近年では、企業が自社のブランドやサービスを強化するためにユーザーコミュニティを構築しています。
その中で「コミュニティの分析方法を知りたい」「コミュニティはあるがうまく活発化していない」という方も多いのではないでしょうか?
コミュニティ内の意見や反応を数値化し、それを基に具体的な施策を計画するのがコミュニティ分析です。
本記事では、コミュニティ分析の概要から具体的な分析方法について解説していきます。
数字に隠れた顧客の声を正確に捉え、自社のマーケティングにも活用していきましょう。
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コミュニティ分析とは顧客の行動や反応を数値化(見える化)すること
コミュニティ分析とは、コミュニティユーザーの行動や意見を定量的に把握することです。
具体的には、ユーザーのコメントや活動内容などをデータとして収集・分析します。
数値化によってユーザーの質がわかるだけでなく、商品・サービスの改善点を把握することも可能です。
従来の市場調査やアンケートとは異なり、コミュニティ分析はリアルタイムのデータに基づいておこなわれるため、時代の変化やユーザーのニーズ変動が起こったとき、迅速に対応できます。
また、コミュニティ分析ツールを利用して数値化されたデータは、視覚的にわかりやすいダッシュボードやレポートとして確認でき、瞬時にコミュニティの状況が把握できるのが利点です。
コミュニティ分析は、顧客のリアルな声やニーズを見える化し、それを基にした効果的なコミュニケーションや戦略策定の礎となります。
コミュニティ分析5つの方法
コミュニティ分析の方法として、以下の5つについて解説します。
- コミュニティ内のユーザー行動を分析する
- ユーザー行動のタイムラインを分析する
- コアユーザーの把握・アクション分析をする
- コミュニティ内の投稿とリアクションを分析する
- コミュニティ内のキーワードやトレンドを分析する
コミュニティ内のユーザー行動を分析する
コミュニティは、多様なユーザーから成り立っており、コミュニティユーザーの行動ログを詳細に分析することで、さまざまなタイプに分類できます。
例えば、下記のようなユーザーに分類が可能です。
- アクティブにコンテンツを投稿するユーザー
- 閲覧を中心とするユーザー
- フィードバックや意見を多く寄せるユーザー
コミュニティ内のユーザー比率を可視化することで、コミュニティの健全性や活発さを一目で把握することも可能です。
最適な比率については、コミュニティの目的や目標に応じて異なります。
例えば、知識共有や質問応答を目的とするコミュニティでは、アクティブな投稿ユーザーの比率が高いことが求められるかもしれません。
一方で、情報収集としてのコンテンツを提供するコミュニティでは、閲覧中心のユーザーが多いと予想されます。
「最適な比率」を一概に定義するのは難しいため、定期的なコミュニティ分析をおこない、調整していくことが重要です。
また、最適なユーザータイプの比率を維持することは、コミュニティの成長はもちろん、ロイヤリティの向上やユーザー生成コンテンツ(UGC)の醸成、そして有益なVoC(Voice of Customer)の収集が促進されます。
活発なコミュニティを築くと、会員数の増加や長期的なLTV(Life Time Value)の増加にも繋がりますので、重点的に取り組みましょう。
マーケティング担当者であれば、押さえておきたい「生成コンテンツ(UGC)」については、下記の記事をご覧ください。
関連記事:UGCとは何か?ユーザー生成コンテンツが重要な理由と施策のヒント
関連記事:LTVとは?重要性や最大化するためのマーケティング施策をわかりやすく紹介
ユーザー行動のタイムラインを分析する
コミュニティにおけるユーザーのロイヤリティは、持続的な参加や活動によって形成されます。
ロイヤリティが高い顧客の行動を深堀りするためには「顧客単位」での行動ログ分析が非常に有効的です。
一人一人のユーザーが「コミュニティ内でどのようなアクションを起こしているか」動向や傾向を詳細に捉えられます。
さらに、これらの行動ログを時系列に沿って分析することで、何がそのユーザーのロイヤリティを高める要因となっているのか、ロイヤリティ向上のドライバーを明確に特定することも可能です。
例えば、特定のコンテンツ閲覧やイベント参加後に活動が増加するなどのパターンが見られる場合、その要因を活用した施策を計画できます。
これにより、新規のユーザーやまだロイヤリティが低いユーザーをロイヤル顧客へと育成するための具体的な施策やアプローチを導き出せるでしょう。
長期的に顧客と良好な関係を築くため、必要不可欠なロイヤリティについては、下記の記事をご覧ください。
関連記事:顧客ロイヤルティとは?ロイヤルティ向上のポイントと成功事例を紹介
コアユーザーの把握・アクション分析をする
コミュニティ活性化の鍵を握るのは、コミュニティ内での活動が非常に多く、他のユーザーとのコミュニケーションも活発におこなう「コアユーザー」です。
コミュニティ分析では、ロイヤリティ向上に伴って、ユーザー間のコミュニケーションの度合いが増していくのを数値で可視化できます。
このようなデータ分析を通じて、コミュニケーションの中心となっているコアユーザーを明確に把握することが可能です。
コアユーザーは、コミュニティ内でのディスカッションや活動の起点となるため、その行動や反応を理解することは非常に重要になります。
また、コアユーザーの行動を時系列で分析することにより、彼らのロイヤリティが向上した具体的なきっかけや要因を特定することも可能です。
これは、新たなコアユーザーを育成するための施策策定や、既存のコアユーザーとの関係強化に役立つ情報となります。
コミュニティ内の投稿とリアクションを分析する
ユーザーの投稿とそれに対する他のユーザーのリアクションを分析することで、コミュニティの健全性や活発さを可視化できます。
ユーザーの投稿数と、その投稿に対するリアクション(例:いいねや返信コメント)を可視化することで、どれだけの投稿が積極的な反応を呼び起こしているのかを把握できるのです。
これを基に、コミュニティ全体での交流の頻度や質をチェックすることが可能となります。
例えば、一部のユーザーからの投稿に多くのリアクションが集まっている場合、そのユーザーや投稿の内容がコミュニティ内での注目度が高いことを示唆しています。
さらに、投稿とリアクションの数を分析することで、その背後にある要因や傾向を特定し、PDCA(Plan, Do, Check, Action)のサイクルを回して改善策を継続的に実施できます。
これにより、コミュニティの成長と活性化を促進することが期待できるのです。
コミュニティ内のキーワードやトレンドを分析する
ユーザーの発言からキーワードを抽出することで、何に価値を感じ、どのような感情や興味を持っているのかを具体的に掴めます。
さらに、これらのキーワード分析を通じて、コミュニティ内のトレンドや流行の傾向、特定の話題への関心度を時系列的に追うことも可能です。
ユーザーがどういった方向性にシフトしているのか、または一貫してどういった価値観を持ち続けているのかを明らかにできます。
また、ロイヤル顧客とその他のユーザーのキーワードやトピックの比較をおこなうことで、コミュニティ内の異なる層の価値観や興味の差を具体的に知ることも可能です。
これを基にコンテンツ企画やコミュニケーション戦略の策定に役立てられるでしょう。
具体的なコミュニティ分析方法
数値化するための分析方法として、より具体的なものを3つご紹介します。
- 階層型クラスタリング
- リサンプリング
- トピックモデリング
階層型クラスタリング
階層型クラスタリングは、データを階層的にグループ化する手法で、その名の通り複数の「階層」を形成し、2つのアプローチ方法があります。
①凝集型
各データを独立したクラスタとしてスタートし、徐々に似ているものを統合して大きなクラスタを形成します。
例えば、10人のユーザーを男性と女性の2つのグループに分けるとしましょう。
始めは10人がそれぞれ独立したクラスタとなっていますが、分析の結果、2つの大きなクラスタ、すなわち男性と女性のグループにまとめられます。
②分割型
凝集型の逆のプロセスで、最初は全データを1つの大きなクラスタとし、徐々にそれを細分化していきます。
これらの手法を適切に選ぶことで、データの階層的な関係性やグループ化の傾向を明確に理解することができます。
リサンプリング
リサンプリング方法は、限られたデータセットからさまざまな情報を取得し、統計的な結果を推測するための手法です。
この中で特に知られているのが「ブートストラップ法」と「ジャックナイフ法」の2つになります。
特に、ブートストラップ法はデータの繰り返しサンプリングによって特徴を捉える手法です。
例えば、20人の顧客の購入商品の記録があるとしましょう。この20人の中からランダムに選び出し、何度も新しいリストを作成します。
そして、これを何度も繰り返すことで、購入商品の平均数や分布のばらつきなどの統計的な指標をより正確に把握できるのです。
トピックモデリング
トピックモデリングとは、テキストデータを分析し、その中から「トピック」や「キーワード」を抽出する手法です。
例えば、アンケートの回答や製品のレビュー、ソーシャルメディアの投稿など、大量のテキストデータからビジネスのインサイトを見つけるための手法として利用されます。
テキストデータから情報の分類・並べ替え・抽出がおこなわれ、隠れたパターンや関係性、顧客の感情などを抽出することも可能です。
トピックモデリングの主な手法として、以下の3つが挙げられます。
Latent Semantic Index (LSI) | 潜在意味解析 |
Probabilistic Latent Semantic Indexing (PLSI) | 確率的潜在意味解析法 |
Latent Dirichlet Allocation (LDA) | 潜在ディリクレ配分 |
これらの手法は、大量のテキストデータを効率的かつ正確に解析し、その中から有益な情報を引き出すために広く活用されています。
まとめ
コミュニティ分析は、現代ビジネスにおいてブランドの信頼性を高め、ファンとの継続的な関係を築くための鍵となる戦略です。
コミュニティの活性化やユーザー行動の分析など、これらの方法を駆使することで、より効果的なコミュニティ運営が可能となります。
コミュニティマーケティングやファンマーケティングに関する更なる知識や実践方法に興味を持った方は、ぜひコミュニティ構築から分析までおこなえる弊社までお問い合わせください。
私たちとともに、あなたのブランドとファンとの関係を活発化していきましょう。