商品の購入を後押しするきっかけのひとつとなる『口コミ』を活用するマーケティング手法が、クチコミマーケティングです。
購入者のリアルな感想がわかるクチコミマーケティングをうまく利用することで、購入意欲の促進や自社商品の認知を高められます。
本記事では、クチコミマーケティングの代表的な拡散方法を7つご紹介します。自社商品やサービスの認知向上につなげられるよう手法を知り、戦略を練りましょう。
クチコミマーケティングの代表的な拡散方法7選
クチコミマーケティングで口コミを拡散する代表的な手法は、主に7つあります。
- SNS | 情報が拡散されやすいキャンペーンを実施できる
- ファンコミュニティ | 交流の活性化によりポジティブな口コミが増える
- インフルエンサー | 影響力が強いためユーザーの購買意欲を促進できる
- カスタマーレビュー | 商品やサービスの使用感を投稿してもらえる
- モニター施策 | 自社に興味を持つユーザーからの投稿数を集められる
- UGC | 二次活用して施策のパフォーマンス向上を図れる
- 紹介制度 | コアなファンからの紹介により信頼性を高められる
自社に合った拡散方法で、認知度を上げましょう。
1.SNS | 情報が拡散されやすいキャンペーンを実施できる
クチコミマーケティングの代表的な手法のひとつがSNSの活用です。X(旧Twitter)やInstagramといったSNSには、ハッシュタグやリツイート機能があるため情報の拡散を促せます。
たとえば、クチコミ投稿や拡散してくれたユーザーには、クーポンの配布もしくはプレゼント企画といったキャンペーンの実施が有効です。ユニークな企画であればインターネット上で話題になり、大きな反響を呼べるのもSNSの特性となります。
2.ファンコミュニティ | 交流の活性化によりポジティブな口コミが増える
企業とファン、または自社のファン同士が交流するファンコミュニティを活性化させるのも、クチコミマーケティング手法のひとつとなります。コミュニティが活発になるとコアなファンが増え、ポジティブな口コミが拡散されやすくなるのも利点です。
ファンコミュニティに参加するユーザーは同じ趣味を持つ仲間とのつながりを求めている傾向があります。
そのため交流の場を設けるほか、自社商品を用いたコンテストやオンラインイベントといった企画を立てるのがおすすめです。
関連記事:ファンコミュニティとは?導入するメリットと成功事例をご紹介
3.インフルエンサー | 影響力が強いためユーザーの購買意欲を促進できる
影響力を持つインフルエンサーに自社商品のクチコミを発信してもらうのも、有効な方法です。
ファンから大きな支持を得ているインフルエンサーが紹介していたというだけでも、大きな注目を集められるメリットがあります。
インフルエンサーを起用するときは、自社のターゲット層に合う人物を選定するのがポイントです。特定の分野に関心を持つユーザーの購買意欲を高めるきっかけにもつながるでしょう。
4.カスタマーレビュー | 商品やサービスの使用感を投稿してもらえる
自社商品を購入したユーザーに、感想や使用感などを投稿してもらう手法がカスタマーレビューです。主にECサイトが活用している方法で、購入者の口コミにより商品を検討している方の購買意欲を促進できます。
口コミを促すには、ツールの利用やレビュー投稿してもらうようメールを送信する、もしくは書き込んだ方にクーポン配布といった方法が有効です。
購入者からのレビューは、自社商品やサービスの改善向上にも役立ちます。
5.モニター施策 | 自社に興味を持つユーザーからの投稿数を集められる
SNSやオウンドメディアからモニターを募集し、商品の使用感をクチコミ投稿してもらう方法です。
モニター募集の場合、事前に商品の使用感や感想を投稿してもらうことを条件にしていれば、投稿数を集めやすくなります。
また、ハッシュタグ機能などをつけてSNSに投稿してもらうと、不特定多数の人の目に留まるでしょう。
ただし、ターゲットのニーズに合った魅力的な商品でないとポジティブな口コミを獲得しにくいので注意してください。
6.UGC | 二次活用して施策のパフォーマンス向上を図れる
UGCとはSNSやブログ、動画などユーザーが作成したコンテンツのことです。サービスや商品を購入する際、利用者の口コミから情報を収集するユーザーは増えています。
自社サイトやEC、広告などでUGCを二次活用することで、ユーザーの信頼性を高められるため購買意欲の促進が可能です。
また、購入者のリアルな口コミを手に入れられるほか、情報収集やコンテンツ制作時間、コストを抑えられるといったメリットがあります。
参考記事:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「口コミサイト・ インフルエンサーマーケティング に関するアンケート結果」
関連記事:UGCとは何か?ユーザー生成コンテンツが重要な理由と施策のヒント – ペンギン
7.紹介制度 | コアなファンからの紹介により信頼性を高められる
迅速にクチコミを拡散させたいときは、紹介制度の利用も効果的です。紹介にはSNSといったデジタルツールが利用されているため、対面せずとも紹介やクチコミが広がります。
購入に悩んでいる場合、利用者や知人、友人の意見であれば耳を傾けやすいのも紹介制度の特徴です。
紹介キャンペーンを実施することで、ユーザーは積極的に自社のサービスや商品の情報をまわりに拡散をしてくれるでしょう。
クチコミマーケティングを成功させる3つの戦略
クチコミマーケティングを成功させるポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 口コミの重要性を高められる企画や設計をする
- ファンと積極的に交流する
- 口コミが集まりやすい環境を整える
口コミのメリットを活かし、ユーザーの購入意欲を促進させるきっかけにつなげましょう。
1.口コミの重要性を高められる企画や設計をする
ユーザーが思わず情報を広げたくなるような企画や設計をするのが大切です。口コミには、下記の心理効果が働きます。
心理効果 | 心理現象 |
ウィンザー効果 | 第三者からの情報提供により信頼性が高まる心理現象 |
バンドワゴン効果 | 流行や評判から注目され、人々が便乗する心理現象 |
ハロー効果 | 一部の特徴が全体の評価となる心理現象 |
インターネットの普及にともない、クチコミは購入検討に大きな影響を与えています。そのため、インパクトのある仕組みを構築するのがクチコミマーケティングを成功させるポイントです。
2.ファンと積極的に交流する
クチコミを積極的に投稿してもらうためには、ファンとのコミュニケーションが欠かせません。交流により自社ブランドに対して愛着が生まれ、ユーザーが自発的に企業の魅力を広めてくれるためです。
ファンコミュニティの活用やイベント開催など、積極的にファンとつながることでロイヤルカスタマーが増えていきます。自社が寄り添う姿勢を見せることで、認知向上だけでなく好印象を与えられるでしょう。
関連記事:ロイヤルカスタマー戦略とは?重要性や具体事例、ロイヤルカスタマー戦略を始めるための4stepを解説
3.口コミが集まりやすい環境を整える
口コミ投稿しやすい工夫をするのが口コミマーケティング成功の秘訣です。企業から言われたから投稿するのではなく、ユーザーが自発的に口コミを広げるのが理想の形となります。
口コミが集まる環境作りの例は、以下の通りです。
- ハッシュタグなど条件を設定しすぎないよう注意する
- 投稿内容を限定しすぎないようにする
- 口コミ投稿したユーザーに特典を付与する
- わかりやすい投稿フォームを作成する
気軽に投稿できるよう、動線を作りましょう。
クチコミマーケティングを実施する際に気をつけるべき点
クチコミマーケティングを活用するときの注意点をご紹介します。
- ステマ対策
- 会社が口コミ内容を言い換えさせるといった違法行為
- 無断での二次使用
- マイナスな口コミに対するガイドライン制定
自社のイメージダウンにつながらないよう、事前に対策するのが重要です。
ステマ対策
ステルスマーケティング(以下ステマ)とは、広告であることを消費者に伏せた状態で実施するマーケティングです。
2023年10月よりステマは景品表示法第5条第3号に基づく告示が指定されたため、口コミ投稿を依頼する場合は注意しなければなりません。
ユーザーが自ら投稿した口コミは広告に該当しませんが、下記の場合は広告とみなされます。
- インフルエンサーに商品を提供して口コミ投稿してもらう場合
- 第三者に報酬を渡し自社商品に対して高評価の口コミ投稿をしてもらう場合
- 事業者が第三者になりすまして口コミ投稿する場合
違反した場合は措置命令が出るため、ユーザーに誤解されないよう投稿や口コミ依頼には気をつけましょう。
関連記事:口コミマーケティングとは?|口コミマーケティングのメリットとデメリット、成功例と失敗事例を紹介
会社が口コミ内容を言い換えさせるといった違法行為
ユーザーが投稿する際、口コミ内容を言い換えさせたり、強制したりする行為は違反行為に該当する恐れがあります。口コミとは、ユーザーが商品やサービスを実際に使用して自発的に投稿するものです。
企業側から内容を押しつけられた場合、ユーザーにネガティブなイメージを与えかねません。万が一、企業側に言われたといった内容をSNSで投稿された場合、イメージ悪化につながりますので注意してください。
無断での二次使用
ユーザーの口コミを二次活用するときは、事前に承認を得ましょう。無断で使用した場合、イメージが悪くなるのに加えて「勝手に使用された」といった情報拡散のリスクが生じます。
また、医薬品や化粧品などの広告には薬機法などの法律が絡んでくるため、投稿内容が違反していないかチェックしなければなりません。万が一、違反した状態で二次使用すると、企業側が法律上の責任を負います。
自社のオウンドメディアやSNSにユーザーの口コミを掲載するときは、著作権や肖像権などの確認も怠らないようにしましょう。
マイナスな口コミに対するガイドライン制定
口コミは必ずしもポジティブな内容ばかりではありません。ネガティブな口コミが投稿された場合に迅速な対応ができるよう、ガイドラインを制定しておくことが重要です。
デマであってもマイナスな意見を放置すると炎上やトラブルにつながるため、スピード感のある対策をとる必要があります。投稿者への誠実な対応や改善策など、事前にルールを設けましょう。
関連記事:企業のSNS炎上対策!事例とともに原因や対応、炎上予防方法を解説
まとめ:クチコミマーケティングには拡散しやすいSNSやファンコミュニティを活用しよう
SNSやカスタマーレビューなど、クチコミマーケティングにはさまざまな手法があります。口コミを投稿してもらうためにはユニークな企画を立てるほか、ファンと交流し自社に愛着を持ってもらうのがポイントです。
弊社kazeniwaのファンコミュニティ「DISCO」では、ファンとの交流はもちろん、コミュニティ分析によるファン行動の可視化も可能です。
ファンの行動がわかればよりニーズを捉えたファン同士がつながる場を設けられるため、自社にポジティブな口コミが拡散されやすくなります。コミュニティを活性化するための企画や運営についても依頼可能なので、お気軽にご相談ください。