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顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違いや成功事例を紹介

2023年03月28日

顧客ロイヤルティは、顧客と長期的に良好な関係を築き、売上を伸ばすためのマーケティング施策を考えるうえで非常に重要なポイントです。 本記事では顧客ロイヤルティの定義や顧客ロイヤルティを高めるためのポイン […]

顧客ロイヤルティは、顧客と長期的に良好な関係を築き、売上を伸ばすためのマーケティング施策を考えるうえで非常に重要なポイントです。

本記事では顧客ロイヤルティの定義や顧客ロイヤルティを高めるためのポイントを紹介します。

この記事のまとめ


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顧客ロイヤルティとは?

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業や製品、サービスに対して愛着や信頼を感じることです。

ロイヤルティが高い顧客ほど、自社の製品やサービスを継続的に購入し、周囲の知人・友人に勧めてくれる傾向にあります。

また、ロイヤルティが高い顧客を「ロイヤルカスタマー」と呼びます。

顧客ロイヤルティと顧客満足度の違い

顧客ロイヤルティと顧客満足度(CS)は、混同されがちな概念です。

ロイヤルティは「顧客が企業や製品に対して信頼や愛着を感じているか」を測る概念です。

その一方で、顧客満足度は「顧客が企業や製品に対して満足しているか」で測られます。

そのため、顧客ロイヤルティと顧客満足度は両者とも、その企業や製品に対しての評価を測る概念です。

しかし、顧客満足度が高いからといって、必ずしもロイヤルティが高いとは言えません。

ロイヤルカスタマーと優良顧客との違い

ロイヤルティが高い顧客をロイヤルカスタマーと呼びますが、優良顧客とは似て非なるものです。

ロイヤルカスタマーとは、製品やサービスを継続的に購入・利用し、企業に対する貢献度が高く、愛着や信頼を寄せている顧客を指します。

そのため、簡単には他社へ乗り換えをしません。

一方で、優良顧客は、製品やサービスを継続的に購入・利用し、企業に対する貢献度が高い顧客を指します。

優良顧客であるかどうかは、企業と顧客との関係性は問わないため、他社への乗り換えも簡単にされてしまう可能性があります。

ロイヤルカスタマーと優良顧客の違いは、顧客がその企業や製品に信頼や愛着を持っているかの関係性にあります。

顧客ロイヤルティを高めるメリット

以上のことからも分かるように、顧客ロイヤルティを高めることは企業の売上に大きく貢献します。

顧客ロイヤルティを高めることで、下記のメリットがあります。

  • LTVの向上につながる
  • 客単価UPが見込める
  • 口コミでの拡散や紹介で新規顧客の獲得につながる

LTVの向上につながる

顧客ロイヤルティを高めることで、LTV(Life Time Value)の向上につながります。

LTVとは「顧客生涯価値」と訳され、1人の顧客が、1つの企業やブランドと取引を始めてから、終わるまでの時間でどれだけの利益をもたらしたかを測る指標です。

企業の製品やサービスを継続的に購入・利用してくれ、他社へ乗り換えるリスクも少ない、ロイヤルティの高い顧客ほどLTVが高い傾向になります。

また、LTVの高い顧客はリピート率が高く、解約率も低い傾向にあるため、LTVの高いロイヤルカスタマーが増えるほど、企業の売上は安定するともいえます。

客単価UPが見込める

ロイヤルティの高い顧客ほど、利用単価が高い傾向にあります。

年間の利用金額だけでなく、1回あたりの利用金額も大きい傾向にあります。

実際に、あるアパレルブランドを調査したところ、ロイヤルティの高い顧客はロイヤルティの低い顧客に比べて、1.3倍の購入単価でした。

また、チューリッヒ保険のケーススタディでは、顧客ロイヤルティの高い顧客は低い顧客に比べて、27%も購入単価が高いと判明しました。

これらの事例からもわかるように、顧客ロイヤルティは客単価と相関関係にあることがわかります。

客単価のアップや自社製品の付加価値を感じてもらうためのマーケティング手法で「ブランディング」や「ストーリーブランディング」が挙げられます。

ブランディングを活用することで企業や製品独自の価値を創出し、類似商品との差別化を図れます。

関連記事:「 【わかりやすく】ブランディングとは?TwitterなどSNSに使えるブランディングの方法や使い方の基礎を徹底解説!

関連記事:「【事例紹介】ストーリーブランディングとは?現代のマーケティングで必須の戦略をわかりやすく紹介!

口コミでの拡散や紹介で新規顧客の獲得につながる

ロイヤルティの高い顧客ほど、SNSや口コミなどでの情報発信を自発的に行ってくれる傾向にあるため、新規顧客の獲得にも貢献してくれます。

知人・友人からの紹介やおすすめは、企業が発信する情報よりも信頼しやすく、キャンペーンなどの広告では反応をしなかった顧客層の獲得にもつながります。

そのため、企業にとっては、低コストで新規顧客を獲得できるというメリットがあります。

顧客ロイヤルティを向上させるマーケティング手法は?

それでは実際に、顧客ロイヤルティを向上させるマーケティング手法を紹介します。

顧客ロイヤルティを向上させるマーケティング手法として、製品やサービスのファンを作り、拡大していく「ファンマーケティング」というマーケティング手法もあります。

関連記事:「ファンマーケティングとは?SNSによるコミュニケーション戦略のこれから|実践している成功企業例も紹介!

これらのマーケティング手法を設計する際の具体的な手順は下記のとおりです。

  1. アンケート等による「お客様の声」の回収
  2. 現状を把握してKPI指標を定める
  3. NPS®の数値を把握して施策に反映する
  4. CX(顧客体験)を設計する
  5. 効果を検証する

アンケート等による「お客様の声」の回収

顧客ロイヤルティを向上させるには、ロイヤルティを数値化するための指標を取得する必要があります。

ロイヤルティを数値化するための指標をアンケートなどのさまざまな手法で取得しましょう。

アンケート等の設問はできるかぎりシンプルにし、より多くのお客様の声を集めることが重要です。

会員登録や、公式ライン、アプリなどで個人を識別できる形にし、データを収集できるようにすると、より今後の活用の幅が広がります。

ロイヤルティを数値化する代表的な指標にNPS®(ネット・プロモーター・スコア)があります。

NPS®については後述します。

NPS®の数値を把握する

顧客のロイヤルティを測る指標としてNPS®(ネット・プロモーター・スコア)という非常に重要な指標があります。

NPS®とは、顧客の企業に対する信頼度や愛着を数値化するための指標です。

NPS®を計測する際は、「あなたは◯◯(自社の製品・サービス)をどの程度、友人・知人にすすめたいと思いますか?」のような設問を用意し、0〜10点で評価してもらいます。

その後、設問の回答者を下記のように分類します。

  • 0〜6点を付けた人:批判者
  • 7・8点を付けた人:中立者
  • 9・10点を付けた人:推奨者

「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値がNPS®です。

▼推奨者が40%、批判者が30%だった際のNPS®の例

推奨者が40%、批判者が30%だった際のNPSの例

現状を把握してKPI指標を定める

次に、アンケート等で取得したお客様の声をもとに、KPI指標を決めます。

KPIに設定する指標は企業の収益向上に繋がるものを設定します。

回収したお客様の声を数値化し、その理由に関連するものを指標として設定しましょう。

どの指標をどの程度改善するのか、ターゲットとなる属性にリーチできているのかを枚角にする必要があります。

KPIを設定する際は、基本的には定量的な指標で把握し、定量的なものは補足情報としていつでも確認できるようにしておくことが重要です

関連記事:ファンマーケティングにおけるKPIの設定方法は?ポイントや設定例も解説

CX(顧客体験)を設計する

KIP指標を定めたら、定めたKPI指標を達成するためのCX(顧客体験)を設計します。

CXを設計する際はペルソナやカスタマージャーニーなども加味したうえで、自社と顧客との接点を創出します。

具体的なCXは、収集したアンケートデータやお客様の声、市場調査のデータなどから効果的なものを考えることが重要です。

設計したCXにはどのような人やモノ、情報が必要なのか、その体験をした顧客はどのような感情になるのかを考えながらCXの設計をする必要があります。

効果を検証する

CXを設計し実行した後には、必ず効果を検証するようにしましょう。

意図したとおりにKPI指標に改善が見られるのか、お客様の声には変化があったのか、などを継続的に検証し、次のCX設計に活かす事が重要です。

このようにPDCAを回していきながら、徐々に顧客ロイヤルティを高めていきます。

関連記事:ロイヤルカスタマーの育成を支援するツールとは?おすすめツール7選も紹介

顧客ロイヤルティ向上の成功事例を紹介

本記事では顧客ロイヤルティを高めることで、企業の売上や収益性に大きな影響をもたらすことを解説してきました。

では、実際に顧客ロイヤリティを向上させ、売上や収益性を伸ばした成功事例を3つ、紹介します。

  • チューリッヒグループ
  • Airbnb(エアビーアンドビー)
  • 星野リゾート

チューリッヒグループ

チューリッヒグループは、世界的に損害保険や生命保険を提供しているグローバルな企業です。

チューリッヒグループでは、顧客ロイヤルティを改善したことが一因となり、事業成長を実現しました。

チューリッヒグループでは、継続的に市場調査を行っていましたが、NPS®を指標として導入しました。

実際に、さまざまな方法で顧客の声を集めて分析し、優先度を設定して改善に取り組むことで、NPS®が20%も改善されました。

また、ロイヤルティが高い顧客は、低い顧客と比べ、27%も多く利益に貢献し、12ヵ月以内に解約する率が1/5であることが判明しました。

Airbnb(エアビーアンドビー)

Airbnb(エアビーアンドビー)は空き家を貸したい人と借りたい人をつなげる民泊事業を行っています。

Airbnb では紹介による利用が多いため、約60万人のユーザーのNPS®を調査したところ、批判者は2%と非常に低い数値であり、サービス利用後にレビューを書いた顧客は、リピート率が高めであると判明しました。

星野リゾート

日本各地でリゾートの開発やホテル事業をおこなっている星野リゾートはロイヤルティの高い顧客の分析を詳細におこなっています。

実際にロイヤリティの高い顧客の声が、ごく少数意見であっても、反映を検討しています。

それによって、リピート率の向上やシェアの確保が実現でき、企業の収益が安定していると星野佳路社長は述べています。

まとめ

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業や製品、サービスに対して愛着や信頼を感じることを指し、企業の収益性を大きく左右します。

顧客ロイヤルティを高めるためには、お客様の声やNPS®を把握し、適切なCXを設計する必要があり、時間を要するため、簡単なことではありません。

しかし、顧客ロイヤルティを高めることでLTVの向上につながったり、客単価UPが見込めたりするため、積極的に顧客ロイヤルティを高める施策を検討していくことが重要です。

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