ファンマーケティングは、企業の中長期的な売上安定や拡大をもたらすマーケティング手法です。
しかしファンマーケティングが自社商材に適しているか、懸念する企業もあるでしょう。
本記事では、ファンマーケティングに向いている商材について詳しく解説します。
\ファンマーケティングの始め方を解説/
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ファンマーケティングに適した商材とは
ファンマーケティングと自社商材との適性を見極める前に、自社商材の種類を理解しておく必要があります。
なぜならファンマーケティングは、どのような商材でも実施でき、一概に適切な商材を判定できないためです。
上記商材の分類を踏まえて、ファンマーケティングに適した商材の特徴を3点ご紹介します。
自社商材の販売に取り入れられるかを確認してください。
- 継続的に利用されるもの
- WebサイトやSNSで情報発信できるもの
- ファンコミュニティとリアルイベントが組み合わせられるもの
関連記事:ファンマーケティングの成功事例9選|事例を自社に活かすための3つのポイントも解説
継続的に利用されるもの
ファンマーケティングでは、時間をかけて顧客ロイヤルティを向上させる必要があるため、継続的に利用される商材が適しています。
商材は有形無形に限りません。
また、商材そのものではなく、ブランドやシリーズものでリピートされる商材でも構いません。
単価が低くリピートしやすいスキンケア商品や食品に加えて、車のように単価が高いものでもファンマーケティングに適しているケースがあります。
購入までのプロセスが長い場合でも、商材の情報や活用方法を提供し続ければ興味関心が高まって購入に至ります。
そして、新商品発売やアップデートへの関心も高まるでしょう。
WebサイトやSNSで情報発信できるもの
ユーザーのファン化を促すためには、企業とユーザーの交流や、ユーザー同士の意見交換が発生することが重要です。
そのため、WebサイトやSNSで情報発信しやすい商材が適しています。
とくに無形商材は相性が良いでしょう。
在庫を抱えずにWebで手続きが完結するためです。
無料体験や初回キャンペーンが設定しやすく、Web広告やSNSに投稿して拡散できます。
ただし、他のサービスでも問題ありません。
企業が商材に関するブログ記事を発信したり、ユーザーがSNSで投稿したくなる施策の実施が重要です。
近年消費者は、レビューやSNSの口コミを参考に商品を購入する傾向があります。
そのため、WebサイトやSNSで情報発信しやすいきっかけを作ることで、口コミが増え、商品の購入を見込めるでしょう。
ファンコミュニティとリアルイベントが組み合わせられるもの
ファン化を促し、商品購入や利用につなげるためには、ファンコミュニティとリアルイベントを組み合わせる工夫も必要です。
コメダ珈琲店のように実店舗を持つ企業の場合でも、オンラインで常にユーザーとの接点を作ることに注力しています。
ファンコミュニティをきっかけにファン同士の自発的な交流が生まれれば、よりコミュニティが活性化し、実店舗への来店機会創出にもつながるからです。
ファンマーケティングを活用した商材販売のポイント3つ
商品・サービスの購入者は、広告経由の購入やリピート購入の場合でも、ファンであるとは限りません。
ファンになり得る顧客を集めるためにも、商材販売で重要な以下3点のポイントを押さえましょう。
- 商材の特徴を詳細に理解する
- ファンマーケティングを取り入れる購買プロセスを設定する
- ファンと円滑にコミュニケーションを取れる体制を構築する
商材の特徴を詳細に理解する
自社商材を必要とするユーザーへ届けるためには、商材の特徴を詳細に理解し、商材に適したマーケティング施策を検討する必要があります。
ファンマーケティングで商材を販売するために、以下の特徴を整理しましょう。
- BtoB向けかBtoC向けか
- 定期的に購入されるような既存製品か、今までにない革新製品か
- Web上で利用するものか、実在するものか
- 購入頻度
- 商材の単価帯
ファンマーケティングを取り入れる購買プロセスを設定する
ファンマーケティングで商材を販売するためには、ユーザーの購買プロセスを理解し、適切なポイントで施策を実施する必要があります。
たとえば、アプリケーションを販売する場合、認知のない方に対しては利用する機会を創出しなければなりません。
無料体験やダウンロードキャンペーン、実際に利用しているユーザーの声を掲載する方法が効果的でしょう。
ファン度に合わせた施策の実施と、ユーザーに促す行動を明確に設定することで効果が高められます。
関連記事:ULSSASとは?マーケティングに活用するメリットや成功に導くコツを解説
ファンと円滑にコミュニケーションを取れる体制を構築する
ファン化を促すためには、ユーザーとの継続的なコミュニケーションが欠かせません。
交流を深めるほど、ファンの企業に対する愛着が増すためです。
企業とファン、ファン同士の交流を深めるためには、ファンが意見を発信しやすいSNSやコミュニティサイトの運営がおすすめです。
ファンが自ら参加し、活動すれば企業への関心や商材への熱意が高まります。
また、ファンの意見を集めて商材の改善や開発に活かせれば満足度も高まるでしょう。
とくにコミュニティサイトは、企業に興味関心の高いファンが集まりやすくおすすめです。
コミュニティサイトの開設や運営にお困りの際は、DISCOへお問い合わせください。
ファンマーケティングを実施する際の3つの注意点
ファンマーケティングは、効果が出るまでに時間がかかるため、効果が出る前に諦めてしまう企業もいます。
効果を出すために、以下3点の注意点を念頭に置き、取り組みましょう。
- ファンになってもらうには時間がかかるため長期的な目線で取り組む
- 炎上・トラブルに発展する可能性があるため対策を講じておく
- 売上だけでは成果が見えない可能性があるため指標を設定しておく
ファンになってもらうには時間がかかるため長期的な目線で取り組む
人間関係で親友と呼べる関係を築くことに時間がかかるように、一朝一夕でファンは獲得できません。
ファンを育成するには、以下のステップを経る必要があります。
- 自社商品・サービスの認知
- 商品・サービスの購入・利用
- リピートや満足度向上
リピート回数を増やし、満足度を高めてファン化するには時間を要するため、長期的な目線で取り組みましょう。
長期的に施策を継続する対策は、自社のファンを増やす目的を明確にして、長期目標と中期目標を設定することです。
たとえば、長期目標としてユーザーからの意見収集を1年間で120件と設定し、中期目標では3か月ごとに30件と設定します。
中期目標を設定して3か月ごとに軌道修正しながら、長期目標達成を目指すことがポイントです。
関連記事:ファンマーケティング戦略の立て方を解説!役立つフレームワークも紹介
炎上・トラブルに発展する可能性があるため対策を講じておく
ファンマーケティングでは、ファンとの交流を増やすためにSNSやコミュニティサイトが利用されます。
必然的にファンとのやり取りが増えるため、誤情報の発信や過剰な親密さなどが問題となり、トラブルが発生しやすくなります。
炎上・トラブルへの対策を講じる場合は、炎上時の対策フローを事前にマニュアル化し、迅速に対応できるよう準備しておくことが重要です。
関連記事:企業のSNS炎上対策!事例とともに原因や対応、炎上予防方法を解説
売上だけでは成果が見えない可能性があるため指標を設定しておく
ファンマーケティングの目的が売上拡大の場合でも、すぐに成果はあがりません。
そのため、売上以外の指標も設定しておきましょう。
よく設定される指標は以下のとおりです。
- SNSのエンゲージメント率
- SNSやメディアで取り上げられた数、口コミ数
- イベントの参加者数
- NPS(ネットプロモータースコア)
- 解約率
関連記事:ファンマーケティングにおけるKPIの設定方法は?ポイントや設定例も解説
ファンマーケティングで商材を販売している企業の成功事例3選
ファンマーケティングで商材を販売し、ファンと親密な関係を築いている企業では、定期的にイベントを実施しているほか、ファンが主体となってコミュニティを活性化させている事例があります。
業界別に3社の事例について解説します。
- 【BtoC】飲料|ヤッホーブルーイング
- 【BtoB】IT|サイボウズ株式会社
- 【BtoC】飲食|コメダ
【BtoC】飲料|株式会社ヤッホーブルーイング
クラフトビールを製造する株式会社ヤッホーブルーイングでは、以下のような施策を実施してファン化を促しています。
- イベント企画「よなよなエールの超宴」
- 大人の醸造所見学ツアー
- 実店舗「YONA YONA BEER WORKS0」の運営
- 口コミに対するリプライ
- ラジオ配信「よなよなエールの空想ビアパブ」(2022年12月に休止)
- サブスクリプション「ひらけ!よなよな月の生活」
指標には、アクセス数や会員登録数、売上を設定していますが、他にもSNSでのUGCの数にも着目し、顧客とのコミュニケーションを増やして認知や顧客接点を広げています。
【BtoB】IT|サイボウズ株式会社
業務アプリがつくれるサービス「kintone」の事例です。
企業とユーザーとのコミュニケーションよりも、ユーザー同士の交流がメインとなっている点が特徴です。
ファン化するために以下のような施策を実施しています。
- オンラインコミュニティ「キンコミ」の運営
- アンバサダー「kintone エバンジェリスト」の選任
- kintoneの活用法をユーザー同士で共有する勉強会「kintone Café」を企業主催ではなく有志の集まりで開催
「キンコミ」は、ユーザー同士で悩みを共有・解決するためのプラットフォームです。
投稿に対して、他のユーザーはいいねやコメントができます。
企業にとってはアクション率がファン化の指標となっているでしょう。
【BtoC】飲食|株式会社 コメダ
株式会社コメダでは、コメダ珈琲店のファンコミュニティ「さんかく屋根の下」を運営しています。
店舗以外でも顧客と繋がれる場を提供するために開設されました。
「さんかく屋根の下」では、ファン度に応じて楽しめる以下コンテンツを提供しています。
- ユーザー同士で交流できる「コメ友の部屋」
- クイズキャンペーンの実施
- ブログ記事の公開
- フォトコンテスト
- ユーザーによる写真投稿「コメダ写真館」
- イベントの実施
ファンコミュニティ内のコンテンツは、コメダ珈琲の理解度やユーザーの需要を探る手段となり、ユーザーごとの活動量でファン度の高さが見分けられるようです。
また、常連客同士がつながり、来店動機の醸成にも貢献しています。
自社商材に適したファンマーケティングを実施してファン化を促そう
ファンマーケティングは、商材の特徴を理解し、商材に適した施策の実施が重要です。
WebやSNSを活用したユーザーとの交流が成功を左右します。
ユーザーとの交流には、ファンを集客しやすいコミュニティサイトがおすすめです。
DISCOでは、ファンの集客や育成をサポートするサービスを提供しています。
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