CACは、新規顧客獲得にかかるコストを計測する際に用いる指標です。
新規顧客の獲得にどれだけのコストがかかっているか把握できれば、適切なマーケティング戦略を立てられます。
既存顧客に比べて新規顧客の獲得はコストがかかるため、費用対効果を高めるためにもCACの把握が重要です。
本記事では、CACの定義や重要性を解説します。
CACを下げる方法も紹介しますので、コストを抑えて自社の利益改善につなげたい方は参考にしてください。
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CAC(顧客獲得コスト)とは|新規顧客を1人獲得するのにかかる費用
CACは「Customer Acquisition Cost」の略称で、顧客獲得コストを意味します。
利益向上にはコストを抑えて新規顧客を獲得することが重要なため、CACを考慮してマーケティング戦略を立てる必要があります。
CACが高い場合は新規顧客獲得にコストが多くかかっており、自社の利益率を下げる要因になりかねません。
CACを算出し、マーケティング施策の見直しを行いましょう。
CPAとの違いは対象となるコストの範囲
CACとCPAはいずれも顧客獲得コストを意味するマーケティング用語ですが、対象となるコストの範囲が異なります。
対象となるコストの範囲は、以下のとおりです。
CAC(Customer Acquisition Cost) | 新規顧客1人の獲得にかかったすべてのコスト |
CPA(Cost Per ActionもしくはCost Per Acquisition) | コンバージョン1件の獲得にかかったコスト |
コンバージョンとは、顧客が起こしたアクションを指します。
たとえば、自社サイトを運営する目的が資料請求の場合、顧客が資料請求を行えばコンバージョン1件獲得となります。
CACとCPAはコストの対象範囲に違いがあるため、用途にあわせて使い分けると顧客獲得単価を見直せます。
CACは既存顧客にかかるコストの5倍といわれている|1:5の法則
1:5の法則とは、新規顧客の獲得には既存顧客の5倍コストがかかるという法則のことです。
新規顧客獲得には、認知拡大のために広告費を増やしたり、新規限定割引クーポンを配布したりするといった施策が必要です。
そのため、新規顧客の獲得には既存顧客にリピートしてもらうよりも5倍のコストがかかるといわれています。
しかし、自社の成長促進には既存顧客だけでなく、新規顧客の獲得も重要です。
コストを抑えて新規顧客を獲得できるよう、自社のCACを把握しておきましょう。
CAC(顧客獲得コスト)の種類
新規顧客は広告や営業による獲得だけでなく、既存顧客の口コミやレビューなどから自然に増えていく場合もあります。
そのため、CACの種類は流入経路ごとに以下の3つに分けられます。
- Organic CAC
- Paid CAC
- Blended CAC
一般的にCACは、Organic CACとPaid CACをあわせたBlended CACを指します。
しかし、新規顧客を獲得した流入経路ごとにCACを算出すれば、マーケティング施策の効果をより正確に把握可能です。
CAC(顧客獲得コスト)の計算方法
CACの計算方法は、以下の通りです。
Organic CAC | 自然増の顧客に費やしたすべてのコスト ÷ 自然増チャネルからの新規顧客数 |
Paid CAC | 有料チャネルに費やしたすべてのコスト ÷ 有料チャネルからの新規顧客数 |
Blended CAC | 新規顧客獲得に費やしたすべてのコスト ÷ 新顧客獲得数 |
CACは新規顧客1人の獲得にかかったすべてのコストになるため、材料費や人件費、光熱費などの間接費も含まれます。
間接費は変動するため、毎月または毎年といったように、定期的に算出しましょう。
CAC(顧客獲得コスト)の把握が重要な理由
CACの把握が重要な理由は、以下の2つです。
- 自社に最適なマーケティング手法を選定できるため
- 中長期的な視野で自社の収益を判断できるため
自社に最適なマーケティング手法を選定できるため
CACの算出により実施しているマーケティング施策の効果を可視化し、最適な手法の選定が可能です。
前述のように、既存顧客と比べて新規顧客獲得にはコストがかかります。
たとえば、2つの施策を実施したところ、それぞれのCACは以下の結果になりました。
- Web広告:5万円
- DM:8万円
Web広告の方が低コストで新規顧客を獲得できているとわかるため、DMのコストを削減しWeb広告に予算を集中させるという戦略の見直しが可能です。
CACを把握すれば、無駄なコストの削減だけでなく効果的な戦略への投資にもつながります。
中長期的な視野で自社の収益を判断できるため
CACは、ユニットエコノミクスを算出するのに必要な指標です。
ユニットエコノミクスとは1顧客あたりの顧客獲得に投資したコストと、獲得した顧客から得られる利益のバランスを見る指標のことです。
ユニットエコノミクスは「LTV÷CAC」の計算式から算出可能で、数字が高いほどコストを上回る収益を生み出していると判断されます。
ただし、ユニットエコノミクスの値は高ければ高いほど良いものではありません。
事業が健全と判断される目安は、3〜5の値とされています。
ユニットエコノミクスにより中長期的な視野で自社の収益を判断できるため、算出するのに必要な指標となるCACの把握は重要です。
関連記事:LTVとは?重要性や最大化するためのマーケティング施策をわかりやすく紹介
CAC(顧客獲得コスト)を下げる3つの方法
CACを下げる方法は、以下の3つです。
- CPAを下げる:効率よくリードを獲得できるようターゲティングの精度や新規顧客獲得精度を上げる
- 業務効率化の実施:MAツールやSFAツール、CRMツールを活用する
- LTVの向上:ファンマーケティングツールを導入して顧客のファン化を進める
それぞれ見ていきましょう。
CPAを下げる:効率よくリードを獲得できるようターゲティングの精度や新規顧客獲得精度を上げる
ターゲティングの精度を上げ、効率良くリードを獲得できればCPA(コンバージョン1件の獲得にかかったコスト)が下がり、結果的にCACの低下につながります。
そのため、以下の方法でCPAを下げる必要があります。
- 広告出稿の目的と各媒体の特徴を踏まえて自社に適した媒体を選ぶ
- コンバージョン率を上げられるようリターゲティング配信を活用する
- CPA後の商談化率・商談獲得単価・案件獲得単価を算出し、最適なチャネルを開拓する
ただし、CPAが低下したからといって必ずしもCACが下がるわけではありません。
リード獲得後の商談化率が低ければ、商談獲得単価や案件獲得単価は上がります。
CPAはあくまで費用対効果を計測する指標としてとらえ、CACやLTVなどを見た上で施策の評価をしましょう。
業務効率化の実施:MAツール・SFAツール・CRMツールを活用する
CACを下げるには、マーケティング費用や人件費などの間接費を削る方法も効果的です。
自社に適したツールの導入により、業務効率化と間接費削減を推進できます。
ツールによって目的や機能は異なりますが、主に以下の業務効率を高められます。
ツールの種類 | 機能の一例 | 改善できる項目 |
MAツール(マーケティングオートメーション) | ・見込み客顧客の管理やスコアリング ・見込み顧客の属性に応じたコンテンツの自動配信 など | ・顧客管理や情報収集にあてていた人件費の削減 ・属人的な対応による機会損失の削減 |
SFAツール(営業支援システム) | ・商談管理 ・タスク、スケジュール管理 など | ・営業担当者の事務的な作業時間の削減 ・進捗管理の遅延や見落としの削減 |
CRMツール(顧客関係管理) | ・顧客データの自動分析 ・顧客ごとの取引情報や行動履歴の管理 など | ・担当者ごとの顧客対応のばらつき削減 ・顧客情報の管理にかかる時間の削減 |
自社の課題を洗い出した上で最適なツールを導入すれば、営業効率化を実現しCACを下げられるでしょう。
LTVの向上:ファンマーケティングツールを導入して顧客のファン化を進める
LTV(顧客生涯価値)を高められればユニットエコノミクスも上昇するため、結果としてCACの低下につながります。
LTVを最大化するには、顧客ロイヤルティの向上が重要です。
ファンマーケティングツールを導入すれば、企業とファンが交流する場を設けられることから、顧客のファン化を進めやすくなります。
また、顧客のニーズを効率的に収集できるため、顧客ロイヤルティを高めるアプローチも可能となります。
熱量の高いファンによる自発的な宣伝も見込めるため、よりCACの改善につながるでしょう。
関連記事:【2024年】ファンマーケティングとは?SNSとの掛け合わせ・メリット・弊社事例も解説
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自社の売上向上にはコストを抑えて新規顧客を獲得する必要があり、CACを用いた計測はマーケティング戦略を立てる上で重要です。
CACの改善方法には、CPAを下げたりLTVを高めたりする方法があります。
LTVを高めるには、ファンマーケティングツールの導入による顧客のファン化が有効です。
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