の成功事例をご紹介します。
- スターを貯めて商品と交換できる「スタバ(スターバックス)」
- ファンとのコミュニティーサイトを立ち上げた「カゴメ」
- 分析によりロイヤルカスタマーを増やした「セブンイ-レブン」
- ロイヤルカスタマー限定サービスが利用できる「Amazon(アマゾン)」
- 自社のコンセプトを明確にしている「IKEA(イケア)」
- ターゲット層へのアプローチにSNSを活用「アルプロス」
- 新たな視点からフォロワー数を獲得した「吉野家」
- ロイヤルカスタマー向けにポイントカードを発行する「餃子の王将」
- NPSを活用し顧客の滞在ニーズを把握する「アフラック」
- ロイヤルカスタマーとのつながりに注視した「タカラトミー」
- アプリを活用しターゲットユーザーの最適化を図る「ユニクロ」
事例を参考にして、自社にあった戦略を考案しましょう。
スターを貯めて商品と交換できる「スタバ(スターバックス)」
世界中にショップを持つコーヒーブランドのスターバックスコーヒージャパン(以下スタバ)は、商品購入毎にスターが貯まるシステムを導入しています。
貯めたスターは、商品チケットや限定オリジナルグッズと交換できるのが特徴です。
また、会員ランクに応じた特典も入手できます。
お店ごとにデザインの異なるオリジナルスタンプを集められるほか、利用回数などが一定の条件に達するとメダルの獲得が可能です。
何度も訪れたくなる施策を幅広く実施し、ロイヤルカスタマーを増やしています。
ファンとのコミュニティーサイトを立ち上げた「カゴメ」
日本を代表する食品メーカーカゴメ株式会社は、ファンとつながる取り組みとして「&KAGOME」と呼ばれるコミュニティーサイトを立ち上げました。
&KAGOMEではカゴメ商品の感想を書き込めるスペースや、ユーザー同士が交流できる掲示板といったコンテンツが用意されています。
さらにオリジナルレシピやアレンジ法を投稿できるため、カゴメ商品を使ったレパートリーの幅が広がるのも魅力的なポイントです。
交流の場を通して顧客の声を聞けるため、ロイヤルカスタマーと継続的につながれます。
関連記事:オンラインコミュニティの作り方|各工程でのチェックポイントも解説
分析によりロイヤルカスタマーを増やした「セブン-イレブン」
株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下セブン-イレブン)はアプリを利用し、プロモーション施策を展開しています。
クーポン配布のほか、新商品情報を毎週紹介するなどしてロイヤルカスタマーの集客や購買を促しているのが特徴です。
アプリにより来店客の購買データを収集のうえ分析し、個々に合ったアプローチをしてロイヤルカスタマーの売り上げ拡大につなげています。
さらにアプリではSDGsの取り組みについても、積極的に紹介しているのがセブン-イレブンの魅力です。
人や社会、環境へ配慮した消費行動とされるエシカル消費を意識した新規顧客の開拓につなげています。
ロイヤルカスタマー限定サービスが利用できる「Amazon(アマゾン)」
ECサイトを展開するアマゾンでは、サブスクリプション型サービス「AmazonPrime」でロイヤルカスタマーを増やしています。
prime会員になると、お急ぎ便といった無料配送特典のほかPrimeビデオを利用できるのがアマゾンの特色です。
インターネットショッピング利用者の中で重要視される迅速な配送を可能とするのが、アマゾンならではの魅力になります。
定期的にPrime会員限定のセールを実施して、ロイヤルカスタマーの顧客満足度を高められているのも成功の秘訣でしょう。
自社のコンセプトを明確にしている「IKEA(イケア)」
世界最大の家具メーカーIKEA(イケア)は「より快適な毎日を、より多くの方々に」を定義としてサービスを展開しています。
おしゃれなデザインの商品がお手頃な価格で提供されているほか、アフターサービスの良さを評価されているのが注目ポイントです。
さらに「IKEAFamily」メンバーになると限定価格で商品を購入できるうえ、併設されているレストランをお得に利用できます。
コンセプトが明確化されているため、ターゲットの共感を得やすいのがイケアの魅力といってよいでしょう。
ロイヤルカスタマーの声を聞いて品質向上に努める「チューリッヒ」
保険商品やサービスを世界で幅広く展開しているチューリッヒ保険会社(以下チューリッヒ)は、顧客の声を重視しています。
アンケートや電話などで寄せられた声を集約・分析し、改善に努めているのがポイントです。
公式サイトでは改善事例を紹介し、顧客ロイヤリティを高めています。
顧客対応やwebサイトの利便性といったカスタマーサービスにおいては、第三者機関からも高い評価を得ているのがチューリッヒの魅力です。
2020年にはカスタマーサポート表彰制度にて、特別賞と新型コロナウィルス感染症対策特別賞を受賞しています。
新たな視点からフォロワー数を獲得した「吉野家」
日本を代表する外食チェーンストア吉野家では、Instagramを活用し女性客をターゲットにキャンペーンを企画しました。
冷凍食品「おうち吉野家」シリーズのアレンジレシピが特徴的です。
以前から吉野家の利用者は男性が中心で、女性客の顧客獲得を課題としていました。
そこで女性客を獲得する施策として選んだのが、主婦層の利用率が高いInstagramです。
ターゲットの主婦層へ見事に刺さり、フォロワー数が増え顧客ロイヤリティ向上を目指した施策となっています。
関連記事:【2023年版】インスタグラムを運用して集客するためのコツ10選!
参考:令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
ロイヤルカスタマー向けにポイントカードを発行する「餃子の王将」
中華料理チェーン店の餃子の王将では、ロイヤルカスタマー向けに「ぎょうざ倶楽部」と呼ばれる会員カードを発行しています。
ぎょうざ倶楽部は、集めたスタンプ数に応じて会計が割引されるカードやオリジナルグッズがもらえるキャンペーンです。
スマホアプリでもスタンプは集められますが、あえて会員カードを発行する理由にはほかの顧客との差別化が挙げられます。
レジ前で提示することで、プレミアムカードを持っているという優越感を得られ、顧客のステータスが上がるのもポイントです。
来店頻度の高いロイヤルカスタマーならではの顧客満足度を高められるのが、魅力とされています。
NPSを活用し顧客の滞在ニーズを把握する「アフラック」
2022年時点で、保有契約数2,000万件以上を誇る保険事業のアフラック生命保険会社(以下アフラック)。
アフラックでは、滞在ニーズを把握するためNPS(ネットプロモータースコア)を活用しています。
NPSとは、顧客が企業に対してどれほど愛着を持っているかを調査したうえで数値化し、顧客ロイヤルティを測る指標です。
企業を友人や同僚に勧める可能性を0〜10の11段階のアンケートより取得します。
アフラックでは顧客体験を提供できるよう、NPSを活用し改善活動に努めているのが特徴です。
さらに顧客のニーズを把握し、フィードバックをすることに力を入れました。
結果「NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査2023」の生命保険部門(請求体験調査)にて第1位に選出され、ロイヤルカスタマー育成を成功させています。
ロイヤルカスタマーとのつながりに注視した「タカラトミー」
おもちゃや雑貨などの販売や製造を行う株式会社タカラトミーは、LTV(ライフタイムバリュー)向上のため、LINEアカウントを開設しました。
LTVとは「顧客生涯価値」のことで、顧客が自社と取引を開始してから終了までの期間にどれほど利益をもたらすかを表した数値です。
期間限定のLINEスタンプや、トーク画面下に表示されるリッチメニューを着せ替えできる機能が魅力とされています。
また、LINEアカウントからキャンペーンを実施したところ、SNS上で当選者がハッシュタグをつけて情報を拡散するといった結果をもたらしたそうです。
コミュニケーション施策により、ロイヤルカスタマーの育成戦略に成功した事例となります。
アプリに活用しターゲットユーザーの最適化を図る「ユニクロ」
アプリを駆使してロイヤルカスタマー戦略を成功させているのが、日本のアパレルブランドユニクロです。
アプリではアプリ会員限定価格で購入できるほか、カメラ機能を仕様して体型を計測し、全サイズの着用感を確認できるといったサービスを利用できます。
また、お目当ての商品の在庫がある店舗を見つけられるため、お店へ行ったのに売り切れていたという無駄足を踏まなくて良いのが利点です。
アプリにより足を運びやすくしているのが、ユニクロの良さとされています。
ロイヤルカスタマーの事例から自社事業へ施策を転用する際のポイント
事例をもとに施策を転用しても、自社に合わなければ収益は見込めません。
ロイヤルカスタマーの事例から自社事業へ施策を転用するポイントは以下3つです。
- to Bかto Cかの事業体に注意する
- 採算が取れるかに注意する
- ロイヤルカスタマーが自社に何を求めているかは必ずヒアリングを行う
ポイントを参考に、自社事業のキャンペーンを成功させましょう。
①:to Bかto Cかの事業体に注意する
to Bかto Cか、自社の事業体に気をつけましょう。
一般的に「to B向けキャンペーン」への参加は、「to C向けキャンペーン」よりも参加が少なくなる傾向にあります。
企業の場合、意思決定者まで情報が届かないことが多々あるからです。
また多くの場合、参加までに決裁の時間を要するため、即決ができない場面が多いのも原因のひとつと考えられます。
キャンペーンの参加までに時間がかかることを考慮したうえで、ターゲットに最適な機能や活用方法のサービスを提供するのがよいでしょう。
例えばto B向けの事業体の場合、キャンペーン実施時には下記のような工夫をするのがおすすめです。
- 決済までの時間を考慮しキャンペーン期間を長めに設定する
- 既存ユーザーに対して製品レビューキャンペーンを実施する
製品レビューキャンペーンでは、顧客ロイヤリティ向上だけでなく、商品・サービスの改善にも役立てられます。
②:採算が取れるか注意する
一般企業がAmazonのようなサブスクリプション型サービスを展開すると、採算が合わなくなる可能性もあります。
マーケティング部門がほかの部署を置いて一人で走り出してしまうと、利益率の悪化に結びつく場合があるためです。
また、キャンペーンを取りやめたとしても値段は元に戻しにくいでしょう。
事例を転用するときは自社の利益構造を確認して、問題ない施策を実施するのが重要です。
③:ロイヤルカスタマーが自社に何を求めているかは必ずヒアリングを行う
ロイヤルカスタマーが自社に何を求めているのか、どこに愛着を抱いているのかは企業ごとに異なります。
自社側の視点のみで考えてしまうと、売り手の都合の良いように解釈してしまいがちなので必ず調査するのが大切です。
ロイヤルカスタマーの声をしっかり聞いたうえで施策を転用するのが、成功のポイントとされます。
まとめ
安定的な収益を得るためには、自社に愛着のあるロイヤルカスタマーを増やすことが必要不可欠です。
事例を参考に自社に適したロイヤルカスタマー戦略を立てましょう。
とはいえ、事例を転用するときは事業体に注意するほか、ロイヤルカスタマーが自社に何を求めているのかをヒアリングするのが重要です。
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顧客の声を知り、ブランド価値を高められるようぜひご活用ください。