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アップセル・クロスセルの意味とは?実現するために必要なポイント4つも併せて紹介

2024年10月07日

アップセル・クロスセルは、売上や顧客単価の向上を図る手法です。 新規顧客の獲得が難しい現代では、ロイヤルティや顧客単価を向上させるために効率的な方法だとされています。 本記事では、アップセル・クロスセ […]

アップセル・クロスセルは、売上や顧客単価の向上を図る手法です。

新規顧客の獲得が難しい現代では、ロイヤルティや顧客単価を向上させるために効率的な方法だとされています。

本記事では、アップセル・クロスセルの意味を詳しく解説し、実現するために必要なポイントを4つ紹介します。


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アップセルとは|現在よりも上位の商品やサービスの提案

アップセルを実現できれば、新規顧客を増やさずに顧客一人あたりの売上高や顧客単価を高められます。

アップセルとは、既存顧客に対して、現在利用しているものよりも高価格、または高機能な商品やサービスの購入を促す手法のことです。

たとえば、通常のクレジットカードからゴールドカードに変更を促したり、有料会員による割引や特典を付与したりする例があります。

顧客単価を高められるのはもちろん、顧客ニーズをくみ取った上位商品やサービスの提案により、顧客満足度を高められることもアップセルの特長です。

クロスセルとは|関連する商品やサービスの提案

クロスセルを実施すると顧客単価の向上を図れます。

クロスセルとは、既存顧客に対して、現在利用している商品やサービスとは異なるものの、関連性のある商品やサービスの購入を促す手法を意味します。

顧客数を増やすことなく、売上や収益を上げられる効率的な手法です。

たとえば、PCを購入しようとしている顧客に対してHDMIの購入を勧めたり、カフェで飲み物を頼まれた際にフードの購入を提案したりすることで、関連する商品やサービスの購入を促せます。

アップセルとクロスセルの違いは顧客に提案する商品やサービスの「性質」

アップセルとクロスセルの違いは顧客に提案する商品やサービスの「性質」

アップセルとクロスセルでは、顧客に提案する商品やサービスの性質が異なります。

アップセルは顧客が現在利用しているものよりも、高価格または高機能な商品・サービスを提案します。

既存顧客のニーズをより深く満たすことが目的です。

一方でクロスセルは、顧客が現在利用しているものとは異なりますが、関連性のある商品・サービスを提案します。

顧客のニーズを拡張し、新たな価値を提供することが目的です。

つまり、アップセルは「縦への展開」、クロスセルは「横への展開」といえるでしょう。

どちらも顧客単価の向上を目指していますが、アプローチ方法が異なります。

アップセル・クロスセルが重要な理由は「効率的な顧客単価の向上」

アップセル・クロスセルが重要な理由は、既存顧客の顧客単価を効率よく高められるからです。

1:5の法則によると、新規顧客を獲得するには既存顧客の5倍のコストがかかります。

新規顧客は獲得コストが高いため、利益向上のためには効率良く既存顧客の顧客単価を高めることが重要なのです。

また、顧客単価だけでなく営業効率を高められるメリットもあります。

1回の買い物で上位のサービスや複数の商品を購入してもらえれば、少ない営業回数で売上や利益の向上につなげられるでしょう。

関連記事:新規顧客獲得にかかるコストとは?CAC(顧客獲得コスト)の定義や重要性も解説

アップセル・クロスセルを実施する際の注意点

アップセル・クロスセルを実施する際の注意点は以下のとおりです。

  • むやみな営業や提案を行わない
  • 顧客ニーズを把握したうえで必要とされているものを提案する
  • 顧客の購買意欲が高いタイミングで提案する

アップセル・クロスセルを実施する際は、むやみな営業や提案を行わないようにしましょう。

無理に商品やサービスを提案すると、顧客に嫌がられる可能性が高く、顧客離れを引き起こす原因となります。

さらに顧客ロイヤルティの低下を招き、自社サービスや商品の購入率低下を引き起こすだけでなく、Web上で悪い評価をつけられるおそれもあります。

そのため、アップセルやクロスセルを実施する際は、顧客ニーズを把握した上で必要とされているものを提案するよう努めましょう。

顧客にベネフィットを伝え、納得してもらった上での購入が理想的です。

アップセル・クロスセルを実現するために必要な4つのこと

アップセル・クロスセルを実現するために必要な4つのこと

アップセル・クロスセルを実現するために必要なポイントは以下の4つです。

  • CRMを活用し顧客のニーズを正確に把握する
  • NPS®を活用し顧客ロイヤルティの高い層を見極める
  • ファンマーケティングを導入し自社のファンを増やす
  • カスタマーサクセスを導入し顧客ロイヤルティを高める

CRMを活用し顧客のニーズを正確に把握する

顧客のニーズを把握しないまま商品やサービスをやみくもに提案しても、成果にはつながりません。

「顧客がどのようなニーズを持っているか」を明確にし、的確なターゲットへ訴求しましょう。

顧客ニーズの明確化を図るには、CRMの活用が効果的です。

CRMとは顧客データを管理するツールで、データを参考にして顧客に適切なアプローチを行えます。

たとえば、顧客の過去の購入商品や購入頻度を把握できます。

同じ商品を繰り返し購入している顧客がいれば、クロスセルによって関連商品の購入につなげられるでしょう。

関連記事:CRMの活用方法6選!機能をフル活用するためのポイント、成功させるコツも紹介

NPS®を活用し顧客ロイヤルティの高い層を見極める

ロイヤルティが高い顧客は自社の商品やサービスに愛着があるため、アップセル・クロスセルを成功させやすいでしょう。

顧客ロイヤルティを計測するためには、NPS®(ネットプロモータースコア)を活用するとよいでしょう。

NPS®とは、顧客ロイヤルティ(商品やサービスに対する信頼や愛着)を測るための指標です。

顧客ロイヤルティを数値として扱うことで、アプローチするべきユーザー層を明確にすることができます。

たとえば、NPS®に置いて9点または10点と回答した「推奨者(Promoter)」が多い層は、顧客ロイヤルティが高いと考えられます。

推奨者は商品やサービスに非常に満足しており、積極的に周囲に薦める可能性が高いことから、口コミによる新規顧客獲得を見込めるでしょう。

関連記事:顧客ロイヤルティとは?ロイヤルティ向上のポイントと成功事例を紹介

ファンマーケティングを導入し自社のファンを増やす

自社のファンを増やすためのファンマーケティングも、アップセル・クロスセルに効果的です。

ファンマーケティングとは、企業やブランド、商品などに対して強い愛着や共感を抱く「ファン」を育成するマーケティング手法です。

自社のファンが増えれば、顧客単価をアップし継続的な売上確保を見込めます。

またファンの声を活かして、顧客目線に立った商品やサービス開発を行える点もメリットです。

熱量の高いファンは企業やブランドとの積極的なコミュニケーションを望んでおり、自発的に意見やアイデアを提供してくれる傾向にあります。

SNSやコミュニティサイトなどを通じてファンと直接対話することで、商品開発や改善に活かすことができます。

関連記事:【徹底解説】注目されるファンマーケティングとは

関連記事:ファンマーケティングの手法8選!成功へ向けたポイントや事例を解説

カスタマーサクセスを導入し顧客ロイヤルティを高める

顧客ロイヤルティが低い層は現状の商品やサービスに満足していない、または他の選択肢を検討している可能性が高いです。

そのため、購買意欲が低く、アップセルやクロスセルへの反応も鈍くなります。

まずは顧客が抱えている課題やニーズを満たし、顧客ロイヤルティを高めることが重要です。

カスタマーサクセスを取り入れることで、ロイヤルティの低い顧客の課題やニーズの把握が可能です。

カスタマーサクセスは顧客が商品・サービスを最大限に活用し、価値を得られるよう働きかける活動全般を指します。

たとえば、ウェビナーやチュートリアル動画などのコンテンツを提供し、顧客が商品やサービスを使いこなせるように支援を行います。

また、顧客の利用状況を定期的に確認し、必要に応じてアドバイスや提案を行えば、顧客が抱える課題を解決し、離脱を防げるでしょう。

顧客のニーズに合った商品やサービスを展開し、顧客ロイヤルティを高めましょう。

関連記事:カスタマーサクセスとは顧客の成功を支える仕事!3つの役割や企業の成功事例をわかりやすく解説

成約率向上にはダウンセルが効果的な場合もある

ダウンセルとはあえて安価の商品やサービスを提案し、購入意欲を刺激する手法です。

顧客の予算やニーズに合わせて選択肢を増やし、購入へのハードルを下げることで、成約率を高められます。

たとえば、高機能な上位モデルではなく基本機能を備えた廉価版のモデルを提案したり、定期購入ではなく単品購入を提案したりする手法です。

ダウンセルを行うと、顧客の購買意欲を高められ、成約率の向上が見込めます。

また、顧客の予算やニーズに合った提案ができれば、顧客満足度が高まり長期的な関係構築につなげられるでしょう。

ダウンセルによって一度顧客との関係を構築しておけば、将来的にアップセルやクロスセルの実現も可能です。

アップセル・クロスセルの実現に成功した事例2選

アップセル・クロスセルの実現に成功した事例を2点紹介します。

  • PayPayカード|既存カードからのアップグレードによって顧客単価向上を図る
  • 楽天市場|組み合わせ販売設定で顧客満足度を高める

PayPayカード|既存カードからのアップグレードによって顧客単価向上を図る

PayPayカードを展開しているYahoo! JAPANでは、ポイント還元率アップをベネフィットとして、年会費無料の一般カードからゴールドカードへのアップセルを促しています。

ソフトバンクスマホの通信費やSoftBank 光などへの支払いにゴールドカードを使用すると、最大で10%のPayPayポイントが付与されます。

年会費が11,000円(税込)と高額なため、顧客に対して相応のベネフィットがないとアップセルには至りません。

しかし、ソフトバンクやワイモバイルのユーザーにターゲットを絞ることで、アップセルに成功している事例です。

2024年6月末時点では、「PayPayカード」および「PayPayカード ゴールド」の有効会員数は1200万人に達しました。

楽天市場|組み合わせ販売設定で顧客満足度を高める

楽天市場では販売強化ツールとして、組み合わせ機能を採用しています。

組み合わせ機能とは、顧客が選択した商品に関連した商品をセットで提案できる機能です。

顧客の販売意欲を高め、1クリックで複数の商品を買い物カゴに入れてもらえます。

提案の際に顧客ニーズを汲み取った内容にすれば、顧客単価の向上だけでなく、顧客満足度も高められるでしょう。

アップセル・クロスセルを活用して顧客単価のアップを図ろう

アップセル・クロスセルが実現すれば顧客単価の向上が見込めます。

しかし、成功には顧客ロイヤルティの高さが不可欠です。

顧客ロイヤリティが低い場合は、まず顧客との信頼性構築を意識しましょう。

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