企業のサービスや商品に愛着をもってくれるファンが増えると、リピート率や購入単価の向上が見込めます。
また、ファンの口コミによるコストを抑えた顧客獲得も期待できるため、既存顧客のファン化は重要です。
本記事では、ファン化が重要な理由やメリット、顧客をファン化するためのプロセスについて解説します。
ファン化の成功事例も紹介しているので、顧客のファン化を進めて安定的な売上ベースを作りたい方はぜひ参考にしてください。
\ファンマーケティングの始め方を解説/
資料を無料プレゼント中
顧客とファンの違いは?【ファンは企業に愛着をもつ存在】
顧客とファンには、以下の違いがあります。
- 顧客:企業のサービスや商品を購入するだけのユーザー
- ファン:企業のサービスや商品に愛着をもつユーザー
顧客は価格の安さや話題性によって、他のサービスや商品に移る場合があります。
しかし、ファンは商品単体ではなく企業に愛着をもつため、簡単に他社へ移行はしません。
商品やサービスを継続的に利用したり、新商品や関連商品を購入したりするため、安定的な売上が見込めるでしょう。
ファン化の言い換えに「ファンエンゲージメント」という言葉があります。
スポーツ分野で使われることが多く、ファンとの強固な関係性を意味しています。
関連記事: 【2024年】ファンマーケティングとは?SNSとの掛け合わせ・メリット・弊社事例も解説
ファン化が重要視されている理由 | 新規顧客の獲得の難化
人口減少によって従来の方法では新規顧客の獲得が難しくなっており、新たに顧客を獲得するには差別化が必須で競争率も高くなります。
しかし、差別化ができたとしてもすぐに他社も似たものを開発するため、いたちごっこになりかねません。
また、新規顧客獲得にかかるコストは既存顧客にかかるコストの5倍高い(1:5の法則)ことからも、新規顧客獲得を追求するとコスパが悪く、疲弊するでしょう。
売上向上には新規顧客の増加も重要ですが、効率的に売上を伸ばすためには既存顧客との関係を深め、リピーターを増やす施策を講じることが重要です。
既存顧客のファン化を狙う2つのメリット
既存顧客のファン化を狙うメリットは以下の2点です。
- 安定的な売上ベースを作れる
- ファンによる発信で広告費を削減できる
関連記事:ファンマーケティングで企業が得られる効果とは?成功事例やツール、効果的な施策を解説!
安定的な売上ベースを作れる
ファンは企業に愛着を抱いているため、商品やサービスを継続的に利用する可能性が高いです。
加えて、他社より高価でも乗り換える可能性が低いため、価格競争の必要性が低下するでしょう。
また、新商品や関連商品にも興味を示す可能性が高く、複数商品を継続的に利用してもらえれば、1人あたりの購入単価が高まります。
ファン化が進むとリピート率や購入単価の向上、複数商品の購入が期待でき、中長期的に安定した売上が見込めるでしょう。
ファンによる発信で広告費を削減できる
ファンが家族や友人へ紹介したり、SNS上に良い口コミを投稿したりすると、企業が広告を出さなくても商品やサービスを広められます。
ファンが発信するコンテンツはUGCと呼ばれ、企業が出す広告よりも信頼感を得やすい特徴があり、新規顧客獲得に効果的です。
また、CMや雑誌広告よりも費用が安く済むため、広告費削減にもつながります。
関連記事:UGCとは何か?ユーザー生成コンテンツが重要な理由と施策のヒント
顧客をファン化する3つのプロセス
顧客のファン化を実現するためには、以下の手順で進めましょう。
- 顧客が求めているものを把握する
- 顧客に合ったアプローチをする
- 顧客とコミュニケーションをとり信頼関係を築く
1.顧客が求めているものを把握する
顧客のニーズ(求めている商品やサービス)を把握するために、商品やサービスのターゲット層を具体的に設定しましょう。
ターゲット層を設定する際は、以下のように現実にいそうな人物像(ペルソナ)にすることがポイントです。
〈ペルソナ設定の具体例〉
名前 | 高橋 かな |
年齢 | 28歳 |
性別 | 女性 |
家族構成 | 独身 |
職業 | メーカーの営業事務 |
趣味 | 映画鑑賞、カフェ巡り |
休日の過ごし方 | ・友達とカフェ巡り ・サブスクリプションまたは映画館で映画鑑賞 |
20代女性という大まかな設定よりも「高橋かな」という具体的なペルソナを設定する方が、顧客のニーズを把握しやすいでしょう。
2.顧客に合ったアプローチをする
ターゲット層を把握したら、顧客に合った方法でアプローチをしていきます。
アプローチをする際は、購入商品の傾向や満足度、購入頻度、購入価格などのデータをもとに行いましょう。
たとえばデータ分析によって、化粧品を購入する顧客の30%が、2ヶ月以内にヘアケア製品も購入する傾向がわかったとします。
その場合、化粧品にヘアケア製品のクーポンを同封すれば、複数購入を促せるだけでなく自社商品との接点も増やせるでしょう。
ファン化を進めるには、データ分析を行い、自社の顧客に合ったアプローチ方法の模索が重要です。
関連記事: RFM分析をスプレッドシートで行う方法は?必要なデータや方法をわかりやすく解説
3.顧客とコミュニケーションをとり信頼関係を築く
顧客のファン化には、企業と顧客間のコミュニケーションが重要です。
コミュニケーションをとる際は、以下の方法を用いて顧客に特別感を抱いてもらいましょう。
- 定期購入で10%割引
- 誕生日特典のプレゼント
- アフターサービスの充実 など
顧客と信頼関係を築けると、企業への印象が良くなりファン化が期待できます。
ファン化を促すための施策8選
ファン化を促すための施策例は以下の8つです。
すぐに取り組めるものもあるため、ぜひ参考にしてみてください。
施策 | 施策の概要 |
SNS運用 | ・商品やサービスの情報を継続的に発信できる ・SNS上でファンとコミュニケーションがとれる |
ファンコミュニティの運営 | ・ファンと企業間またはファン同士の交流が図れる ・掲示板やレビュー機能によって、ファンの意見を集められる |
オンラインサロン | ・会員限定のコミュニティ ・熱量の高いファンと交流できる |
サブスクリプション | ・定額費用を支払い、限定商品やサービスを受ける ・一般顧客との差別化ができる |
メルマガ配信 | ・企業からファンに向けて情報発信が可能 ・価値のある情報発信は、ファンとの接点になる |
ライブ配信 | ・リアルタイムでファンと交流ができる ・SNSだと情報拡散が速い |
紹介プログラムの実施 | ・企業がリアルタイムで映像を配信 ・商品やサービスの魅力が伝えやすく、ファン増加が期待できる |
サンプリング体験会 | ・ファンにサンプルを提供し、使用感や満足度を発信してもらう ・口コミによって、認知度の低い商品も拡散できる |
関連記事:ファンマーケティングの代表的な施策8選!KPIを設定するポイントも解説
顧客のファン化に成功したファンマーケティングの成功事例3選
顧客のファン化に成功した企業の事例を3つ紹介します。
- スターバックス|会員限定サービスで特別感を演出
- ヤッホーブルーイング|熱心なファンに向けたイベントを開催
- カゴメ|ファンの愛着をより強めるコミュニティ
スターバックス|会員限定サービスで特別感を演出
スターバックスでは、会員サービス「My Starbucks」によってファン化を成功させました。
My Starbucksに登録すると、以下の会員限定サービスが受けられます。
〈サービスの一例〉
サービス名 | サービスの概要 |
スターバックス® リワード | 購入するとStarがたまり、ごほうびや特典と交換できる |
先行告知メール | 新商品の情報を一足早く入手できる |
コーヒーセミナー | 一般の方より先に応募できる |
My Starbucksは、会員限定サービスによって顧客に特別感を抱いてもらえ、開始4年で会員数が800万人を超えました。
ヤッホーブルーイング|熱心なファンに向けたイベントを開催
ヤッホーブルーイングでは、スタッフとファンが交流できるイベント「超宴」を定期的に開催し、ファン化を成功させています。
ヤッホーブルーイングではファン化を促すために「情緒的価値」を重要視しています。
商品のデザインや美味しさでリピートする「機能的価値」を感じている顧客ではなく、商品が好きでスタッフの熱量や企業のミッションに共感する「情緒的価値」を感じてくれる顧客の満足度を重視しているのです。
熱量の高いファンを大事にし、ファンに喜んでもらう施策を積極的に実施しているからこそ、ファン化が広がり売上もイベント参加者も増加しました。
カゴメ|ファンの愛着をより強めるコミュニティ
カゴメは、少数の熱心なファンによって支えられていることに気づき、よりファンに愛着をもってもらおうとコミュニティサイト「&KAGOME」を開設しました。
&KAGOMEでは、以下のようなサービスを実施しています。
- 会員限定イベントの開催
- オリジナルレシピやレビューの投稿
- カゴメ社員の熱量の高いトーク など
コミュニティサイトでしか聞けない話やファン同士の交流ができるため、ファンはカゴメへの愛着を深めています。
開始から6年(2021年9月時点)で会員数は4.9万人と、ファン化を進めています。
顧客をファン化させて安定的な売上を目指そう
既存顧客をファン化できれば、リピート率や購入単価の向上によって安定的な売上が見込めます。
コストのかかる新規顧客獲得よりも効率的に売上を伸ばせるため、企業の成長には既存顧客のファン化が欠かせません。
ファン化を促すためにファンコミュニティを運営する場合、株式会社kazeniwaの「DISCO」をご検討ください。
DISCOは、ブランドのファンづくりをサポートするサービスで、コミュニティ分析ができたり、ファンとの交流が図れたりとファン化に必要な機能が充実しています。
既存顧客のファン化を進めていきたい方は、ぜひお問い合わせください。