X(旧Twitter)やInstagramなど、ソーシャルメディアはユーザーと企業をつなぐために欠かせないツールです。
ソーシャルメディアはマーケティングにおいて有効な手段ですが、風評被害や炎上トラブルに発展すると、自社のブランドイメージを損ねる要因となります。
ソーシャルメディアを健全に運営するためには、ソーシャルメディアポリシーの作成が重要なのです。
本記事では、ソーシャルメディアポリシーの概要や作成のポイントを解説します。
作成から公表までの流れもわかるため、ソーシャルメディア運営の実施を検討している方は参考にしてください。
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ソーシャルメディアポリシーとは「社外に向けて方針や心構えを解説した文書」
ソーシャルメディアポリシーとは、ソーシャルメディアを運営するにあたって、企業の方針や心構えを社外に解説する文書のことです。
ソーシャルメディアポリシーを作成することで、自社が利用するソーシャルメディアの運営方針を、一般のユーザーに理解してもらう目的があります。
風評被害や炎上を防ぐためには、ソーシャルメディアポリシーを作成しておく必要があります。
なお、ソーシャルメディアポリシーのほか、ソーシャルメディアガイドラインやコミュニティガイドラインも作成しておくと良いでしょう。
関連記事: 企業のSNS運用ルールとは?目的や必要性、設定すべき10項目を解説
ソーシャルメディアポリシー作成時に押さえておくべきポイント
ソーシャルメディアポリシーの書き方に決まりはありませんが、自社のブランド品位を守れる内容を明記しましょう。
作成時に押さえておくべきポイントは、以下の通りです。
- ひな形の使用は避ける
- 信頼獲得へ向けた文書を作成する
- 社内周知を徹底する
企業によって、ソーシャルメディアを利用する方針や心構えは異なります。
そのため、ソーシャルメディアポリシーを作成するにあたって、自社の世界観を伝えられる内容を意識する必要があります。
関連記事:SNSガバナンスとは?ガイドラインとの違いや具体的な施策をわかりやすく解説
ソーシャルメディアポリシーで制定すべき5項目
ソーシャルメディアポリシーで制定すべき項目は、以下の5つです。
- 企業の基本方針
- ソーシャルメディアの運営目的
- アカウント適用範囲
- ソーシャルメディア活用の心構え
- ソーシャルメディア利用に関する注意事項
企業の基本方針
企業の基本方針は、ソーシャルメディアの利用に対する自社の基本的な姿勢や考え方を示す部分です。
企業の目指す姿やとるべき行動を明示することで、自社への信頼を高める効果が期待できます。
例えば「当社はポリシーに基づき適切な情報発信に努めます」など、自社がソーシャルメディアとどのように向き合っていくのかを記載しておくことが重要です。
健全なソーシャルメディアを運営する旨をユーザーが理解できるよう、基本方針でしっかり伝えましょう。
ソーシャルメディアの運営目的
ソーシャルメディアポリシーでは、何を目的としてソーシャルメディアを運営するのか公表します。
利用目的の明確化により、ユーザーの信頼を獲得するためです。
運営目的は企業によってさまざまで、以下のような例があります。
- ユーザーとの交流
- 認知拡大
- 自社ブランディング向上
- 自社商品やサービスの改善
ソーシャルメディアポリシーでは「お客様に自社を知ってもらうため」など、ユーザーへ向けた運営目的を記載します。
アカウントの適用範囲
ソーシャルメディアポリシーには、対象となるアカウントの範囲を設定しましょう。
X(旧Twitter)やInstagramなど、企業によって運用するソーシャルメディア媒体は異なります。
ソーシャルメディアポリシーの管理範囲となるアカウントの明確化は、ユーザーだけでなく社内体制の整備にも有効です。
適用範囲の記載方法は企業によって異なり、アカウント紹介ページを作ってURLリンクからアクセスしてもらう方法などがあります。
例えば、ソフトバンク株式会社のソーシャルメディアポリシーでは「当社公式アカウントの範囲」という項目を作成しています。
文末に「ソーシャルメディア公式アカウント」と記載したURLリンクを添付し、アカウント紹介ページへアクセスできる仕組みを作っているのが特徴です。
URLリンクの作成により、ソーシャルメディアポリシーの適用範囲が一目でわかるようになっています。
なお、アカウントの適用範囲を基本方針や定義に記載している企業もあるため、自社に適した方法での公表を検討してみてください。
ソーシャルメディア活用の心構え
「ソーシャルメディア活用の心構え」という項目を制定し、ソーシャルメディアを利用する際に遵守する内容を記載します。
自社がソーシャルメディアを運営するうえで、どのような点を意識しているのかユーザーに理解してもらうためです。
心構えに記載するべき項目には、以下のものがあります。
- 情報提供の正確性
- 守秘義務の徹底
- 権利侵害の禁止
- 誹謗中傷の禁止
発信した情報は取り消せないソーシャルメディアの特性にふれ、誠意のある対応を行うする意思表示をします。
ソーシャルメディア利用に関する注意事項
企業がソーシャルメディアを利用するにあたって、ユーザーに周知しておくべき注意点を記載します。
ソーシャルメディアを利用するユーザーとのトラブルを回避するためです。
例えば、企業の公式発表や見解の発信は、ウェブサイトといった公式文書から確認をしてもらうよう注意を促します。
ソーシャルメディアで発信する情報範囲の線引きによりユーザーの混乱を防げるため、予期せぬ炎上を防げるでしょう。
ソーシャルメディアポリシーを作成する流れ
ソーシャルメディアポリシー作成の流れを、ステップ別に解説します。
- 目的や方針を明確にする
- 関連部門から承認・協力を得る
- ソーシャルメディアポリシーを作成する
- 社内周知・理解を徹底する
1.目的や方針を明確にする
まずはソーシャルメディアポリシーを作成する目的や方針を明確にするため、情報を整理します。
自社ブランドの品位を保ち、無用なトラブルを避けることがソーシャルメディアポリシー作成の目的です。
ソーシャルメディアポリシーを公表し、ユーザーにどのようなことを理解してもらいたいのか考えましょう。
目的や方針のイメージが湧くよう、他社の事例を参考にしても良いでしょう。
なお、ソーシャルメディアポリシーは誰が作成しても問題ありません。
策定者に悩む場合は、社内の規律維持を担う人事や総務、マーケティング部門を中心に作成するとよいでしょう。
2.関連部門から承認・協力を得る
ソーシャルメディアポリシーの権威性を高められるよう、ガバナンス体制の構築に欠かせない人材や部門から承認・協力を得ます。
ソーシャルメディアのガバナンスとは、インターネット上のメディアを健全に運営する管理体制のことです。
管理体制を整えておかなければ権限が認められないだけでなく、万が一炎上トラブルに発展した際、素早く対応できないリスクが生じます。
また、承認や協力を得たら各関係者の要望や考えを汲みとれるよう、以下の内容をヒアリングしておきます。
- ソーシャルメディアの利用方法
- ソーシャルメディアの適用範囲
- ソーシャルメディア活用に関する注意事項
- ソーシャルメディア運営における不足点
各メンバーと考えをすり合わせながら、ソーシャルメディアポリシーに記載する内容を検討しましょう。
3.ソーシャルメディアポリシーを作成する
ソーシャルメディアポリシーに記載する内容が考案できたら、文書の構成を作ります。
おおまかな骨組みを作成することにより、各部門との認識に相違がないか確認できるためです。
すり合わせを繰り返して精度を高めていき、納得のいく構成が完成したらソーシャルメディアポリシーを作成します。
作成後は最終チェックを実施し、各部門の同意を得たうえで内容を公開しましょう。
4.社内周知・理解を徹底する
ソーシャルメディアポリシーを作成したら、社内への周知と理解を徹底します。
ソーシャルメディアポリシーには、自社の心構えが明記されており、従業員は文書に則った行動をとる必要があるためです。
従業員がソーシャルメディアポリシーを把握していなければ、思わぬところから炎上トラブルに発展する可能性があります。
ソーシャルメディアポリシーの周知を徹底できるよう、以下の取り組みを実施しましょう。
- 説明会の実施
- 社内チェックテストの履行
- ソーシャルメディアポリシーに関するQ&Aの作成
健全なソーシャルメディア運営ができるよう、社内教育の徹底も重要です。
なお、弊社kazeniwaではこれまでのSNS企画運用の実績をもとにした、ソーシャルマーケティング運用やリスク対策のノウハウを公開しています。
ガバナンス体制の不安を解消し、自社ブランディングの品位を保ったソーシャルマーケティングを実施したい方は、ぜひ本資料をお受け取りください。
関連記事:企業のSNS炎上対策!事例とともに原因や対応、炎上予防方法を解説
ポリシーとガイドラインの違いを押さえて作成しよう
ソーシャルメディアポリシーは、自社がソーシャルメディアを使用する基本方針や心構えを定めた文書で、ユーザーの信頼を維持するために重要です。
ポリシーとガイドラインには社内向けと社外向けがあるため、違いを押さえて作成するようにしましょう。
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ソーシャルメディアポリシー作成の支援も実施しているため、ソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略を成功させたい方はぜひご相談ください。