ソーシャルコミュニティマーケティングとは、コミュニティを通じて、企業が顧客と直接対話し、信頼関係を築いていくマーケティング手法です。
ソーシャルコミュニティマーケティングが注目された背景には、SNSなどのソーシャルメディアが広く普及したことがあります。
従来のマーケティングの弱点を補うことを目的として、ソーシャルコミュニティマーケティングという手法が考えられたのです。
本記事では、ソーシャルコミュニティマーケティングの意味や目的、実施するメリットを解説します。
実践する際のポイントについても解説しているため、自社のマーケティング施策に活用したい方は参考にしてください。
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ソーシャルコミュニティマーケティングとは
ソーシャルコミュニティマーケティングとは、企業とユーザーが作り上げるコミュニティを活用したマーケティング手法です。
ソーシャルコミュニティは日本語で「社交的な集まり」を意味しています。
また社交的には、「人々との付き合いに積極的なさま」という意味があります。
つまりソーシャルコミュニティとは、つながりを求めるユーザー同士で作り上げた社交的な集団です。
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、企業がコミュニティを通じて、顧客と直接対話し、信頼関係を築いていきます。
ユーザーと企業が共にコミュニティを形成することで、双方のコミュニケーションが成り立つため、顧客との良質な関係をもとにしたマーケティングが行えます。
ソーシャルコミュニティマーケティングが注目された背景
ソーシャルマーケティングが注目された背景には、マスマーケティングの失速が影響しています。
マスマーケティングとは、テレビCMや看板広告などを利用して、不特定多数のユーザーへアプローチする手法のことです。
インターネットの普及により、2004年時点でインターネット広告費がラジオ広告費を上回りました。
そのため企業はより効果的なアプローチを行うために、メールや掲示板などを活用した「One to Oneマーケティング」と呼ばれる手法に注目しました。
しかし迷惑メールや掲示板の荒らし問題により、想定していた成果を得られなかったのです。
このような背景から、One to Oneマーケティングの弱点を補う手法として、ソーシャルコミュニティマーケティングが実施されるようになりました。
ソーシャルコミュニティマーケティングの目的
ソーシャルコミュニティマーケティングの目的は、ユーザーとの良質な関係をもとにしたマーケティングを行うことです。
企業とユーザーが双方向のコミュニケーションを取ることで、顧客の企業に対する愛着心を高められます。
ソーシャルコミュニティには、企業の商品・サービスに興味を持つユーザーが多く集まります。
そのため、企業とユーザーが積極的に交流することで得られるものが多いのです。
また、横のつながりにより、顧客体験価値の向上も見込めます。
顧客は企業に対して、気になっている商品・サービスのことを直接聞けるため、個人で調べる場合よりも喜びやワクワクといった心理的価値を感じやすくなるでしょう。
関連記事: 顧客体験価値とは?得られる効果や必要な要素、向上方法をわかりやすく解説
ソーシャルコミュニティマーケティングと従来のマーケティングの違い
従来のマーケティング(マスマーケティング)との違いは、下表の通りです。
ソーシャルコミュニティマーケティング | マスマーケティング | |
ターゲット | 自社に興味・関心を持つユーザー | 不特定多数のユーザー |
目的 | ファンコミュニティを形成し、売上向上を図る | 不特定多数の人に商品・サービスを購入してもらう |
売上の安定性 | 中長期的な安定 | 不安定 |
ターゲットとの交流方法 | 企業とユーザー双方向のコミュニケーション | 企業の一方的な発信 |
マーケティング戦略のポイント | ユーザーの質 | ユーザーの量 |
ユーザーへのアプローチ方法 | ユーザーによる口コミ・紹介 | 企業のプロモーション活動 |
ユーザーへの提供価値 | 顧客体験価値 | 機能的価値 |
ユーザーと企業の関係性 | 愛着心の高いファン | 購入先 |
ソーシャルコミュニティには、愛着心の高いファンが参加しています。
そのため従来のマーケティングとは異なり、中長期的な売上の安定も期待できます。
ソーシャルコミュニティマーケティングのメリット
ソーシャルコミュニティマーケティングのメリットは、以下の3つです。
- 顧客ロイヤルティの向上が期待できる
- 良質なコミュニティを形成できる
- 運営コストを抑えられる
顧客ロイヤルティの向上が期待できる
顧客ロイヤルティとは、ユーザーが自社の商品・サービスに対して抱く信頼感や愛着のことです。
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、企業と顧客が積極的に交流するため、顧客ロイヤルティの向上が期待できます。
顧客ロイヤルティーが向上すると、ユーザーは友人や知人に自社商品・サービスを積極的に紹介してくれる傾向があります。
ロイヤルティーの高いユーザーは、良質なユーザーを連れてきてくれるため、新規顧客の獲得も期待できるでしょう。
関連記事:ロイヤリティとは?ロイヤルティとの違いとマーケティングにおける意味をわかりやすく解説
良質なコミュニティを形成できる
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、良質なユーザーが集まるコミュニティを形成できます。
コミュニティを通じて企業と顧客が横でつながることにより、ユーザー同士の絆を強められるからです。
質の高いコミュニティを作るためには、以下の要素が重要です。
- ありのままの自分を受け入れてくれる雰囲気
- 積極的に発信できる心理的安全性の高い空間
- 同じ興味や関心を持つユーザーとのつながり
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、居心地のよい空間を提供することが重要です。
居心地のよい空間を形成できると顧客ロイヤルティが向上するため、さらなるコミュニティーの発展が期待できます。
運営コストを抑えられる
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、ユーザーによる口コミや紹介が主なアプローチ方法です。
主な運営コストはコミュニティの維持・管理費用のみのため、他のマーケティング手法と比較して、運営コストを抑えられるメリットがあります。
良質なユーザーが多く集まれば自社の魅力を拡散してくれるため、最小限の広告費用で効果的なアプローチが行えるでしょう。
ソーシャルコミュニティマーケティングの実践ポイント
ソーシャルコミュニティマーケティングの実践ポイントは、以下の3つです。
- 目的とビジョンを明確にする
- ユーザーに集客してもらう
- ユーザーの数より質を優先する
目的とビジョンを明確にする
ソーシャルコミュニティを運営する際は、目的やゴールへ向けたビジョンを明確にしておきましょう。
コミュニティの目的が明確でないと、メンバーから共感を得られないからです。
例えば「料理のコミュ二ティ」だけでは「作るのか」「食べるのか」といった疑問を抱きます。
しかし「節約レシピを紹介するコミュニティ」だと目的が明確なため、共感するメンバー同士が集まり、コミュニティの熱量が高まりやすくなるのです。
コミュニティの方向性や目的を明確にして、メンバーが同じ視点で交流できるようにしましょう。
ユーザーに集客してもらう
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、ユーザーに集客してもらうことを意識しましょう。
自社で集客する場合はやり取りが一方的になり、アプローチの効果が薄れてしまうからです。
ただし、メンバーが少ないうちは企業がユーザーを集めなければなりません。
企業がユーザーを集める方法は、以下の通りです。
- 自社商品やサービスの利用経験があるすべてのユーザーにメール・DM配信
- 自社のホームページやSNSで不特定多数の人に発信
ユーザーに集客してもらうためには、居心地のよいコミュニティを保つ工夫が必要です。
自社の商品・サービスをメンバーが口コミで伝えたくなるよう、高い熱量を持ったユーザーを集めましょう。
ユーザーの数より質を優先する
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、ユーザーの数より質を重視しましょう。
自社へ興味・関心のないユーザーがコミュニティへ参加していると、既存ユーザーの熱量が下がってしまうからです。
一方で良質なユーザーが集まるとコミュニケーションが活発になり、コミュニティが盛り上がりを見せます。
良質なユーザーを探す際は、以下の基準をもとにすると良いでしょう。
- 自社に愛着がある
- 自社の商品やサービスに愛着がある
- 自社商品やサービスの改善・向上を期待している
- 自社商品やサービスをほかのユーザーに紹介してくれる
コミュニティ活性化にはファンの質が重要
ソーシャルコミュニティマーケティングでは、マスマーケティングのように宣伝広告費をかけずに質のよいユーザーを集められます。
質のよいユーザーを集めるためには、顧客ロイヤルティを高めるコミュニティ運営がポイントです。
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