SNS(ソーシャルメディア)は今やビジネスにおいて欠かせないマーケティングツールです。
しかし、適切に管理・使用できないと「炎上」により企業ブランディングを損なったり、社会問題に発展したりするなど、企業にとって大きな損失に繋がりかねません。
そのため、企業がSNSを利用する際には、適切な運用ルールを把握し、注意深く運営していく必要があります。
本記事では、SNS担当者やマーケティング担当者に向けて、SNS運用ルールについて気をつけるべきポイントをまとめました。
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企業SNS運用ルールの目的と必要性
SNSは企業のブランドイメージや顧客との関係構築に大きな影響を与えます。
効果的に使用することで、ブランディングを確立したり、メッセージ性を高めることにも有効です。
また、適切なコミュニティガイドラインを設けてSNSを利用すれば、社内においてよりコミュニケーションを円滑にでき、社外の顧客やユーザーに対してもクリアな印象を与えられます。
何かトラブルがあった際に、法的なリスクを最小限に抑えることも可能です。これらのメリットから、企業において運用ルールを定める必要があることがお分かりいただけると思います。
関連記事:SNS運用マニュアルの作り方!作成手順や例、運用代行会社も解説
適切にSNS運用ルールを設けないことでおこるリスク
運用ルールを設けずにSNSを使用すると、どのようなリスクが潜んでいるのでしょうか?デメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 炎上トラブルが発生し企業の利益や信用を損なう
- 担当者によりトーン&マナーや対応が変わってしまう
- 投稿の質のばらつきや継続的な投稿が困難になる
炎上トラブルが発生し企業の利益や信用を損なう
炎上とは、特定のユーザーや投稿に対して過度に誹謗中傷が殺到したり、インターネット上で異常なほど議論が加熱してしまうことです。企業アカウントや、企業にまつわる内容の投稿が炎上の対象になってしまうと、利益や信用を損ない、大きな損失に繋がりかねません。
以下の記事では、SNSの炎上について詳しく解説していますので、より理解を深めたい方はチェックしてみてください。
関連記事:企業のSNS炎上対策!事例とともに原因や対応、炎上予防方法を解説
担当者によりトーン&マナーや対応が変わってしまう
トンマナとは、「トーン&マナー(tone and manner)」を略した広告業界の用語です。
最近では、デザイン業界やWeb業界でも広く用いられるようになりました。トーンは「調子(色調や音調、口調や語調)」のことで、マナーとは「作法」のことです。
つまり、SNSにおけるトンマナとは、コンテンツの語調を統一したり、色味や画像の一貫性を揃えたりすることを意味します。
SNS運用ルールが定まっていないと、運用担当者が変わる度にトンマナが崩れたり、ユーザーへの対応が変わってしまう恐れがありますので気をつけましょう。
投稿の質のばらつきや継続的な投稿が困難になる
投稿の質や投稿頻度などにばらつきが出ると、企業ブランディングが崩れるリスクがあります。トンマナだけでなく、投稿頻度や時間帯などにもルールを設けると良いでしょう。これにより、イメージの一貫性が保てるだけでなく、担当者の継続的な投稿・運用も促進できます。
SNS運用ルール3つの種類
では、具体的に企業が設定すべきSNS運用ルールには、どのようなものがあるのでしょうか?以下の3つについて解説していきます。
- 社内用:「ソーシャルメディアガイドライン」
- 社外用:「ソーシャルメディアポリシー」
- 個人向け:「コミュニティガイドライン」
社内用:「ソーシャルメディアガイドライン」
ソーシャルメディアガイドラインとは、従業員や運用関係者がSNS(ソーシャルメディア)を使用する際に守るべきルールや指針を明確にしたものです。
組織のブランドイメージを保護し、一貫性を持ったコンテンツを発信することを目的としています。コンプライアンス、セキュリティ、プライバシーに関する指針もここに含まれます。
社外用:「ソーシャルメディアポリシー」
ソーシャルメディアポリシーは、社外に向けて公開されるガイドラインのことです。
一般のユーザーや顧客に向けて、組織あるいは企業がソーシャルメディアをどのように運用し、コミュニケーションするかを示します。
具体的には、アカウントの運用方針やコンテンツの種類、コミュニケーションの方法などを明記します。ユーザーに対して、ブランドの価値観や理念を伝え、コミュニケーションを円滑にすることを目的としています。顧客との信頼関係を築くためにも有効です。
個人向け:「コミュニティガイドライン」
コミュニティガイドラインは、SNSプラットフォームの運営者やオーナーがコミュニティメンバーに対して定める規約のことです。
例えば、差別的な発言を禁止するような免責事項や禁止事項など、個人に対する行動規範が定められています。これにより、ユーザー間の関わりを円滑にし、コミュニティ全体の質を向上させることも可能です。
企業がSNS運用ガイドライン策定にすべき10項目
実際にガイドラインを策定する際に盛り込むべき内容をご紹介します。今回は、企業内での運用に焦点を置き、社内向けガイドラインとして重要な以下の10項目についてまとめました。
- 個人情報保護とプライバシー
- 機密情報
- 著作権と知的財産権
- 商標の使用回避
- 誹謗中傷の禁止
- 不正行為の禁止
- 不明確な情報発信の禁止
- 責任の明確化
- 悪質なソフトウェア・ツールの制限
- SNS(Twitter・Instagramなど)への理解
1.個人情報保護とプライバシー
SNSの運用においては、ユーザーや顧客の個人情報の取り扱い、プライバシーや権利の保護が重要です。最新の個人情報保護法の改訂をチェックし、法令に準じた方針を策定する必要があります。
2.機密情報
企業の内部情報や顧客情報は、絶対に漏洩を避けたいものです。
適切な情報管理のためのガイドラインを作成し、機密情報についての社内での取り扱いを共有したり、社内教育を行ったりすることで、不適切な情報開示を防ぎましょう。
3.著作権と知的財産権
「著作権」とは、創作された著作物に対して適用される権利のことです。以下のような
- 文章
- 写真
- 音楽
- 映像
などのオリジナル作品が著作権の対象であり、他者がこれらの作品を利用する際には、権限を確認し引用ルールを守らなければなりません。
一方「知的財産権」は、著作権を含む広い範囲の概念で、新しいアイディアやデザインなどの知的な創造物に適用され、特許や商標といった産業財産権もここに含まれます。
4.商標の使用回避
特許庁が定めている産業財産権のうちの1つに「商標権」があります。
商標とは、企業や個人が提供する商品やサービスを識別するための特定の記号・デザインなどのことで、オリジナル製作者によって登録されている識別標識のことです。
他社の商標やロゴを無断で使用する行為は法的な問題を招く可能性があるため、引用する際のルールや正確な表記について確認するよう社内で共有しましょう。
5.誹謗中傷の禁止
誹謗中傷や悪質な発言は、企業の信頼を失ったり炎上に発展したりする恐れがあるため、禁止すべきです。適切な対応方針やユーザーコミュニケーションのガイドラインを設けることで、トラブルを未然に防げます。
6.不正行為の禁止
企業のSNS運用において、偽装行為(やらせ)や詐欺行為、ステルスマーケティングといった不誠実な行為は許されません。
企業の信頼や品位を損ないかねないためにも、運用方針を明確に策定し、遵守を徹底する必要があります。
7.不明確な情報発信の禁止
情報の信頼性は企業のブランドイメージに大きく影響します。情報発信の基準となるガイドラインを策定し、真偽が確認できない情報や誤った情報をSNS上で発信することは避けましょう。
8.責任の明確化
トラブルが発生した際、スムーズに対応するために、アカウント運営者の責任範囲を明示しておく必要があります。
問題発生時の連絡先や問い合わせ手段をあらかじめ取り決めておき、ユーザーとの円滑なコミュニケーションを図りましょう。
9.悪質なソフトウェア・ツールの制限
不正な自動化ツールやスパムソフトウェアの使用を禁じ、その運用ポリシーを明確にすることで、自然的かつ機能的なユーザーエンゲージメントを高められます。ユーザー間の公平性や安心を保つことにも有効です。
10.SNS(Twitter・Instagramなど)への理解
SNSは、迅速な拡散力や強い影響力を持つため、成功すれば話題に上り多くの注目を集められます。
しかし、その反面で「炎上」や「デジタルタトゥー」として半永久的に情報が存続し、拡散された情報のイメージがそのまま企業イメージとして確立されてしまう可能性も否めません。
一度世に放たれた情報を完全に回収・削除したり、人々に残る記憶を修復したりすることは、ほぼ不可能に近いことです。使用するSNSプラットフォームの特性をきちんと理解し、持続可能なSNS運用ができるようガイドラインを策定しましょう。
まとめ
今回は、企業のSNS運用ルールを設ける必要性と気をつけるポイントについてまとめました。正しく活用することで、企業にとって価値あるツールとしてSNSを味方につけたいですよね。もし企業のSNS運用についてお困りごとがある際は、弊社へご相談ください。
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