RsEsPs(レップス)は、スマートフォン時代の購買行動実態に対応するために開発された購買行動モデルです。
本記事では、RsEsPsモデルの概要や他のモデルとの違い、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
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RsEsPsモデルの各フェーズと特徴を解説
RsEsPsは2019年に一般社団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会が提唱した購買行動モデルの一つで、認識(Recognition)、体験(Experience)、購買(Purchase)の3つのフェーズに分かれます。
認識、体験、購買までの各段階で検索(Search)・共有(Share)・拡散(Spread)が発生するのが特徴です。
これまで「AISAS」など従来の購買行動モデルにも「検索」や「共有」はありましたが、各フェーズで検索・共有・拡散が繰り返し行われる点で異なります。
認識(Recognition)フェーズの検索・共有・拡散
認識フェーズは消費者が製品やサービスを初めて知る段階です。
広告やSNSで知った情報をより詳しく知りたいという意識から3つの検索・共有・拡散が行われます。
このフェーズではデジタル広告の運用や、インフルエンサーとのコラボ企画が有用です。
想定される3Sには下記が挙げられます。
・検索(Search):実際に利用している人の感想やより詳しい情報を探す ・共有(Share) :検索で得た情報を特定のコミュニティと共有する ・拡散(Spread):SNSなどを通じてより多くの人に情報を広める |
消費者が必要な情報を検索、共有、拡散を繰り返すことで、認知の輪が広がります。
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体験(Experience)フェーズの検索・共有・拡散
体験フェーズは消費者が製品やサービスを試し、その価値や効果を共感する段階です。
無料体験キャンペーンや試供品の提供、無料サンプルの配布が重要な役割を果たし、次の3つの検索・共有・拡散が展開されます。
・Search(検索):製品やサービスを試した結果や使用感についての詳しい情報を探す ・Share(共有 :実際に体験した感想やレビューをSNSや口コミで共有する ・Spread(拡散):体験の感動や満足感に共感し情報を広める |
消費者は製品やサービスを体験することで価値や魅力に共感し、購買への意欲を高めていきます。
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購買(Purchase)フェーズの検索・共有・拡散
購買フェーズは消費者が最終的に購買を決定する段階です。
オンライン検索や製品の比較検討、他ユーザーの評価確認などの3つの検索・共有・拡散が消費者の購買行動に大きな影響を与えます。
・Search(検索): 製品・サービスの仕様や価格、購入先について詳しく調べる ・Share(共有 : 製品・サービスのレビューや評価を確認し、購買判断の参考にする ・Spread(拡散): 使用した感想や体験をSNSや口コミで発信する |
消費者は購入前に情報を検索し、レビューや口コミを参考にして製品の信頼性を確認します。
他ユーザーの意見や評価が購買意欲を高め、最終的な購買の決断を後押しするでしょう。
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RsEsPsモデルを活用したマーケティング事例
事例として、モンスターエナジーのマーケティングをRsEsPsモデルで分析します。
フェーズ | 施策内容 | 検索・共有・拡散 |
認識 | ・SNSにて新フレーバーの紹介 ・有名アーティストとのコラボ | ・インターネット・SNSで検索 ・コラボ情報を友人にメッセージで送る |
体験 | ・365日のゲリラサンプリング ・ターゲット層(若者)の共感を得るデザインの車、衣装や同世代のスタッフを採用 | ・サンプリング場所をインターネット・SNSで検索 ・サンプリング体験をSNSでシェア |
購買 | ・2本購入でオリジナルグッズをプレゼント ・新フレーバーのパッケージを店頭で発見・購入 | ・情報をインターネット・SNSで検索 ・SNSで実際に飲んだ感想やグッズ情報をシェア ・友人や同僚に話す |
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RsEsPsモデルと他の購買行動モデルとの比較
SNS時代の消費者行動をよりリアルに反映しているRsEsPsモデルは、従来のモデルとどのように異なるのでしょうか。
下記の3つの購買行動モデルとの違いを解説します。
- AISASモデルとの違い
- VISASモデルとの違い
- ULSSASモデルとの違い
AISASモデルとの違い
AISASモデルは、インターネットの普及に伴う消費者行動の変化に対応するため、2004年頃から提唱されました。
「Attention(認知),Interest(興味),Search(検索),Action(購買),Share(共有)」の5つのステップで構成されます。
消費者が製品やサービスを知り、興味を持って検索・購買するまでのプロセスに共有が加わり、企業と消費者間で関与しあう点が特徴です。
AISASモデルは製品やサービスの購買を目的に据えているため、プロセスの把握や効果の数値測定が容易で、具体的な施策を実行しやすいメリットがあります。
一方で、RsEsPsモデルと比べると、購買以外の段階で発生するブランドや企業と消費者のつながりを目的とした施策には対応していません。
VISASモデルとの違い
VISASモデルは、SNSやインフルエンサーの普及に対応するために2010年頃から提唱されました。
「Visibility(口コミ),Interest(興味),Sympathy(共感),Action(購買),Share(共有)」の5つのステップから構成されます。
SNSや口コミを通じて興味や共感を得て購買行動につなげ、その後の共有を経て再び口コミの影響を期待するというサイクルが特徴です。
VISASモデルには口コミというプロセスが加わることで、企業やブランドと消費者の接点を広告以外の方法によるものを起点としています。
2025年現在でも多くの消費者行動がVISASモデルで分析や再現できますが、購買のステップに至る前の認識や体験の口コミについては想定していないため、その活用を検討することはできません。
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ULSSASモデルとの違い
ULSSASモデルは、SNS時代の購買行動モデルとして提唱されました。
「UGC(ユーザー投稿コンテンツ),Like(いいね),Search1(SNS検索),Search2(検索エンジン検索),Action(購買),Spread(拡散)」の6つのステップで構成されます。
SNS上のユーザー投稿(UGC)から認知につながり、消費者の能動的な行動によって愛着が高まることで、購買だけでなくファン化も期待できる点が特徴です。
ULSSASモデルは、長期的な関係性を考慮できるため、ファンビジネスを通じたLTVの向上を目指す企業やブランドにとって理想的なモデルといえます。
しかし、すべての消費者行動がモデル通りに進むとは限らず、分析が複雑になる場合があります。
各プロセスはシンプルですが、柔軟に消費者行動を捉えることができるRsEsPsモデルは、計画から実行まで定量化がしやすく、企業やブランド活動における再現性の向上に優れています。
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RsEsPsモデルの活用をDISCOがサポート
認識から購買後までの各フェーズで検索・共有・拡散を繰り返す点がRsEsPsモデルの特徴です。
DISCOは手軽にコミュニティサイトを構築でき、ブランドの熱心なファンづくりを支援するサービスです。
RsEsPsモデルの3つのSSSである「検索・共有・拡散」の円滑なコミュニケーションに、DISCOのプラットフォームが活用できるでしょう。